タイトルで毛嫌いすることなかれ。「人間ぎらいのマーケティング」は、インハウスで自社ブランドをネットで広めていこうというソロマーケターに、フリーで自社事業を立ち上げたばかりのスタートアップに、おすすめの本です。とにかく泥臭くマーケティングをやっていこうとすると、ここまでやるべき、という具体的な知見が書かれている良書です。実践者におすすめ。
インハウスのソロマーケターにおすすめ
最近は、こうしたネットの成功者の具体的なノウハウ本ほんとよく出版されています。
以前、ご紹介した福岡みなみさんの書籍も、ほんとうに具体的でかつ、ここまでやるんだ、ということがしっかり書かれていて、ほんとコスパのよい良書でした。
そんなおり、わたしが毎日聴いている音声配信で、好き飯さんが紹介していたのが、こちらの書籍です。彼女も、フリーとしての活動をながくされていて、こうしたマーケティングの知見をもつ人です。気になって速攻でポチりました。
ページをめくると、かなりの高カロリーな本で、いちど途中で読むのをやめてしまいました。
というのも、あまりにも、具体的なノウハウで、しかもブルドーザーのような馬力で、次から次へと、ガッツと精神力で、かつ、具体的でスマートなネットのノウハウを駆使するエピソードが続くのです。
こうしたハイカロリーな文章が、間延びすることなく続くので、いったん数日間読むのをやめてしまったのです。とにかく、咀嚼するまでに時間がかかるというか、わたしが受け入れるまでに時間がかかるというか。
ただ、再開してからは一気に読みました。後半ではGoogle広告のキーワード戦略や、ポジショニングやハンティングなどの話が、つぎから次へと出てきます。ほんと令和のスタートアップのバイブルともよべる一冊です。
Amazonでも、星が1~5までまんべんなくあって、62件の評価平均 4.2という高得点です。もちろん納得の口コミだと思います。
それでは、「人間嫌いのマーケティング」のレビューをおとどけします。
人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法 | 林 直人
盛らないボカさないのには理由がある
いわゆるこうしたノウハウ本は、ポジショントークがあり、具体的なノウハウはぼかすですとか、とにかく成功談ばかり書くですとか、盛られがちです。
しかし、本書の著者の本業は塾です。ですから、ネットマーケティングで稼がなくともよいのです。ゆえに、具体的なノウハウやクリアな具体的な戦術ややったことがエピソードとして語られてます。ほんと赤裸々で、ぐいぐいとひきこまれます。具体的なエピソードのもつ力をつねに見せつけられます。
ではなぜ著者がここまで明かすかというと、ベンチャーである彼らは、自分たちの業界よりもさらに広いフィールドでの認知を広めることが、自分たちの業界でよいほうへ働くと考えているからです。
「外部対策」をどのようにやるかは、ここまでにさらっと紹介しましたが、今まさに私がやっているように大手出版社から一般書を出し、ついでに大手メディアへの寄稿記事をたくさん書くことで、大手メディアからのリンクを獲得する、という方法があります。
SEO対策としては定番の外部対策、これはほんとうに良い口コミを誘発しなければ、リンクは獲得できないものです。ですから、著者も全力でノウハウを公開し、良書をめざす必要があるわけです。もちろん、こうしたこともはっきりと明かしてくれる本書はとてもすばらしいです。ネットのマーケティングを泥臭くやりたい人におすすめ、というのはこういうところもあるからです。
マーケターの教科書として最適
YouTubeも狙っている検索キーワードによってはなかなか上位表示が難しいですが、そのYouTubeで比較的簡単に視聴者を集める方法があります。それはYouTube Liveを乱発することです。
本書はこうした具体的なテクニックがいたるところに出てきます。わたしは、これらすべてが「ノウハウとしてはわかります」ただ、わかる、というだけでそれを何百万をかけてビジネスとして身をおいてきた、というレベルではありません。しかし、そのたいへんさは想像ができます。
そして、本書ではこうした具体的なノウハウが、YouTube、Google広告、SEO、リサーチ、人材獲得、クラウドソーシング・・・、あらゆる方面で具体的に書かれています。ある程度、これらの要領がわかる人であれば、そのままネットで起業することも問題ないかと思います。それくらい網羅的で教科書的です。
新人マーケターは、本書に書かれているテクニックをすべて、ノートに書き出し、整理していけば、一通りのネットマーケティングの基礎は十分体得できると思います。この基礎がわかれば、マーケティング用語などもわかりますし、全体的な仕組みの構造なども、新ジャンルであっても想像がつきやすくなるはずです。ほんとうに新人マーケターにおすすめしたい本です。
ですので、新人さんは読むのはとてもたいへんかとも思います。しかし、それらの単語をひとつひとつ調べながらでも読了すれば、その頃には、新人マーケターの肩書は捨てて良いかと思います。
なかなか類書が思い浮かばない、それくらい実践的でかつ刺激的な内容です。
ぜひ、すべての実践者としてのマーケターにおすすめです。
人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法 | 林 直人
「人間ぎらいのマーケティング」目次
第一部 「人間ぎらいのマーケティング」という考え方
- ●「人間ぎらい」とは何か?
- ●「マーケティング」とは何か?
- ●「人間ぎらいのマーケティング」で家から出なくてもお客様がどんどん来るようにするにはどうすれば良いか?
- ●「人と会わずに稼げるビジネス」の思いつき方
- ●「人と会わずに稼げるビジネス」を実験してみよう
- ●「人と会わずに稼げるビジネス」の拡大方法
第二部 「人間ぎらいのマーケティング」実践編
- ●「YouTube」「Amazon」「Google」「SNS」「Google 広告」どれが一番稼げる?
- ●「YouTube」を使って「人と会わずに稼げるビジネス」を作る方法
- ●「Amazon」を使って「人と会わずに稼げるビジネス」を作る方法
- ●「Google」を使って「人と会わずに稼げるビジネス」を作る方法
- ●「Google広告」を使って「人と会わずに稼げるビジネス」を作る方法
第三部 「人間ぎらいのマーケティング」実例集
- ●人任せの「人間ぎらいのマーケティング」は資産運用としても高利回り
- ●自分が働かなくても食べていくために必要な仕事ができる人の見分け方
- ●なぜ今「人間ぎらいのマーケティング」が重要なのか?~「おわりに」に代えて~