「YouTube作家的思考」レビュー~個人ユーチューバー必読のおすすめ本

いわゆるユーチューブ作家の本を読みました。複数のユーチューバー作家の経歴や仕事の仕方をまなべる書籍です。すべての個人ユーチューバーさんは、読まれることをおすすめします。

「YouTube作家的思考」という書籍

ユーチューバー的思考

2020年頃から芸能人が多く参入しはじめたユーチューブ。また、コロナ渦でプレイヤーも激増しました。

そうしたなか、わたしのような個人ユーチューバーは、苦戦を強いられています。そして、この本にめぐりあいました。

  • フワちゃんTVにかかわる長崎周成さん
  • しもふりチューブにかかわる白武ときおさん
  • カジサックチャンネルにかかわる山口トンボさん
  • 上原浩治さんの番組にかかわる谷田彰吾さん
  • YouTubeキュレーターのカツオさん

これまで多くのテレビ番組で活躍してきた第1線の放送作家さんばかりです。そして、多くの有名芸能人ユーチューブ番組にかかわってきた、その過程を紹介しています。

  • 撮影から、動画の企画、構成、分析
  • バズる仕掛けを考えていく
  • チャンネルの人気維持と向上に貢献する

ディレクターでありながら、構成作家としても企画を考え、そしてYouTubeアナリティクスなど数字を読み、YouTubeチャンネルを継続的に成長させる影の存在です。

本書はそうした、複数のYouTube作家に光をあて「プロの仕事」の片鱗を見せてくれています。

個人ユーチューバーはこうした人達と戦うのか、と認識できる良書です。

YouTube作家的思考 (扶桑社新書) | 長崎周成, 白武ときお, 谷田彰吾, 山口トンボ, カツオ

YouTube作家的思考
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YouTube作家的思考のレビューと感想

フォロワー10万に未満の個人ユーチューバー

ユーチューブ作家

チャンネル登録者数1~10万人のユーチューバーにとっては、驚異に感じる内容かと思います。本書では、それぞれのユーチューブ作家が、泥臭く、そして人生をかけて、チャンネルと出演者の成長をバックアップしていく姿が描かれています。

人生をかけたプロの仕事が、そこにはあります。

なので「バイトよりYouTubeがんばろう」と言って、スタートアップの機材費と撮影費に加えて実は毎月10万円、生活費を僕が貸していたんです。

第1章のふわちゃんのチャンネルをバックアップする長崎さんの告白です。なんと、ふわちゃんに毎月10万円を貸していたとのこと。ここまで賭けるのです

他にも、多くの人生をかけた熱量多めのユーチューブ作家活動が描かれます。ぜひ、現役個人ユーチューバーには、読破してほしい。ここまでやっている人たちと戦う覚悟を持つために。

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これからユーチューブ作家を目指す人

ユーチューブ作家

ユーチューブ作家がこれから、職業としてどれくらい市民権を得るかは未知数です。ユーチューブでもいくら著名人でも、チーム全員を養っていけるほどの稼ぎを叩き出す人は限られるでしょうし、日本の人口も減っていきますので、パイも限られてはいるでしょう。

しかし、本書で明かされているキャリアパスは、テレビの放送作家をまずはアシスタントなど、なんとか入れてもらい、そして徐々に番組をもたせてもらい、そしてユーチューブへ進出するという流れ。これが多かったです。

つまり、狭き門ではあるものの、若さと体力と戦略があれば、誰にもチャンスがあることを、教えてくれます。映像クリエイターという道を目指すには一本道ではない、営業力や人間力が大事なんだと、わかります。

ですから、そうした若い世代には、背中を押してくれる元気をもらえる本だと思います。

ユーチューバー作家の収益は書かれていない

ユーチューバーを目指す人の気になることとして、どれくらいの収益があるのか、があると思います。前述のような、著名人で巨大チャンネルになりますと、相当の収益が毎月あるものと思われます。

いっぽうで、残念ながらそうした収益については、まったくといいほど描かれていません。個人的には、毎月数百万の売上があって、タレントさんとどう折半しているのかが気になって本書を購入したのですが、そこはぼかした程度も、書かれていませんでした。

ユーチューブの規約として、金額を明かしてはいけないということがあります。ただ、それでもタレントさんとどういう按分をしているのか、制作の原価はどれくらいなのかといった、製作コストや人件費については、もう少し知りたかった、というのが正直なところです。

ユーチューバー作家という仕事と、それになるためのキャリアパスに興味のある学生さんに、おすすめの内容かと思いました。

これからのユーチューブを理解できる良書

とにかく、チャンネル登録者数10万未満のユーチューバーは、こうした戦い方をするチャンネルと、おすすめ欄のインプレッションを競い合うことになります。ですので、本書は読んで損はないと思います。

以下のような、トップ芸能人ユーチューブチャンネルの裏側を知ることができる、貴重な情報です。

  • とにかく動画をあさって、またまたトライ&エラーを繰り返すという時期
  • 僕は基本的に寝ているとき以外は、あまり余暇時間をつくりません
  • 毎晩、梶原さんと何時間も打ち合わせをして、そのまま撮影して、そのあとまた梶原さんがうちに来てしばらく話して、帰られたと思ったら電話がかかってくる、みたいな。

・・・壮絶ですよね・・・。

芸能人ユーチューバーというよりは、人生かけた映像クリエイター集団が、おすすめ欄をとりにくる局面に入った、ということを強く認識できました。

ぜひ、ユーチューバーのみなさんは読んで損はない良書だと思います。

撤退する先駆者たち~これからのユーチューブ

ユーチューバー本

さて昨今、先行している個人ユーチューバー達は、あいついで動画投稿休止を表明しています。

>>リアルサウンド|ラファエル、やらせ封印&企画への注力で毎日投稿終了へ
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>>ヒカル、YouTube更新休止を発表 期間・理由は? – モデルプレス
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芸能人でトップを走る江頭さんは、体調不良による休止を発表しました。ただ、それくらい競争は過酷になりつつあるのかなと思います。実際、わたしもキツいです。

>>江頭2:50、体調不良で一時活動休止をYouTubeで発表 新型コロナ感染は否定 – SANSPO.COM
サイトで詳しく見る

もちろん、トップユーチューバーも、すでに組織化や外注での制作ではあるのでしょうけども、競争が激化してきたり、割に合わなくなってきたり、というのはあるのかなぁと思います。

ですので、そうした現状を知る意味でも、本書はとても有益です。おすすめです。

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まとめ

  • 芸能人トップユーチューブチャンネルの裏側を垣間見ることができます
  • 芸能人が多数参入している今のユーチューブを知ることができます
  • 組織としてユーチューブ運営をする上での収益の分配などには触れられていません

具体的なユーチューブのテクニックやチーム運営、という情報を期待している人には向きませんが、今のユーチューブを知りたい、今後ユーチューブがどういう市場になっていくのかを知ることができる良書です。

おすすめです。

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