動画で「チャンネル登録をお願い」すると、どれくらい増えるのか。人気ユーチューバーのおれんじ君が、通常のゲーム実況動画とはことなり、実写でお願いをした動画が話題です。結論からいいますと、これまでは1週間で2千人増だったところが、1週間で約2万人ほど増えることに。お願いをすることで、伸びが10倍になるということから、ユーチューバーが学ぶこととは。※読みやすさを重視、本文では敬称を略しています。
この記事の目次
YouTubeではハングリーフォロワーが減ってきた
そもそもフォローをたくさんしている人は、どんなによい動画に巡りあっても、フォローはしないことも多いものです。しかし、YouTubeをはじめたばかりの人であれば、ものめずらしさにフォローをしてくれるものです。
つまり、そもそもフォローをしたくなるような人が減っている、というのが現状なのです。そりゃそうですよね、もうYouTubeが広く一般に普及しはじめて、だいぶ立ちますから、フォローをすでにたくさんしている人が多数派ですよね。
そして、YouTubeでチャンネル登録者数をふやすには、基本的にはインプレッションが増え、たくさん再生されなければなりません。しかし、今のYouTubeはコロナ以降、競争がはげしくなり、またアルゴリズムの変更もあって、トップユーチューバーでも動画がおすすめに表示される機会は、減る一方です。
登録をお願いしたらどれくらい増えるのか?
人気ユーチューバーの実写お願い動画
上記の動画は、おれんじ君という人気ユーチューバーの2021年8月の動画です(通常4人組)。しかし、彼らはふだんはフォートナイトというゲーム実況動画を投稿しています。
2022年1月時点で45万人をこえる人気で、一歩もうごかずゲームをクリアするという動画が約600万回再生されるなど、面白クリア動画が人気のユーチューバーです。
しかし、そんな人気を誇る彼らが、実写で切実にお願いした内容はチャンネル登録をしてください、でした。
実際、かれらの動画は、非常に難解な方法でゲームをクリアするというもので、1週間に1本投稿できる、というほどの難易度です。ですから、人気があるわけですが、それでも登録者の増加ペースはデイリーで500~1000ほどです。もちろん、これは一般ユーチューバーにとっては凄いことなのですが、彼らにとっては、非常に難易度の高い動画を作成しても、このペースでは年間18万しか増えないこととなり、100万にいくまでは数年かかるというペースです。
競争がはげしい昨今のユーチューブでは、失速ととらえてもおかしくない勢いです。彼らの懇願は、いたいほどよくわかります。
著作権侵害動画でも高い増加ペース
上図は、ある著作権侵害動画チャンネルの増加グラフです。デイリーで1500づつ増えており、初期値と比較して、その増加ペースが、増え方が大きくそしてそれが持続している、ことがわかるかと思います。
前述のように、真摯に面白い動画を作ろうとゼロからネタを仕込み映像を作っているものからすると、YouTubeのアルゴリズムは非情に見えます。
そして、前述のように今のフォートナイト視聴者は、フォートナイト動画やゲーム実況動画を見慣れていて、フォローするメリットがうすれているのです。ですから、こうした著作権侵害動画であっても、見慣れていない人に届いているのであれば、フォローされてしまうのです。
それくらい、今のYouTubeのアルゴリズムは、ジャンルとユーザー属性の結びつきが強く、新規のフォロワーを獲得しづらい状況になっています。
チャンネル登録をお願い動画を出すと増える
こちらが、おれんじ君の直近1年のフォロワー数増加グラフです。増加の山が2つありますが、あとのほうが、チャンネル登録お願い動画の効果です。
1週間で、36.6万→38.7万 へ増えています。
直近の直前1週間で2000の増加ですので、約10倍の増加率、ということです。彼らの真摯な動画つくりがあってこその直訴が通じたということだと思います。裏を返せば、彼らのようなトップユーチューバーであっても、未登録者がかなり多いということなのです。それくらい登録されないのです。
登録したい、と思っている人はYouTubeを始めたばかりの人、というのは間違いないのですが、そういう人が、ジャンルによってほんとうに今は少ない、ということなのです。
もう1つの山はヒカキンとのコラボ
もう1つの山は、ヒカキンとのコラボ動画です。その動画だけでも再生回数が、440万回をこえ、彼らの動画チャンネルの中でも2番目に再生されるという破壊力をみせつけました。
ヒカキンのリスナーとおれんじ君の動画は相性がとてもよいことも奏功したと思います。
しかし残念ながらこの結果から、チャンネル登録者数を増やすクリティカルな方法は、残酷な結論を導きだしました。
それは、登録者を増やすのに、爆裂的なヒット動画を作ることは必要ない。それよりも、人気ユーチューブとのコラボをしたり、お願い直訴をする、ということでした。ふだんたゆまぬ動画制作の努力をしている者には、とても残酷な結果が露呈したのでした。
もちろん、これまでのファンはそれは、あまり望まないでしょう。ですから、時間さえかければ、数年後には100万人にはいくと見られますが、そこまでメンタルがもつかどうかは未知数です。今後何があるかもわかりませんし。
しかし、これがYouTubeの現実なのです。
フォロー慣れしていないリスナーに群がるプロ達
ですから、現在のユーチューブでは、フォロー慣れしていないジャンルで、何かの動画がバズると、すぐにそのジャンルに準じたチャンネルがすぐに立ち上がります。
それは、映像クリエイターとしてのプロではなく、YouTubeをハックするプロたちの動画チャンネルです。
彼らは、ココナラやクラウドワークスなどのソーシャルスキルマーケットで、汎用的な動画素材を数千円程度で購入し、そこにあたかも本人が語っているかのような字幕をつけ、VLOG動画をつくります。これが、まあヒットするのです。1ヶ月も投稿しますと、100万再生をたたきだすこともザラです。
フォロー慣れしていない人たちが検索しそうなキーワードにヒットしますと、それほどまでに簡単にはねるのです。映像制作の労力やコストから考えますと、とても割のよい投稿といえるでしょう。
また、どんなに凄いスーパープレイをしても、セクシーでかわいい女性がプレイしたら、速攻で登録者数ははねあがります。それもまた現実です。一瞬で欲望を満たしてくれるとわかるビジュアルは、いつの時代も最強なのです・・・。
そして、仮にフォロー慣れしていない人たちがいるジャンルがわかったとしても、今のYouTubeのアルゴリズムでは、それに関連した動画を投稿したとしても、そのジャンルのおすすめに載ることはないのです。チャンネル自体に紐付けられたジャンルを越えてインプレッションされることはないのです。ですから、やるのであれば新しいチャンネルをつくって狙うしかないのです。
フォロー慣れしている人たちが飽和しているジャンルでは、ほんと今のYouTubeでは、24時間ライブや、xx万人到達までライブ、といったお願い企画をしませんと、ほんとうに伸びないのです。
これからユーチューバーを目指そうという人たちは、こうした現状はもっと進むと覚悟したうえで、YouTubeに参入されるとよいと思います。
また、前述の「お願い動画でどれくらい増えるのか」という数字は、自分自身の登録者数にあてはめますと、だいたいどれくらい増えるのか、算出できるはずです。
ぜひ、あなたの動画投稿の参考にしてください。