SNSブランディングでおすすめの本「SNSで儲けようと思ってないですよね?」レビュー

「SNSで儲けようと思ってないですよね?」のレビューを書きます。本書はSNSの担当者のみならず、現代においてブランディングをするということに、多くの示唆と事例を与えてくれる良書です。

ぜひお手にとって読んでいただきたいですので、本レビューでは内容に関することはもちろんですが、一つの本としての完成度の高さについても、言及したいと思います。

本記事の執筆は、SNS歴11年目・教科書執筆歴もあるカグア!(@kagua_biz)によるものです。なお、情報は2021年7月時点でのものです。ご注意ください。

SNSブランディングでおすすめの本

SNSブランディングでおすすめの本、というとなかなかレビューするのに悩むことが多かったです。というのも、SNSは使う人も立場も規模も、大きく異なるパーソナルメディアだからです。

それでも、企業の担当向けには最近になって、いろいろなSNS活用本は充実してきました。たんなるフォロワーを集めることではなく、長期的にどうブランディングしていくのか、という視点の本が増えてきたように思います。

とくに企業や組織でブランディングしていく手法と、個人でブランディングしていく手法とでは、アプローチが当然異なります。

しかし、本書では事例という切り口で、大きな組織でも小さな個人でも、通じる考え方を示してくれます。そういう意味で、SNSでブランディングを考えているすべての人に読んでほしい本です。

SNSで儲けようと思ってないですよね?: 世の中を動かすSNSのバズり方 | 淳, 福田

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SNSブランディングを丁寧に解説している本

著者はソニー・デジタルエンタテインメント創業者

本書の著者は、1965年大阪生まれの福田淳(ふくだあつし)さんです。ソニー・デジタルエンタテインメントを創業し、現在ではブランド コンサルタントをしています。

「なんだ大手でもともとブランド力や知名度があるところじゃないか」

そう思われる人もいると思います。実際わたしもそうでした。しかし、本書のゆるい表紙を見て直感で、即買いしました。きっと、この著者はSNSのゆるさを理解しているはずだと。それを確認したかったのです。

直感はあたりました。そして、たしかにソニーのような大手や知名度があったからこそ進められた事例なども、もちろんあります。しかし、それらの本質はSNSや、ユーザーに現代はどうしたら製品のよさを伝えられるか、という本質を熟慮したうえでの最大効果を考えた結果、ということがわかります。

この「ウルトラ植物博覧会は、クチコミ効果のあるコンテンツである」と確信していたので、当初から宣伝はツイッターとラジオ、この2つだけに絞ろうと決めていました。

ラジオ!?と思われる人もいると思います。しかし、著者はよどみなく続けます、じつはTwitterもラジオも人がメディア、という同じ特性を持っている、と。

こうした企画一つとっても、たんに大手だから実現できた、とは片付けられない、それ以上にSNSの本質をとらあえ、示唆を与えてくれる事例やエピソードが豊富です。

なお本書は発行は小学館、企画編集は井尾淳子さんです。

難しい言葉や用語を使わず事例やブランディングを解説

じつは本書は、いっけんするとTwitterの本ではないか、SNSの本ではないかと思われがちですが、そうではありません。

現代ツールをいかにつかってブランディングするか、ということが本質です。

それを表すかのように、本書では、実際の事例としてTwitterを多様しているにもかかわらず「タイムライン」という言葉さえでてきません。

これはわかりやすく平易に伝えるという作者の思いとともに、非常に高度な文章伝達をもとめられるということです。しかし、SNSブランディングの達人は、それを感じさせないほど、たやすく前編にわたりつづりきっています。

SNSの本で、ここまで専門用語がでてこない本は、わたしは初めて読みました。そのうえで、SNSを活用して、次々と成功させてきた事例やエピソードをおりまぜ語ります。

一般ビジネス書としても、一級品の内容に仕上がっています。

そのわかりやすく、痛快な展開は、おそらく、こちらの森岡さんの書籍を好まれる人であれば、きっと好まれるはずです。

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ですから、逆に、Twitterの具体的な操作や、InstagramのバズらせるTIPSなどを期待する人には、向いていません

多面的にSNSブランディングを丁寧に教えてくれる

SNSで儲けようとしてませんか

本書は、上図のように、随時わかりやすい図版や、挿絵(資料)、まとめや太字などがあり、読みやすさという点でも、一級のビジネス書です。

そのうえで、内容でも以下のアプローチがバランスよく盛り込まれていて、読んでいて飽きません。

  • 現代SNSのツールと視点特性など基礎知識
  • 現代PRのテレビやSNSとの関係といった考察
  • 自社のSNSブランディングの具体的なエピソード
  • 他社のSNSブランディングの具体的なエピソード
  • ビジネス全般に通用する考え方
  • その具体的なエピソード

マーケティングの本というよりは、ブランディングの書籍ですので、数字やデータなどの引用は少ないものの、前述のような、具体と抽象、自社と他社、基礎と実践、といった多面的で立体的な切り口で、現代SNSにおけるブランディングの仕方をていねいに解説してくれます。

ビジネス本ではたまに、自社の事例に偏ったり、抽象的な言い回しに終止したり、結果論でしか語られていなかったりと、再現性や腹落ち感でいまひとつのものもあります。

しかし、本書ではそうしたことなく、いろいろな視点でかつ冷静に語ってくれるため、すらすらと読ませてくれます。SNSで重要とされる共感を大事にしている著者の人柄がでているかのようです。

また、わたしが気に入ったのは、著者自身のちょっとした所作やエピソードも書かれている点です。

ここまで書きますと、著者はやっぱりすごい切れ者で、わたしには敷居が高そうと思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、まったくそんなことはなく、著者のせきららなエピソードも書かれていて、おもわず笑みがこぼれてしまうところもありました。ほんとうに、緩急がお上手です。

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紹介されているSNSブランディングのエピソード例

以下に紹介されているSNSブランディングの事例は、ごくわずかです。他の示唆に富む多くの事例は、じっさいにみなさんが本書をお手にとってたしかめてみてください。

  • ポーラミュージアムアネックス・ウルトラ植物博覧会
  • 「絶景」と三重県のコラボレーション
  • テレビCMをやめたネスレキットカット

また、ある食品メーカーの炎上事例も紹介しています。SNSといえば炎上はつきものですが、そこもしっかり言及しているあたりは、ほんとうにさすがです。

ソーシャル・デザインという考え方にもふれていて、その事例も紹介されています。クリエイティブで人助けをする、という発想にもわたしは大いに共感しました。

じつは、わたしがTwitterやYouTubeなど多くのSNSで使っているピンクの女の子のキャラクターも、3・11震災のときに人助けのために生み出したキャラクターでした。ですので、この下りを読んだときには思わず目頭が熱くなってしまいました。

そうしたヒューマンなところもおしげもなく見せてくれるのも、本書の魅力だと思います。

SNSブランディンの本として、ビジネス書として、おすすめできる本です。

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まとめ

  • SNSブランディングの本の決定版
  • 豊富な事例やエピソード、わかりやすく読みやすい平易な文章
  • 共感をよび、炎上リスクをさけ、人のメディア化を目指す真摯なブランディング
  • 著者はソニー・デジタルエンタテインメント創業者

少々期待値をあげてしまいそうですが、SNSブランディングにおいて、間違いなくイチオシの本です。

結果をあとづけしたような抽象的なSNS解説本に辟易していた人は、ぜひ手にとってほしいです。

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