インターネットは創作物の公開を簡単にしましたが、いっぽうである仕組みを使い、その権利を横取りする悪意ある人達が出てきました、ユーチューブトロール。
こんにちは、ユーチューバーのカグア!(@kagua_biz)です。
本記事ではユーチューブで横行していますContent ID を悪用した楽曲権利横取り問題を解説します。なお情報は2019年6月12日時点でのものです、ご注意下さい。
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この記事の目次
ユーチューブトロールは権利と収益を横取りする
ネットが普及して作品を公開することが簡単になりました。しかし、それらの作品を自分のものとして、勝手に販売したり、権利登録したりして、本来はクリエイターが得られる収益を横取りする人たちのことを言います。
古くから、特許やライセンスなど、権利発生するところに、その利益を横取りする行為は見られました。それが、ユーチューブでも顕在化してきたという認識です。
>>コピーライト・トロール – Wikipedia
悪用されるContent IDの仕組み
ユーチューブトロールは、ネット上のフリー素材やゲームや映像の楽曲を狙っています。それらの曲でContent ID未登録のものがあれば、勝手に自分たち名義で登録してしまうのです。
Content IDとはユーチューブが権利者支援のために作った仕組みです。Content IDを登録した権利者は、その楽曲が誰かの動画に使われば、その収益を分配してもらえるというものです。正しく使えば創作活動の支援になります。
>>Content ID の仕組み – YouTube ヘルプ
>>YouTube、動画に使いたい楽曲の利用可否を確認できる機能を提供 -INTERNET Watch Watch
しかし、この仕組みを知らない創作者は、Content IDを未登録の場合も多く、ユーチューブトロールはそこを狙います。勝手に自分たちの楽曲だとして登録し、権利を主張してしまうのです。
Content ID悪用による被害と私の事例
ネット検索をしますと多くの「収益横取りされた」事案が、見つかります。思った以上に広がっているようです。
>>YouTubeからContent IDの申し立てメール – Google 検索
私が遭遇したContent ID悪用被害を紹介します。
YouTubeからContent IDの申し立てメールが゚来た
ユーチューブから見慣れないメールが届きます。どうやら「あなたの動画内で使っている曲は、xxさんが権利があるみたいだから、収益はxxさんにするね」というものです。
おいおいおい、待ってくれ。
私が投稿していたのは、あるゲームの実況動画です。それがまさか誰かの権利を侵害しているとは思えません。しかし、そのメール内にある申立人と曲名をユーチューブで検索してみますと、ずばりそのものの曲の動画がありました。
ゲーム開発元に確認すると権利はクリアしていた
あわててゲームパブリッシャーにメールで問い合わせてみました。しかし、権利はクリアされているとのことでした。
そりゃそうですよね。
異議申し立てを申し込むも却下される
ユーチューブに異議申し立てをしました。ゲームパブリッシャーの方にも了承をもらい、そのメールの添付などをして異議申し立てをしました。
返事はすぐにきて、却下だそうです・・・。面倒なので、その動画の収益は諦めることにしました。
あとは権利者のほうで、権利を主張して彼らから自分たちの権利を奪い返してもらうことを祈るばかりです。
クリエイターが権利や収益を守る方法
楽曲権利者が権利を守るには先に登録
曲の権利者や、ゲーム制作会社などが、曲を公開するときに、ユーチューブであらかじめContent IDを、ユーチューブトロールよりも先に登録してしまえばOKです。
わたしが、収益を横取りされたことはじつは一度ではありません。二度目で、そのいずれも中堅ゲームメーカーの楽曲でした。おそらくContent IDを登録していないだろうと狙われたのだと思います。
ですから、フリー素材として曲を発表されている人や、ゲーム制作会社は自身でContent IDを登録して、自衛することになります。というか、動画制作者としては登録してもらえると嬉しいです。
企業であれば、ユーチューブに直接登録、個人であれば、Content IDを登録してくれるサイトや権利対応をしてくれるサービスに、最初に公開するのが良いと思います。
>>YouTubeでのご利用について|フリーBGM DOVA-SYNDROME
>>YouTube Content ID登録サービス | Audiostock(オーディオストック)
>>YouTube コンテンツ収益化サービス (コンテンツIDに曲を登録する) – TuneCore Japan
>>コンテンツIDについて調べてみました – AtagoSounds
勝手に権利をContent IDに登録された後、もしくはされたかどうかの確認などは、直接YouTubeへ問い合わせると良いと思います。英語のみですが窓口があります。
>>著作権に関するお問い合わせ先 – YouTube ヘルプ
動画制作者が自衛する方法
とりあえずContent ID登録をしてなさそうなゲームについては、BGMをオフにして収録し、BGMはYouTubeライブラリなどの楽曲に差し替えて動画を作る、という方法が現実的です。
もしくは前述の権利処理がちゃんとなされている楽曲を使うことが肝要です。
わたしの場合、2つのゲームタイトルで著作権申立てをされてしまいました。どちらもそれなりに世界的に展開しているブランドなのですが、残念でなりません。今後も、よほどのビッグタイトルでないかぎり、BGMはオフにしてゲーム実況をしようと思っています。
権利者にそのことを伝え対応してもらえれば、悪意のある申立人が撤回をする可能性もあります。可能な限り権利者と問題を共有することが大切です。申立が撤回されれば、以下のように収益化がオンに戻ります。
YouTubeトロールを知るおすすめの記事
とりあえず以下の記事を読むと、そのからくりや惨状がわかることと思います。
>>YouTube著作権横取り団体に気をつけろ!|サウンドオルビス|note
>>オリジナル楽曲を海外のレーベルに無断で使用・販売されてから取り下げさせるまで | MusMus ブログ
日本の商標では申請時に公開される
権利の登録というと思い浮かぶのが商標や特許。調べてみますと、第3者に勝手に登録されることを防ぐために、登録公開後一定期間内であれば申立をできるようです。
>>商標登録出願方法・制度・の概要|商標の公開など見やすい表で|スカイ特許事務所
ひるがえってユーチューブですが、調べたのですが、登録されているContent IDを調べる方法はないそうです。ですから、自分の曲が誰かに権利登録されてしまっているかは調べようがありません。
>>Content IDの登録状況の公開ページはあるか? – YouTube ヘルプ
現状、YouTubeでは著作権に関する問い合わせを受け付けている、というのが現状です。
>>著作権に関するお問い合わせ先 – YouTube ヘルプ
権利者は自衛
動画制作者も自衛
本当の権利者であれば、うまく申立が認められれば権利は戻るはずですが、ただ現状では、権利者は公開前に自分でContent IDを登録して、自衛するほかなさそうです。
まとめ
- ネットには仕組みを悪用する人たちが必ず現れる
- 収益を守るには今のところ自衛しかない
- 権利を守るには自分でContent ID登録するしかない
- 権利横取りが世界的に行われているという認識が重要
ユーチューブトロルについてまとめましたが、思った以上に仕組みが悪用できてしまうようで、驚きです。権利者はとにかく登録して自衛するほかないです。
ユーチューブにも随時フィードバックを送って、みんなで良い仕組みを作りましょう。
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関連情報リンク
制度の悪用は許さない。
>>私はこうしてパテント・トロル(特許ゴロ)を撃退した―みんな立ち上がれ! | TechCrunch Japan