Googleアナリティクスでは、複数のドメインを計測するときには、特別な設定が必要です。それがクロスドメイントラッキングです。ドメインをまたいだページ遷移を計測するときに、この設定を行います。
こんにちは、カグア!です。Googleアナリティクスが一般的になってきたとはいえ、クロスドメインの案件では必要になりますよね。
本記事では、クロスドメインの基本的な考え方と設定を解説します。原理原則を理解しますと、たまに行う設定でも迷いなくできるようになるはずです。なお情報は2015年9月時点でのものです。
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この記事の目次
クロスドメイントラッキングとは
Googleアナリティクスでは、ページがアクセスされるごとにGoogleにデータを送信して、計測を行います。ですから、クロスドメインの設定を行わず標準の状態でも、どのページが何PVあったのか自体は、じつは計測されます。
クロスドメイントラッキングの設定は、このようにセッションのつながり=そのトラフィックの全体をしっかりまとめる、ために必要な設定なのです。
クロスドメイントラッキングの設定方法
詳細は公式ヘルプに書かれています。以下、ユニバーサル アナリティクスでのトラッキングコードです。
>>クロスドメイン トラッキングを設定する – アナリティクス ヘルプ
aaa.comとbbb.comとで、同一のGoogleアナリティクスを設定したいときは、トラッキングコードの設定は以下のように変更します。
aaa.com のほう。ga(‘create’ ~ のga()が書かれている行を修正してください。UA-xxxxxxxx-1 は自分のサイトのプロパティIDに書き換えます。
<script> ga('create', 'UA-xxxxxxxx-1', 'auto', {'allowLinker': true}); ga('require', 'linker'); ga('linker:autoLink', ['bbb.com'] ); ga('send', 'pageview'); </script>
bbb.com のほう。bbb.com からaaa.comに向かうときに、linkerを発動させる、みたいな感じです。
<script> ga('create', 'UA-xxxxxxxx-1', 'auto', {'allowLinker': true}); ga('require', 'linker'); ga('linker:autoLink', ['aaa.com'] ); ga('send', 'pageview'); </script>
なお、カンマ区切りで統一して書かれている記事もありますが、本ブログでは公式ヘルプを準拠しました。計測されていればどちらでも良いかと思います。
linkerとは何か
クロスドメイントラッキングでは、linkerという記述が追加されていることがわかります。linkerとは何なのでしょうか。


リンカーとは、Googleアナリティクスのトラッキングコードに追加するプラグインの一種です。ドメインが変わるリンクを検知すると、自動的にドメイン遷移のために必要な情報を付加してユーザーを遷移させます。
基本となるトラッキングコードに、linkerというプラグインを追加します(require)。その利用を許可して、そして、どのリンクで発動させるのかをga(‘linker:autoLink’, [‘ドメイン名’] )で記述するわけですね。
トリプルドメイントラッキングのときは?
ですから、トリプルドメイントラッキングの場合は、ga(‘linker:autoLink’, [‘bbb.com,ccc.com’] ) というように、カンマ区切りで想定される別ドメインを記述すればOKです。
サブドメイントラッキングは?
サブドメインの場合は、ドメイン自体は一緒ですから、リンカーの設定は不要です。
リンカーは何をしてくれるの?
たとえば、aaa.comからbbb.comにジャンプするときに、bbb.comの遷移先URLに以下のようなパラメーター(?を含むURLの右側の付加情報)が付加されます。
もし設定をミスったら?
ウェブ制作担当者や、Web担当者の指示がミスっていたら、どうすればいいか。
まずは、両方のドメインでリアルタイム解析を見て、そもそもPV自体が取れているかを確認します。それで、とりあえずトラッキングコードが設置されていたら、クライアントに「とりあえず計測はできています。アクセス元をただしく計測する部分が正しく動作していないようです。」と報告してください。
そして、クロスドメイントラッキングの設定を行い、上記のようなパラメーターがつくかどうかの確認をとり、実装完了をさせましょう。
これで終わりではない、あと2つ

1.参照元にドメインが残るのを修正する
リンカーはリンク接続の自動処理をしてくれますが、Googleアナリティクスのほうではリンク元の情報までは書き換える処理をさすがにしてくれません。
ですから、手動で上記のように設定をします。これにより、参照元に指定したドメインが出てこなくなります。
アナリティクス設定>プロパティ>トラッキング情報>参照元除外リスト にドメインを設定してください。複数あるときは、1つづつ設定します。※カンマ区切りで複数設定するとの情報もありますが、動作すればどちらでも構いません。
2.フィルタ設定をしてURLを一意にする
上記のようにフィルタ設定をしますと、データを計測する時点で、URLをドメイン付きのものに書き換えてくれます。
ただし、フィルタはデータそのものを書き換えますので、あらかじめビューを複製して、コピーのほうでテストしてからの実装をおすすめします。
Googleアナリティクスでは、標準ではドメイン名はつかないですよね。行動>サイトコンテンツ>すべてのページ で、「/index.html」とは表示されますが、「http://aaa.com/index.html」とは出ません。
Googleアナリティクスでは、ドメイン以下のURLしかじつはもともと記録していないのです。
ですから、それをこのフィルタ設定で、異なるドメイン部分も追記して、個々のURLとして合算されないようにする、ということなのです。
フィルタ設定の例
上記フィルタを設定して、ユーザーがaaa.com/index.html にアクセスしますと、こうなります。
ホスト名:aaa.com
リクエストURI:/index.html
$A1にはaaa.comがはいり、$B1には/index.htmlが入ることになります。
そして、結合されて代入されますので、最終的にリクエストURIには、aaa.com/index.html という結合されたデータが記録されます。
リンクアイコンが機能しなくなるのは仕方ない
なお、リンクアイコンは、もともと、/index.html と記録されていたものに、ビュー設定で設定されている、http://aaa.com というURLを結合させてジャンプさせるボタンです。
フィルター設定により、URLを上記のように書き換えていますので、残念ながら機能しなくなります。これは仕方ありません。
URLがかぶらなければフィルタ設定はしなくても良い
aaa.com/index.html と bbb.com/index.html というドメイン以下のURLで重複するものがない場合は、じつはフィルタ設定は必須ではありません。そもそも重複合算されて計測されないわけですから。
例:aaa.com は通常のURL構造で、bbb.comでは、すべてが、bbb.com/blog でしか運用していない。かつaaa.comでは/blog/ というディレクトリ運用がないとすれば、重複しないので合算はされないため、適切に分析はできる、ということになります。
ただ、それを知っている人が見ないと意味がわからなくなる、ということはあります。また、リンクアイコンは、ビュー設定しているURL配下のものだけが機能するようになります。
ビュー設定のURLはメインのだけで良い
ビュー設定はじつは、リンクアイコンを機能させるための設定なので、クロスドメイン設定においても、じつはメインの1つだけを設定すればOKです。
コンバージョン設定は記録されているURLで行う
行動>サイトコンテンツ>すべてのページで、実際に記録されているURLで目標設定をしてください。
例示されています、/thanks.html などではありません。ホスト名を合体(マージ)して記録しているため、aaa.com/thanks.html などとなります。
タグマネージャーのクロスドメイン設定
2017年2月8日追記:こちらをご覧ください。書きました。
>>Googleタグマネージャでクロスドメイン、サブドメイン設定をする方法
なぜそもそもクロスドメイン設定が必要なの?
こちらも来週以降追記します!ごめんなさい、もう寝ます・・・。
クロスドメイン設定・まとめ
リンカーの意味やなぜ必要なのか、という考え方がわかりますと、今後Googleアナリティクスがバージョンアップしたときにも、対応の幅が広がるかと思います。
・クライアントIDはセッションを同一のものと意味づける重要データ。
・クロスドメインのときにはそれを引き継がないといけない。
・ドメインが変わるときに自動的にそれを付加してくれるのがリンカー。
・クロスドメイントラッキング時には、参照元除外とフィルタ設定をする。
ユニバーサル アナリティクスでは、リンクのURLを自動的に判別して、パラメーターを付与してくれます。設定がトラッキングコード内に集約されているため改修のしやすさも向上しています。
ぜひ、みなさんもクロスドメイントラッキングに挑戦してみてください。

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