Audiostockで買ったYouTube安心利用曲でも著作権侵害の申し立てを受けることがある

著作権フリーの音源や素材を販売しているAudiostock。先日、そこで購入したYouTube安心利用曲をつかった動画に、著作権侵害のアラートが表示され、収益化ができなくなりました。

本来はそうしたことなく、安心して使えるというのが、YouTube安心利用曲なのですが、どうしてそうなったのか。その詳細と、対応した流れを、共有します。また、公式にも関連の情報は掲載されていますので、そちらも合わせてご参照ください。

>>YouTubeへの楽曲利用について | Audiostock

著作権侵害のアラートが表示された

2021年7月26日に投稿した動画に著作権アラート

これまで多数つかっていた曲があります。AudiostockでYouTube安心利用曲として買った曲です。その曲を気に入って、YouTubeで使っていました。

しかし、2021年7月26日の動画だけには、投稿後、著作権侵害のアラートが表示され、収益化ができなくなりました。

動画投稿は初動が一番数字が出るため、とても大きな被害となりました。

何度もいいますが、これまでその曲で著作権侵害のアラートがでたことは一度もありませんでした。

すぐにAudiostockに問い合わせをしました。

2021年7月27日Audiostockから返信

Audiostockから返信がきました。

なんでも、「クリエイター側でYouTubeコンテンツIDを弊社と他社で重複して登録した」とのこと。

つまり、新しく登録した管理団体からわたしは著作権侵害のアラートを受けた、ということになります。たしかに、アラートしてきた名称はそうした団体でした。

「アラート解除まで今しばらくお待ちいただければと思います」

と指示があったので、そのままにして待つことにしました。過去にも、著作権をもつ側が動くとアラートがおさまることがあったためです。

2021年7月31日 再びAudiostockに問い合わせ

その後、アラートが消えることはなかったため、再度問い合わせをしました。そして、この状態であっても、その楽曲には「YouTube安心利用曲」という表記が出たままです。

これではわたしのような人が出てしまうと思い、なぜまだ表示したままなのか?ということも合わせて、問い合わせました。すると、異議申し立てをしてほしいとのこと。ヘルプページを紹介され、そこにはそうした流れが書いてありました。

  • YouTube安心利用曲はクリエイターが設定することなので、運営側は消すことができない
  • クリエイターと連絡がつかない

とのことで、著作権侵害の異議申し立てをすぐにしました。そして、注意喚起のため、本件をツイッターにて公開しました。

2021年8月2日 他のYouTube安心利用曲にさしかえ動画投稿を再開

他のYouTube安心利用曲を使い動画を投稿、その動画に著作権侵害アラートがこないことを確認し、通常動画を投稿しました。

現在は、著作権侵害の異議申し立てをして、エスクロー(保留)状態となっています。

Audiostockのヘルプ通りであれば、わたしはAudiostockでライセンスを購入しているので、著作権侵害アラートを解除してもらえるはずです。

解除されましたら、追記します。

この記事を書いている時点でも、わたしの動画は収益化がされていない状態です。

また、該当の曲はまだ購入できる状態です。※2021年8月3日7時時点 ご注意下さい。

8月3日 登録クリエイターとの連絡がついたと連絡

Audiostock事務局から連絡がきました。

クリエイターと確認とれたとのことで、他社サービスで登録されているContents IDの解除手続きをしている最中とのこと。

なので、Contents ID解除まで約1週間ほど待っていただければとのことです。

8月11日 著作権侵害アラートが消えた

著作権侵害はきえた

先方が「YouTube 動画への著作権侵害の申し立てを撤回するとの結論に達しました」とのことで、YouTubeから連絡がきました。

私自身のYouTubeの管理画面を見てみますと、たしかに、著作権アラートが消え、収益化が通常通りの「オン」に変わっていました。

そして、「異議申し立て中にお客様が収益を得た場合、YouTube の次回のお支払いの一部としてその収益を受け取ることができます」とのことで、ちょっと安心しました。

Audiostockや権利者様など、ご尽力いただけたかたに感謝申し上げます。

ありがとうございました。

YouTubeの著作権侵害アラートとは

YouTubeでは、動画で使われている音楽を、あらかじめ登録しておき、それが許諾なしに使われたとするとき、自動的に検出し、著作権侵害したと思われる動画に対して、収益化をとめることができます。

とめた収益は権利者のものとなり保護されるという仕組みです。これを、Content IDといいます。

今回は、もともとYouTube安心利用曲として、Audiostockで販売されていた曲を、クリエイターが他の団体でYouTubeのContent ID登録してしまったことで起きました。

これは、たとえば、フリー楽曲でもおこることです。

これは、YouTubeが仕組みとして、Content IDのシステムで機械的に楽曲を検出し、著作権侵害のアラートを出すためです。YouTube側としては、アラートを出しておいて広告収益をまずは止めたい、という考えた働きます。

いっぽう、権利を主張する側も、とりあえずは止めてもらうことは、ありがたいことかと思います。

つまりここで重要なのは、動画投稿者側には、正規に購入をして、この楽曲はライセンス上問題ないですよ、と投稿者が予め主張するフォームがないことに気づきます。

これこそが問題なのです。

Content ID 登録者側が一方的に有利

もちろんそれを悪用されたら、動画投稿者が勝手に、違法コピーだとしても、どんどん主張してしまうだろうと思われるかもしれません。

しかし、逆の悪用はすでに問題となっています。

世界中には、Content ID登録されてない楽曲を、勝手に登録して、収益を横取りする人たちがたくさんいるのです。

>>ユーチューブトロールとはContent IDを悪用し収益を横取りする人達
サイトで詳しく見る

現時点でも、すでにじつは、著作権を主張する側に悪用されているのが、Content IDという仕組みの実情なのです。

残念ながらYouTubeは、こうしたことに常に後手です。ですので、今後も社会問題にもならないかぎり、実装される可能性が少ないため、投稿者は手のうちようがないのが実態です。

ですので、動画投稿者は自衛する必要があります。

動画投稿者ができる自衛策

著作権フリーの楽曲でも、権利団体でContent IDを登録管理していたとしても、クリエイターが別団体で管理するなどして、同様のことは今後も起こる可能性があります。

まずは、動画投稿者がこうした機能のリクエストを粘りづよく訴えること、そして、楽曲提供者やクリエイターにそうした制度を共有すること、など啓蒙が必要です。

また、今回のわたしのように、動画投稿者が自衛するには、一度は楽曲をテスト的な動画で投稿し、YouTubeのシステムがまず認識するかどうかをチェックするしか現状ありません。

たいていの場合は、動画投稿時にContent IDのチェック機能がはたらくからです。

そして、AudiostockでYouTube安心利用曲を買うときにも、そういうリスクがはらむことを心のどこかで覚えておくこと、が重要かと思います。

Audiostockとクリエイターがどういう契約をしているのかは、わからないのですが、これまでの流れからしますと、今後も起こりえそうですので、動画投稿者は注意しましょう。

クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本 | 鷹野 凌, 福井 健策

クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本
Amazonで詳しく見る

Amazonでレビューを見る

楽天で詳しく見る

Yahoo!ショッピングで詳しく見る