「青い鳥文庫ができるまで」感想レビュー、現実にもとづいた本作りというお仕事

青い鳥文庫など児童向け書籍が好きです。わかりやすくて読みやすい。そんな青い鳥文庫ができるまでが書かれた書籍を読みました。

本記事では「青い鳥文庫ができるまで」を読んだ感想をブログ記事にレビューします。

「青い鳥文庫ができるまで」とは

青い鳥文庫とは、講談社の児童向け書籍レーベルです。1980年に創刊され、2018年にアニメ映画もヒットした「若おかみは小学生!」など人気シリーズも擁します。

本書は、4ヵ月におよぶ取材にもとづいた現場の姿を、ストーリー仕立てで臨場感あふれる描写で伝えます。事実をもとにしたフィクションですが、作り方などノウハウなどはほぼ現場通りとのこと。

「これを読んだら、あなたも本がつくりたくなっちゃうかも!」というリードもありますが、まさにそのとおりの内容で、文章を書く人だけでなく、コンテンツを届ける、というすべての人に示唆のある内容だと思います。

青い鳥文庫ができるまで (講談社青い鳥文庫) | 岩貞 るみこ, 藤田 香

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レビューと感想

本をつくる奮闘ぶりを描写

ものがたり風ですが、実際の現場での話しをもとに書かれています。とてもわかりやすく読みやすい文章です。
青い鳥文庫ができるまで

物語は主人公である書籍編集者のモモタを中心に進んでいきます。新刊を発売するまでの、残り5ヶ月の奮闘ぶりが描かれます。

5ヶ月といっても、作家さんにうまく書いてもらい、関係する部署との調整をはかりながら、全方位に配慮をして作業をすすめる姿を、テンポよく描写しています。

ただ、途中で視点が作家にかわるなど、変化のある書き方になっています。

それに、綾小路はモモタの「こども視点」が気に入っていた。綾小路と同い齢くらいのはずなのに、意見も感想も感覚も、まるで青い鳥文庫の読者と同じなのだ。この人は、おとなの着ぐるみを着た小学生なのではないかと思ったこともある。

それぞれの視点をテンポよく挟み込むことで、文章にメリハリがつき、飽きさせない構成になっています。実際、わたしも1日で読み終えてしまったほど。一見すると地味になりがちなデスクワークなオフィスネタを、テンポよく読ませてくれます。

本が届くまでを描いている

タイトルでは「できるまで」と書かれていますが、本書では、原稿ができてからデザインや印刷や配本など、読者に届けるまでが描かれています。

  • 作家
  • 編集者
  • イラストレーター
  • デザイナー
  • 予算管理
  • 校閲
  • 印刷

これだけの人がかかわって本ができている、ということがわかります。物語仕立てなので、ある程度、はしょっているのでしょうけども、逆にそれぞれの部署の役割がすんなりと理解できます。

青い鳥文庫ならではのお仕事も描かれていて、とても興味深いです。

こうして読みやすさを作り出していくのだなと、感心してしまいました。

「書き終える」は「書きおえる」、「流れ出す」は「流れだす」というように、漢字は最初だけにつかう、青い鳥文庫独特の感じ使いのルールどおりに、変えていく。

わたしはユーチューバーとして動画投稿をしています。そこでも、動画を公開するまでにいくつかの工程があります。サムネイル=表紙、タグ付け=奥付など情報付加といった作業をへて、無事に公開がされ、ユーザーに届きます。

ネットでコンテンツを公開しているものとしても、情報をどうパッケージングして、クォリティの高いものを届けるか、という点について、とても共感しました。

本書は、実話をもとにしたフィクションですが、それでも随所に以下のように、実際の担当のかたのコメントが掲載されており、疑似体験の雰囲気を盛り上げてくれます。

販売担当者より「販売が決まった本を、書店でしっかり売ってもらうために、一ヶ月以上前から、本の魅力をSP(セールスパートナー)さんに伝えていきます。」

また、実際の本のつくりかたについて、巻末にわかりやすく図解もされています。同人誌に興味のある人など、じっさいにどのようにして書籍をパッケージ化していくのか、という人にも嬉しい内容となっています。

青い鳥文庫ができるまで

こういう人におすすめです

わたしは、ブログを書いて公開するときに、どうしても最後まで「これでいいのか?」という気持ちが、いつもぬぐえません。もちろん、100%の絶対の完璧はないのですが、それでも何かつかみどころのない不安がありました。

しかし、本書を読み、その正体がわかりました。チェックするためのノウハウがなかったのです。

コンテンツを世にリリースするとき、以前にもまして修正がしづらくなっています。ブログは公開後も修正可能とはいえ、SNSで拡散されたキャプチャなどは回収ができません。ですので、不安は大きくなるいっぽうだったのですが、それも知見がなかったからだと気付かされました。

本書での発行ノウハウは100%具体的に書かれているわけではありません。それでも、これだけの人が、最終パッケージまでかかわっているのだと思うと、前述の不安の正体がわかった気になりました。

同時に、コンテンツにかかわるものとして、今後どういうノウハウを学んでいけばいいのかという指針にも思えました。動画でもブログでも、最終的な情報の正確性や手元に届けるときの露出など、共通点はたくさんあると思えたからです。

ブログを書くときなど、文章校正など最終アウトプットのスキルを学べたら、という思いで読みましたが、全体がわかりやすく理解できてとても良かったです。

青い鳥文庫ということですが、小中学生だけでなくコンテンツをつくる仕事をされる初心者のかたに、ぜひともおすすめしたい本でした。

青い鳥文庫ができるまで (講談社青い鳥文庫) | 岩貞 るみこ, 藤田 香

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関連情報リンク

青い鳥文庫のポータルサイトです。
>>講談社の児童書 青い鳥文庫|トップページ|青い鳥文庫|講談社BOOK倶楽部

YouTube公式チャンネルです。
>> 【公式】講談社 青い鳥文庫チャンネル – YouTube

KADOKAWAの児童向けレーベルは角川つばさ文庫です。
>>【角川つばさ文庫】あさのますみ 作者コメント – YouTube

本ってそのときの思い出もつむいでくれる。
>>本を読む楽しさだけでなく、楽しさを誰かと語る喜びを 夏休みに親子で参加したい「BOOK FUN LETTER」 | ほんのひきだし

本を作るって「技術」、ノウハウなんですよね。
>>体系的に知る、技術同人誌の制作執筆手法!『プロジェクト思考で行こう!~技術同人誌を作る技術』発行 – PR TIMES|RBB TODAY

パブリッシングを自分で行う、という点ではこちらもおすすめです。
>>大西寿男『セルフパブリッシングのための校正術』〈群雛文庫〉

まとめ

  • じっさいの書籍の作り方のノウハウも満載
  • 青い鳥文庫らしいわかりやすく読みやすい
  • ストーリー仕立てで「ヒト」が作っている臨場感が伝わってくる

SNSで情報が手軽に発信できる現代。ブログブームよりもさらに、情報洪水を加速させて感があります。しかし、本が本たるゆえんがわかったような気がします。

わたしのこれからのブログや動画づくりに、おおいに役立ちました。コンテンツをつくる皆様におすすめです。

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