ショート動画SNSのアナリティクスをまとめてみました。現状では、YouTubeもInstagramも、TikTokには及ばないという印象ですが、それぞれで囲っているユーザーとのシナジーがどう弾けるか今後に注目です。ただ、じつはTwitterもかなり充実しています。
[kanren]
この記事の目次
ショート動画の仕様比較
本記事の投稿者のわたしのショート動画投稿実績は、各SNSをご覧ください。
とりあえずTikTokとYouTubeはおかげさまでフォロワー数は1万をこえています。いちおうは語る資格はあるかなと考えます。
さらにフォローしていただけると、とてもうれしいです。
なお、規約上YouTubeではアナリティクスの公開が認められていません(規約からはそう解釈できます)。
ですのでほかもふくめグラフなどキャプチャは、今回の内容的にはそれほど影響ないと判断し、きほん割愛させていただきました。
企業のコンテンツマーケティング担当者さまの、運営指標やプラン構築の参考になれば幸いです。
BGMの提供
BGM提供がないプラットフォームでは自身で用意する必要があります。
- TikTok:あり+オリジナル
- Instagram Reels:あり
- YouTube Shorts:なし
- Twitter:なし
投稿可能な動画の長さ
じつは一番長いのはTwitterです。
- TikTok:最大60秒
- Instagram Reels:最大30秒
- YouTube Shorts:最大60秒
- Twitter:最大140秒
BGM合成機能
- TikTok:あり(元の音源とミックス、音量調整も可能)
- Instagram Reels:元の音源に上書き
- YouTube Shorts:なし
- Twitter:なし
現状もっとも大きな残念な点
他のSNSでも著作権侵害コンテンツは多くありますが、ショート動画は他の人の動画の音源を利用しやすくできてしまう仕組みがあり、それを権利者本人しか通報できない仕様が多いことが拍車をかけています。
- TikTok:著作権侵害音源の利用動画が多い
- Instagram Reels:BGMミックスできない、音量調整もなし
- YouTube Shorts:縦長動画しか対応していない
- Twitter:レコメンドなどインプレッション増は自力
ただ、TikTokでは有名人やトップTikTokerも、多くの著作権侵害とおぼしき音源を利用しています。他のインフルエンサーも使っているから、という点で著作権意識が緩んでしまいがちなのかもしれません。
機能がもっとも充実しているだけに、TikTokのその点はより残念に見えます(逆にそれが軽視されたから急増したとも言えるが、ほめられたことではない)。
※そもそも提供楽曲も、アーチストには収益が入らないので、そこも問題だとは思いますが。調べるとどうやら、販売サイトでいうお試し聴きの扱いらしいです。
>>TikTokが急成長する裏で、割を食うアーティストたち | WIRED.jp
サイトで詳しく見る
TikTokで知名度をあげて、YouTube広告でマネタイズする、という流れを構築できるアーチストはまだましというのが実態です。
Excel対応 90分でわかる! 日本で一番やさしい「データ分析」超入門 | 学, 内田, 良久, 兼子
ショート動画SNSのアナリティクス比較
TikTok
ショート動画に特化したプラットフォームですので、インサイトはとても充実しています。インプレッションは出ませんが、TikTokではタイムラインで表示されれば再生がはじまりますので、実質、再生数はインプレッションと考えて問題ないと思われます。
- 再生数
- いいね
- コメント数
- シェア
- 合計再生時間
- 平均視聴時間
- トラフィックソース
- 国
- ※ショート動画全体での集計値:あり
- ※再生開始:表示と同時
- ※データ保持期間:最大28日 エクスポート可能
チャンネル全体としてはさらに以下のインサイトもわかります。
- 性別
- 国
- 時間帯別アクティビティ
すでにユーザーが自分の動画のPRに利用できる動画広告もはじまっています。そこでは、以下のこともわかります。
- 支出額
- 動画閲覧数
- リンクのタップ数
- いいね
TikTokでは表示と同時に再生がはじまりますので、閲覧数が実質的なインプレッションとみられます。
もちろん、検索ではさすがに再生されませんが、おすすめでの圧倒的再生数に比べれば誤差の範囲と考えます。とにかく、TikTokはレコメンドが圧倒的なのです。
>>アマゾンで50%引き以上になっている食品タイムセール
Instagram Reels
2020年に実装されたInstagramのショート動画リール。ディスカバーでも推しがはげしいと評判です。リールタブというトップ露出という優遇っぷりです。ただ、なぜかそのReelsにはインサイトがありません(IGTVにはある)。
ネガティブフィードバック「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術 : 難波 猛
- 再生数
- いいね
- コメント(手動でのカウント)
- ※ショート動画全体での集計値:なし
- ※再生開始:リールタブへ遷移していれば表示と同時
- ※データ保持期間:最大30日 エクスポート非対応
ですので残念ながらわかることはデフォルトの投稿画面でわかる数字のみです。Instagramではインプレッションもトラフィックソースもわかりません。
SNS媒体のなかでは、もっとも評価しづらい媒体といえますが、2020年においては公式のリール推しが続くと見られますので、フォロワー数獲得には不可避かもしれません。
YouTube Shorts
現在、動画作成機能においてはもっとも劣る(BGMが提供されていない)YouTubeショーツ。ただ、アナリティクスとしてはYouTubeのものがそのまま使えます。このあたりはさすがGoogle、といったところです。
- インプレッション
- クリック数(再生数)
- 総再生時間
- トラフィックソース(関連動画やキーワード他)
- 視聴者維持率
- 平均視聴時間
- 高評価率
- オーディエンス
- デバイス
- 収益
- いいね
- 低評価
- コメント数
- ※ショート動画全体での集計値:なし
- ※再生開始:タイムライン画面になれば表示と同時
- ※データ保持期間:全期間 エクスポート可能
トラフィックソースで注目スべきは、広告の種類も動画投稿者側でわかることです。以下はわたしの動画ですので、他にももっとあるかもしれません。アプリだけでなく、PCブラウザやテレビでの視聴を考慮されている点は、他のSNSと大きく異なる点です。わたしのゲーム実況動画ですと、約3割がテレビ視聴になっています。
なお、YouTubeのオーディエンスは、親のスマホを使っていると見られる動画の場合は、あてになりません。
- スキップ可能な動画広告
- バンパー広告
- スキップ不可の動画広告
- ディスプレイ広告
Twitterの広告対象になっていなければ、現在ショート動画で唯一マネタイズができる媒体となっている点も注目です。実際、わたしのような弱小チャンネルでも、収益を出しているショート動画もあります。
ポテンシャルとアナリティクスはやはり圧倒的です。
なお、DataPortalには連携をしますが、ショート動画のみ抽出といったフィルタが使えるのかは未検証です。
じつはショート動画で、もっともインサイトが充実しているのがTwitterです。リツイートや返信(コメント)などがわかるほか、プロフィールクリックまで出ます。
- インプレッション
- メディアの再生数
- エンゲージメント総数
- メディアのエンゲージメント数
- 詳細のクリック数
- いいね
- プロフィールのクリック数
- リツイート
- ハッシュタグのクリック数
- 返信
- ※ショート動画全体での集計値:なし
- ※再生開始:表示と同時
- ※データ保持期間:最大90日 エクスポート可能
最近のトップツイートでは、以下のような数字になっています。また、これが、GIFアニメですとさらに上がる傾向があります。
- インプレッション 4649
- メディアの再生数 711
- 再生率 15%
ただ、トラフィックソースやオーディエンスはわかりません。また、再生も同一ユーザーをはじいているのかは不明です。
今後、動画広告も一般ユーザーに開放されるとの噂もありますので、マネタイズ先としても有力な媒体になるかもしれません。
ネガティブフィードバック「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術 : 難波 猛
媒体をこえて面を取りにいく必要性
音声配信とブログも運営しているものとしては、年々ユーザーが媒体ごとに異なることを実感しています。
たとえば、音声配信で言えば自動車メーカーのコンテンツマーケティングがとても盛んです。
また、同じ動画でもそもそものユーザー属性がまったく異なります。それは投稿をつづけていきますと、再生数などですぐにわかります。属性の違いは、カルチャーもありますし、運営側のレコメンドチューニングによるところもあり、さらにその差別化は広がっていくと見られます。
ウェブやテキストにあったブランディングももちろんあるでしょう。ただ、安易に知名度だけでコンテンツマーケティングをするリスクは、年々高まっているように感じます。みなさんは、どう思われますか?
まとめ
- ショート動画SNSのアナリティクスはプラットフォームによってバラバラ
- 一番充実しているのはTikTokだが、YouTubeやTwitterも健闘、Instagramのみ少なめ
- ショート動画は何回も再生されることも多いがユニークを弾いているかはどこも不明
- エクスポート可能な媒体はストックして独自に分析が可能
どこもより詳細なログは見られないのですが、どれももともと用意されていて有料でしかみられない、というプラン分けはありません。
投稿のハードルが低いショート動画が、企業のコンテンツマーケティングでも今後拡大が見込まれる分野だと思われますので、今以上にアナリティクスが充実することを願いたいですね。
それではみなさま、よいお年を。
・・・と、こんな感じに、ブログを日々更新しています。もし記事がすこしでもお役立ちしましたら、投げ銭していただけますとモチベーションの維持になりますので、ぜひよろしくお願いします。
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