TEDや数々のTV出演やメディアで話題になった植松努さんの書籍を読みました。人気書「好奇心を”天職”に変える空想教室」を紙本とオーディオブックの両方で読みましたので、レビューします。
この記事の目次
TEDで話題の植松努さんとは
植松努さんのプロフィール
植松電機という北海道にある企業の専務取締役をやられているのが植松努さんです。文字のごとく、努力を惜しまない人、という印象を本からは感じます。
ツイッターなど現代はSNSの時代。植松さんはfacebookは公開されていてまめに更新されています。気になる人はフォローされると良いと思います。仕事の話から、いじめに対するご意見など、そのお人柄がにじんできます。
>>植松 努 facebook
そして、更新頻度高いはてなブロガーです。40はてブの人気エントリーもありました。
>>植松努のブログ(まんまだね)
>>つらいを感じるのは弱さじゃない。つらいを無視できるのは強さじゃない。 – 植松努のブログ(まんまだね)
文字ですと、耳障りの良いフレーズばかりが目についてしまう、というかたは動画もあります。
それがこちら。
TEDのスピーチがYouTubeに
植松さんの話題になったスピーチがTED公式YouTubeで見られます。空想教室のあらすじともいえるエッセンスがつまった20分の動画ですので、ぜひご覧になることをおすすめします。
動画を見る時間がない、通勤電車のなかで見たい、という方はログミーで文字起こしされていますので、そちらを読まれるのも良いかと思います。
>>「どうせ無理」は、ラクしたいから 宇宙へ挑む男が語る、自信の育て方・奪い方 – ログミー
ホームページからにじみ出る人柄
ロケット制作をしている植松電機の求人にも植松さんの思いがにじみでています。「形や流行にとらわれず、しっかりと自分を持ち、人として正しい行いをしている人」と書かれています。
なかでも目を引きますのは、その求人内容。「ピアス、茶髪など不可」「右利きで」という具体的な要望も書かれているのですが、その理由も具体的に書かれています。読むとなるほどと納得できる内容で、ここにも植松さんのお人柄が伺えます。
もちろん学歴についても書かれていません。応募は「履歴書、職務経歴書、小論文の3つを郵送」というシンプルな募集。ここにもこだわりを実践していることが伺えます。
まるで下町ロケット!宇宙に近い企業
植松さんが注目されたのは20人ほどの小さな会社が、NASAよりも宇宙に近いと称されるほどに注目される技術力です。ある無重力状態を作れる実験装置は日本では、植松さんのところにしかないそうです。
そんな人が、「夢はかなう」「どうせ無理と戦う」「作り方さえわかれば作れないものはない」と励ましてくれる本書は多くの注目を浴びることになりました。
それでは、私なりの空想教室の感想文をどうぞ。ちなみにわたしのプロフィールです。前提として差し引いてお読みいただければと思います。
- 会社員歴3年フリーランス歴18年
- 会社経営13年(1人会社ですが)
- 長期は悲観的、短期は楽観的
- 抽象よりも具体
好奇心を“天職”に変える空想教室 | 植松 努
空想教室の感想
さて、そんな植松さんですが、わたしも最初からここまで知っていて読み始めたわけではありません。オーディオブックFebeさんのおすすめで読み始じめ(聴き始め)たのがきっかけです。
リアリストにもおすすめの自己啓発書
わたしはどちらかというと、ふだんあまり自己啓発書というジャンルは読みません。空想教室には「夢はかなう」といった元気の出るフレーズがたくさん出てきます。ですから、書店で並んでいてもおそらく手に取らなかった本の1つだと思います。
しかし、オーディオブックを聴き始めると、具体的な実践や体験が平易でわかりやすい言葉で、どんどんと語られてくるではありませんか。なんですか、これはと思いました。紹介されたことで読み始めたわけですが、これは嬉しい裏切りにあったあわけです。すぐに私は惹き込まれていきました。
- 人口減少時代にどう生き残っていくか
- 迷ったときはどちらを選べばいいのか、誰に相談すればいいのか
- 部下を育てるためにはどうすればいいのか
- どうものごとに向き合い考えていけばいいのか
ちなみにわたしはちょっとひねくれた性格です。ですからよく職場で親心から「思考停止を叱る」は上司が多いと思いますが、何が思考なの?とよく思ってしまいます。困った性格ですね。でも、その「思考」とは何なのかを具体的に本書では書かれています。そうか、そうして考え続ければいいのか、と教えてくれます。経験にうらうちされたひとつひとつの言葉が語りかけてきます。
では「考える人」とはどんな人でしょうか。~世界が今、真剣に探し求めているのは・・・。
この答えは、ぜひみなさんが本書で見つけてください。
わかりやすい言葉の背景に多くの読書
植松さんは言ってしまえば、町工場のオヤジさんです。そんな人がわかりやすく文章を書けるのか。そう思われる人もいるかもしれません。
しかし、植松さんはとても読書が好きな方で、本書でも読書の大切さを語っています。そしてこうも言っています。
考えるためには美しい言葉が必要です。美しい言葉を身につけたら発明ができます。美しい言葉を身につけるために素敵な本を読んでください。そしてその言葉を使って下さい。
この言葉だけを取り出して書いてしまうと、抽象論に聞こえてしまいますが、その発明をした植松さんが言い、そして前後にはしっかり具体的なエピソードが書かれています。なんという説得力でしょう。じっさいに植松さんも多くの読書をしている姿が目に浮かびそうです。
植松さんが小さい頃に、読書の大切さを教えられたエピソードも載っています。わたしもじんわりと胸に響きました。チームで作る、仲間を集める、夢を語る。きれいな言葉って、思考に影響するでしょうし、コミュニケーションにも役立ちますよね。
考えることに専念する大切さ
部下を持つ上司にぜひとも読んでほしい下りがあります。
うまくいかなかったとき「だったらこうしたら?」を考える。
子供の頃はとにかく「やったことがないこと」をやりたかった。
人に我慢を教えるためには、・・・代替案が必要です。
皆さんのなかには、こういった失敗を許容して前進させる育て方に疑問を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
わたしも本書を読む前はそうでした。「そんな余裕、たいていの企業には無いよ」と。しかし、その仕掛けもしっかり具体的に書かれています。もちろん、すぐにハックできるような小手先のものではないのですが、それでも、たしかにそうだよな、と納得できる方策ですし、逆にすごくシンプルです。知っている人は間違いなく実践している単純な方法です。
もちろん、これらは性善説が前提と言ってしまえばその通りです。しかし、その前提をビュアに信じてやまない植松さんが、まるで目の前にいるかのように本書は語りかけてきます。
空想教室のセルフオブジェクション
あまりにも良いことばかり書いてきました。それでは逆に胡散臭く感じる人もいるかもしれませんよね。ですので、以下にセルフオブジェクションというか、ネガティブ思考なわたしが読んでいて、くつがえされた事柄を列挙していきますね。
成功話ばかりに聞こえる
書籍の中盤くらいに、植松さんの会社での苦労話が出来てます。もちろん実験が失敗するといったエピソードは多く書かれているのですが、それは好きなことでの失敗ですよね。いっぽうこちらの苦難は歓迎されざるものです。
僕は会社を作り・・・どんどんどんどん人が辞めていきました。
カリスマ経営者がトップに立ったとき起きがちなこと、と言ってしまえばそれまでですが、植松さんも同様の苦しみを経験されていました。
しかしそれを見事に克服していきます。そのきっかけとなったエピソードも具体的に描かれ腹落ちします。部下をもつ多くのマネジメント層にも共感されるのではないでしょうか。
やったことがないことのリスク
誰もやったことがないことをやることの大切さはわかる。でも、それが失敗したら社員はどうなるのか。そんなリスクや現実論を考えることは自然かと思います。
ですが本書でもその点について言及されています。なぜ、そういうリスクに挑戦できるのか。好きだから、だけではないちゃんとした戦略とリソースをどう確保するのかという仕組みについて書かれています。
ちなみにその点については、こちらの会社と似ているかもしれません。こちらも地方の中小企業が「休日数日本一、報連相禁止、命令禁止、70歳定年、全員参加の海外旅行」などを実現し羨望の視線を注がれています。
日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり” | 山田 昭男
絶対にゆるまないネジ―小さな会社が「世界一」になる方法 | 若林 克彦
具体的な生き残りの戦略について、その戦略を遂行するために必要なリソースについても、わかりやすく書かれている本書は非常に稀有な存在と言えます。
やさしく噛み砕きすぎじゃないの?
さすがにこれは人によって受け取り方はそれぞれですので何とも言えません。出版社であるサンクチュアリ出版の公式ホームページで30ページ以上もの試し読みができるPDFファイルが無料でダウンロードできます。お試しでそのやわらかな絵柄や文体にふれて、ご判断いただければと思います。
>>好奇心を“天職”に変える 空想教室|サンクチュアリ出版
ちなみに、植松さんの著書ではないですが、技術的でもっと硬派なサクセスストーリーを読みたい、という方はこちらも良いかもしれません。はやぶさが困難を乗り越えて帰還するシーンは、まるで生き物のように愛らしく思える、こちらも名著です。
小惑星探査機 はやぶさの大冒険 | 山根一眞
そして、このはやぶさについても空想教室では取り上げています。両方読みますとさらに味わい深くなること間違いなしです。
書ききれない本書の魅力
この他にも本書の魅力は語り尽くせません。人生に悩む人、進路に苦悩する人、部下を持つ上司、チームで仕事をするメンバー、将来に不安を持つ子供や大人、多くの人に希望と生きることの素晴らしさについて、琴線に触れる内容となっています。
ですので、本としてのデザインや編集について見ていきましょう。
イラストは須山奈津希さん
須山奈津希さんと聞いて知らずとも、以下の書籍のいずれかを見たことがある方は多いのではないでしょうか。多くの人気書籍のイラストを手がけていらっしゃるイラストレーターさんです。
>>人気の「須山奈津希: 本」最新一覧はこちら。
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須山さんの温かみのあるイラストが、植松さんのわかりやすく平易な文章にぴったりとマッチしています。他にもこんな著書にかかわられています。
あそびのじかん――こどもの世界が広がる遊びとおとなの関わり方 | しみずみえ, 須山奈津希
好きなところから読める
本書は、小見出し1ページ+本文数ページ+まとめの一言、という構成がたくさん連なる全容になっています。ですので、読み物としても、辞書的にも開きやすい見せ方になっています。
多めの余白も、普段読書に慣れていない人にもとっつきやすさが感じられると思います。「本を読まない人のための出版社。本をもっとシンプルで、面白いものにする」というキャッチフレーズがサンクチュアリ出版の公式サイトに書かれています。それでも、そのわかりやすさを保ちつつ、読書好きの人にも納得できる読み応えに共感できます。
編集をされたのはサンクチュアリ出版の編集長さん。他にも多くのベストセラーを生み出しています。
>>橋本圭右(@ksk28)さん | Twitter
橋本さんの編集かまではわからないのですが、こちらの新刊も話題で、Amazonレビュー投稿数80件を超える人気書籍です。
図解 ワイン一年生 (SANCTUARY BOOKS) | 小久保尊, 山田コロ
わかりやすく伝えようという編集者の思いが伝わってきますよね。こういう出会いだと思います、名著って。みんなの思いが本当に大切。
多くの読書感想文にも共感
辛口が多いと言われるアマゾンの感想でも、ここまで良い評価の本は本当に珍しいと思います。
>>「Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 好奇心を“天職”に変える空想教室」最新一覧。
Amazonで詳しく見る
人気ブロガーなど多くの書評にあふれています。読書感想文などのテーマで本書を読まれている方にも参考になるかもしれません。
>>”どうせ無理”をなくす。植松努さんのTEDスピーチ動画が私の人生を変えた – まじまじぱーてぃー
>>空想教室 – 本と学問でひらく未来<高校生応援> -みらいぶプラス/河合塾
おすすめはオーディオブック
大人にも子供にも手にとって(紙本)、そして聴いて(オーディオブック)、携帯(電子書籍=内容の検索性が増します)してもらいたい書籍です。
わたしはオーディオブックから本書を読み始めましたが、まさか書籍のデザインがこのような温かみのあるものだと思いませんでした。それくらい、ビジネス書として面白く読んだからです。
オーディオブックでは、なんと植松さんご本人のメッセージも収録されています。おすすめです。
書籍は、読みやすさが重視され、いっぽうで余白が多く読むリズムが出ない、と思われる読書好きにこそ、オーディオブックをおすすめしたいです。わたしは何度も繰り返し聴いて、いつも元気をもらっています。
こんなにも素敵な人たちが関わって作られている本、きっとあなたの人生にも影響を与える1冊になると思います。
そして、いつかあたなも植松さんのロケット教室に参加し、一緒にロケットを飛ばしてみてはいかがでしょうか。公式サイトで募集要項があります。ロケットは飛ばせるのです。
>>モデルロケット教室(一般用)
おすすめですよ。
好奇心を“天職”に変える空想教室 | 植松 努
関連情報リンク
植松電機 1―「夢に向かって」植松努物語 (『心を育てる』感動コミック) | 田原 実, 西原 大太郎
サンクチュアリ出版のイベント情報。
>>イベント|サンクチュアリ出版
子どもたちへの教育には応相談とのこと。
>>植松努の経歴と出身大学目の覚めるの名言と講演料50万円の理由 – ドラマティック&メディア
なんとクラウドファウンディングでも。講演は神戸だけでなく岐阜や全国で。
>>「どうせ無理」をなくす!植松努氏講演会in神戸を3000人に無料で聞かせたい – CAMPFIRE
2chでもリスペクト。
>>【教育】北海道苫小牧拓勇小学校で、植松努さんと〝拓勇ロケット〟打ち上げ教室
下町ロケットの作者である池井戸潤さんはモデルの存在は否定しています。
>>【下町ロケットのモデル?!】植松努「好奇心を“天職”に変える空想教室」
夢はかなう。
>>発明をしたら。私は普通の主婦です。以前からこんなのがあったら良… – Yahoo!知恵袋
日々のビジネスも重要。そのための守り。
>>特許を取得している会社は、前向きな会社と見ていいでしょう… – Yahoo!知恵袋
まとめ
私たちは良くも悪くも凄い時代に行きています。人口減少といういっぽうで、ロケットが民間でも飛ばせてしまうという。
>>人気の「植松努: 本」最新一覧はこちら。
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>>人気の「サンクチュアリ出版: 本」最新一覧はこちら。
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植松さんの飾らない吐露は読む人すべての心に響くと思います。すべての人にぜひ読んでもらいたい1冊としてご紹介しました。
植松さん、元気をありがとうございました。そして、これからもがんばってください。
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