梶裕貴さんの本「いつかすべてが君の力になる」感想レビュー

梶裕貴さんの電子書籍を読みました。人生について考えはじめる若い人にこういう進み方もあるのかと教えてくれる良書です。本記事では梶裕貴さんの「いつかすべてが君の力になる」の感想をレビューします。

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本書の概要とレビュワー紹介

梶裕貴さんを知ったのはワールドトリガー

わたしは梶裕貴さんを、大好きな漫画「ワールドトリガー」の声優さんということで、まず知りました。他のかたには「進撃の巨人」の主人公エレン役といったほうがわかりやすいかもしれません。

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スター声優さんです

声優に憧れる人もいると思いますが、プロスポーツ選手、俳優、声優、プロゲーマー、人気ユーチューバーといった、皆が憧れる仕事において、第1人者となったかたの「夢をもつ大切さ」について語られた本です。

本レビューを書いている人の背景や立ち位置

その本を以下のようなわたしが読みました。レビューの参考として、差し引いて本記事を読まれると良いかと思います。

  • 40代男性・既婚
  • 仕事は個人事業主で会社経営もしたこともあります
  • 家族にアニメ好きの子供がいます
  • 私は超人気声優さんの名前は言える程度
  • 声優に知り合いはいない
  • ユーチューバー歴1年半でチャンネル登録者数 約1万人
  • 教員時代に専門学校で進路指導経験あり

たぶん、他のかたのレビューとことなるのは、進路指導経験があって、書籍の対象に近い年齢の子供がいる、個人事業をしている、あたりでしょうか。本書でも、アルバイトをしながら声優事務所に所属するという生活を吐露していますが、自営業的な働き方をされている時期の大変さはよくわかります。

感想「いつかすべてが君の力になる」

書籍全般の感想

本書は、とても読みやすい文章で書かれています。おそらく、本文でも頻繁にふれられています14歳のひとも、無理なく読めるよう配慮されたかたちかと思います。

ですから、大人でもとてもつまづくことなく気軽に読めます。いっぽうで、ちょっときれいすぎるかなと、私のような汚れたおっさんは思ってしまうほど、キラキラとしています。

もちろん、文中に苦悩や人生の選択、審査に落ちる、といった苦境に陥ることも吐露されています。しかし、その苦しみ悶える姿も美しい。梶裕貴さんのファンのかたは間違いなく必読の本だと思います。

  • 声優を目指していた頃の話
  • 事務所に所属してからの話
  • 声優という仕事についての話

それぞれについて、たんたんと語られているところもあれば、苦境に立たされ悩む姿も書かれていて、ファンの人だけでなく、人生に迷う若い人や、声優に興味がある人にも共感がもてる構成になっています。
梶裕貴さんの本の感想

いっぽうで、以下に期待して読まれると、ちょっと肩透かしをもらうかもしれません。

  • 声優の仕事について詳しい話や業界裏話
  • 梶裕貴さんのプライベートの詳しい話
  • 人生の判断や働き方についての幅広い事例
  • 仕事の効率やモチベーションの維持の仕方

残念ながらこれらのことまで、深くは掘り下げられてはいません。本文内で頻繁に出てきます下りがあります。

「14歳の人が・・・」「声優の仕事をもっと知ってもらいたい」というくだりが数回出てきますが、まさに本書は、「14歳の人に声優というお仕事を成功した人が伝える」という内容になっています。ですから、適度に厳しさも伝えられつつも、より俯瞰的に語られ、わかりやすさを重視した書き方になっています。

背中を押して欲しい人におすすめ

つまり、上記のような14歳のかたにもっともおすすめな内容と思いました。本文でも言及されていますが、たしかに梶裕貴さんもすでに中堅声優さんとなり、こうした後続への配慮を感じました。

さて、50歳近くのおっさんが響いた箇所をいくつか書きます。

最終審査と大事な日が重なる

人生の選択に迷いはつきものです。迷うときほど人間は、自分の欲望と理性を天秤にかけてしまうものです。梶裕貴さんも、人生の選択に迷うエピソードが書かれていました。その一つが、高校時代に応募したオーディションでの話です。

なんと(オーディションの)最終審査の日程が、演劇部の公演日と重なってしまったのです。~もちろん本来は悩むべきことではありません。~舞台に穴を開けるわけにはいきません。けれど。それは重々わかっていながらも、もう一方で、あれだけ憧れていた声優への道が開かれようとしている・・・。その事実に心は揺れ動きました。

なんと、高校の部活である演劇部の公演日と、養成所に入れるかどうかの最終審査日が重なってしまったというのです。あなたならどうしますか?迷うことなくオーディションを辞退するか、友人に謝って代役を頼むか。

声優オーディションの最終審査までは、本書を読む限りは、梶裕貴さんはとてもスムーズに歩まれます。生徒会長もやられるほどの優等生です。果たして、梶裕貴さんはどちらを選ぶのでしょうか。ぜひ本書でみなさんも確認してみてください。

わたしは最終的な結末を読んだとき思わず、「おおー」と声を出してしまいました。また運営側も、夢を追う側もわかる身として、そうだよなーわかるわかる、と納得の結末に人生の味わいを感じずにはいられませんでした。

声優一本で独り立ちする難しさ

声優の仕事についても書かれています。最近ではネットで調べれば、声優さんのギャラ事情などお金の稼ぎ方については、知ることができます。しかし、声優(といってもアルバイトとかけもちですが)一筋の梶裕貴さんであっても、声優だけで食っていけるようになるには、苦難の連続であることがわかります。

Neumann U87 Condenser Microphone
Photo:license by fireatwillrva

オーディションに落ちたこと、ワークショップでなぜか役がまわってこなかったこと、ライバルの存在、大手事務所のなかでオーディションによばれる難しさなど。いわゆる職業人として、稼ぎを生み出し続ける難しさがとてもよく書かれています。声優という仕事は、アニメを主と考えれば、半年か数ヶ月で作品は一般的には終わってしまうため、そこで収入がたたれます。厳しい世界です。

しかし、夢をあきらめず、与えられた環境で地道にすべきことをする、腐らない。そうした粘り強さの大事さが行間から伝わってきます。

オーディションに落ちたショックが大きすぎたせいか、まったくといっていいほど(当時の)記憶がありません。「問題は僕にある。自分が変わらなくてはいけない」なにを思ったか衝動的に美容室に行き、ほとんどモヒカンに近い奇抜なヘアースタイルにしてみたこともありました(笑)。

あの梶裕貴さんがこれほどまでに取り乱すものかを、書面を見返してしまいました。しかし、オーディションに行くども落ちるとこんな心理状態になるものなのかと、驚いたものでした。独り立ちするまでにはこうした自分との戦いを受け止め続けるものなのかと教えてくれます。もちろん本文後半では、こうしたオーディションに対する気持ちの持ち方などが書かれ、希望をもたせてくれます。

それでも、いまをときめく人気声優さんの苦労話が、業界の話とともに読めるのは、とても貴重な書籍だと思います。人生に悩む人にも共感をもって読めるかと思います。

声優という仕事と梶裕貴さん

本書は、梶裕貴さんの現在までの人生の道のりと、声優という仕事について概況を知りたい、という人におすすめの本です。

逆に本書を読んで、声優ってやっぱり大変だなと思う人もいるでしょうし、より声優に興味がわいたという人もいるかと思います。それでも本書は十分に役目を果たしています。

梶裕貴さんがとくに繰り返し使われている「14歳」という年齢は、とても多感で、かつ世の中も少し見えてきて、それでも人生を強く踏み出すには躊躇する、難しい年頃です。

そんなときに、梶裕貴さんのような人気声優さんの人生を少しでも追体験できる本書は、とても貴重な書籍だと思います。

人生に迷われている若い人に、とくにおすすめです。

漫画版も出ています

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読書が苦手なかたは、じつは漫画版も出ています。大人向けのビジネス書でも最近は、難しい内容の書籍の漫画化が、とても流行っています。

本書で梶裕貴さんも語られていましたが、声優という仕事についてもっと知ってもらいたいというの一つかと思います。こうした読みやすさのサービス精神からは、そうした熱意を感じますよね。

関連情報リンク

本書で出てくるアニメ作品の名前を調べるときに。
>>梶裕貴 – Wikipedia

人気声優さん同士。
>>梶裕貴&竹達彩奈が結婚発表! 「温かな家庭を築いていきたい」と直筆メッセージ – ねとらぼ

劇場版コナンのTVCMのナレーションも。
>>梶裕貴@staffさんのツイート: “【梶】「劇場版 名探偵コナン 紺青の拳」 本編出演に続き、TVCMナレーションも担当・・・”

アニメ作品のギャラ自体は、新人もベテランも決められています。
>>新人声優のギャラ、最初の3年間「一律1万5000円」竹達彩奈が業界の内情語る | キャリコネニュース

声優だけで食べていけるようになるのは、ほんの一握りです。
>>声優・森川智之のMAX月収に共演者驚き「すごい!」 | マイナビニュース

俳優になりたいという夢も、挑戦するまではずっとくすぶっている。
>>「高橋一生が『長年の下積み』の末にブレイク」に鴻上尚史が怒り 俳優志望の息子に悩む父親に贈った言葉とは (1/7) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

進路について迷うことは大事。
>>中学生・高校生のみなさん、一生懸命進路に迷ってください。(古谷有希子) – 個人 – Yahoo!ニュース

まとめ

梶裕貴さんが声優として有名になるまでの人生について、とてもよくわかりました。とても輝かしい実績の裏でさまざまなご苦労をされていたことがわかります。

また、声優という仕事の難しさや考え方などもしっかり書かれており、声優に興味はあるけどどんな未来が待ってるの?という進路に悩む中学生におすすめの内容になっていると思います。

声優に限らず人生に苦労はつきものですが、それが選ぶのは自分自身。悔いのないほうを選べるようにしたいですね。

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