ビデオポッドキャストは難しい、音声のファンがもつイメージ

Spotifyがビデオポッドキャストをはじめています。国内でも徐々に見られるようになっているようで、たまたま見つけました。ただその動画を見まして、ちょっと不思議な気持ちになりましたので、一言いいたくて今日はブログを書きます。なお、とりあげさせて頂いていますオフトピックのファンのかたには、不快に思える内容かもしれませんので、読まれないことをおすすめします。

Spotifyでビデオポッドキャスト

2021年10月にSpotifyが日本語記事でビデオポッドキャストのリリースをつたえていました。

>>Spotifyにビデオポッドキャストが登場。お気に入りのクリエイターを聴くだけでなく観られるように – Spotify Japan

Spotifyでは今後、さらにビデオポッドキャストを拡充していく予定です。ビデオポッドキャストが気になるポッドキャストクリエイターの方は、こちらのAnchorのブログもご覧ください。

テクノロジーとしては、数年前からあったようですが(以下の記事は2020年7月)、昨年からSpotifyもつかえるようになるアカウントを増やしていく、という発表です。

>>Spotifyがビデオポッドキャストをスタート YouTubeからシェア奪還なるか?|Real Sound|リアルサウンド テック

2021年11月には日本でも、Spotifyオリジナル番組で、ビデオポッドキャストははじまっていました。上質なビジネス番組のような映像で、見入ってしまいます。

>>EDUCAST 熱中大学 | Spotify でポッドキャスト

そして、2022年4月には、Anchorをつかうことで、米国、英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの全てのクリエイターが、ビデオポッドキャストをSpotifyで公開できるようになったとのことです。

>>Spotify、米国など一部の国で誰でもビデオポッドキャストの公開が可能に – iPhone Mania

そんなSpotifyのビデオポッドキャスト、という背景があることをふまえ、次にいきます。

人気番組をSpotify公式スタジオ収録で配信

※上図の画像はSpotifyではありません、noteが配信したものです。

Spotifyで人気のポッドキャスト、オフトピックさんが、ビデオポッドキャスト配信をしていました。

>>#115 特別回 SaaSモデルは進化し続ける with ALL STAR SAAS FUND 前田ヒロ – Off Topic // オフトピック

Spotify公式の収録スタジオに、パーソナリティのお二人と、対面にゲストがいて、対談をするという内容。

このスタジオは、スウェーデン、ニューヨーク、ロンドンに続き、Spotifyで世界で4カ所目のスタジオという、プレミア感のある場所です。誰しもが気軽に使える場所ではありません。

渋谷には3つの音声配信プラットフォームのスタジオがある

オフトピックのお二人は、ふだんはリモートで収録をしています。そのお二人が、あえて対面で収録をしていて、誰しもが使えるわけではないSpotifyスタジオで、撮影をしています。

その前提で、いよいよ本題です。

人気ポッドキャスト番組の画作り

そんなスタジオで収録したビデオポッドキャストのワンシーンがこちらです。

Spotify

背景に、倉庫のように置かれた椅子が見えます。

また、話しているオフトピックのお二人ですが、話している人にピントがあっていません(おそらくオートフォーカスなので手前の人にピントがあってしまっている)。

回転する椅子にすわるメインパーソナリティのかたも、慣れない環境のせいもあるかとは思いますが、つねに椅子を小刻みに回転させていて、落ち着きがないように見えます。

オフトピックといえば、ジャパンポッドキャストアワードにもノミネートされる超人気番組です。

ただ、画質はものすごくよくて、機材もすごく高そうなのに、それにもかかわらず、撮影自体がとても雑に見えてしまう。この違和感はなんなのでしょうか。もちろん、私だけがそう思うだけかもしれません。

オフトピックさんは、ふだんご自身でも動画配信はされています。こちらは基本的にはオンラインでの画面キャプチャのインタビューと、静止画+音声、という動画です。

>>「Web3」とは何か? – YouTube

また、上図のようにnoteにも顔出しで動画で出演もされています。

ただ、そのどちらの動画でも、今回のような違和感は感じませんでした。画質の問題でも、場所の問題でもないと考えます。

ビデオポッドキャストは難しい

それでは、自分なりに、わたしが感じた違和感のふりかえりしたいと思います。

撮影や編集をしたのは誰か

今回のビデオポッドキャストは、そもそもSpotifyが声がけをして撮影し、動画撮影や編集も、Spotifyだったのでしょうか。

だとすると、あまりにも失礼な動画だと言わざるをえないと思います。

ふだんはリモートでやられているお二人を招き、さらにゲストまでおよびして、あの撮影ですので、とてもプロがやる仕事ではありません。

まして前述の「EDUCAST 熱中大学」ような、ハイクォリティな動画コンテンツは作れるのですから。

正直、オフトピックのファンにも失礼だと思います。

いっぽう、企画自体はオフトピックの側で、Spotifyがスタジオ使っていいですよー、とした場合。ただ、それでもビデオポッドキャストは日本ではまだ開放されていませんでの、Spotifyもかなり前のめりでかかわったとは思われます。

その場合ですが、正直わたしは、これであれば、音声だけのほうがいいなと思いました。

オフトピックを愛されているファンのかたには申し訳ないのですが、トークに集中できなかったからです。

小刻みに椅子を回転させ、手振りも大きく熱く語りマニアックな雰囲気をかもしだす宮武さん。横で話を聴きながらも進行を見たり静観したりする草野さん。そして、ゲストの背後には倉庫のように雑然と置かれた椅子や風景。ふだん音声のみで、トークに集中して聴いている番組だからこそ、この情報量の多さについていけませんでした。カットが切り替わるタイミングも、話している人をずっと映しているわけでもなく、ちょっとわからないカット長に感じトークへの集中をそがれました。

わたしが勝手に、以下のようなきれいな映像のイメージを、勝手に持っていただけにすぎませんが、それにしても、前述のようなハイクォリティな番組をつくるSpotifyもしくはお二人の、どちらからもイメージからかけはなれていましたので、申し訳ないのですが早々に音声のみにして聴いていました。

みなさんも実際にみてください。すくなくとも、本ブログ記事に掲載しています、noteの動画や、Twitterの動画のお二人とは、明らかに異なる映像になっています。たとえるなら、機材や場所や内容は最高なのだけれど、そのぶん余計に魅せ方や撮り方が余計に気になってしまう、みたいな感じです。ですので、前述のオフトピックのYouTube動画は、リモート撮影で画質はインタビューをそのままであっても違和感はないのだと思います。

>>#115 特別回 SaaSモデルは進化し続ける with ALL STAR SAAS FUND 前田ヒロ – Off Topic // オフトピック | Spotify でポッドキャスト

映像はほんと奥が深いと思いました。

Anchorの過去にあったやらかし

さて、SpotifyというよりはAnchorで起きたこと、なのですが、テック関連のニュース番組を配信されている著名なTakahashi Koukichiさんは、Anchorでいくつもトラブルを体験され、報じています。SpotifyはAnchorからのポッドキャストを自動配信しています。AnchorはSpotifyが買収した完全子会社です。

>>Anchor×Spotifyビデオポッドキャスト順次範囲拡大中!Spotifyで動画配信可能に?どこで再生できる?使えなくなった? – Koukichi_T

Takahashiさんが、ビデオポッドキャストを投稿し、その動画が勝手に音声のみにされた、とのこと。もちろん、前述のSpotifyでビデオポッドキャストがはじまります、という公式のリリース後の2021年12月です。Anchorでビデオポッドキャストが投稿できるようになっていたから投稿をしました。しかし、勝手に音声ファイルだけにされてしまったとのことです。

問い合わせたところ、ビデオポッドキャストが使えるようになってしまっていたのは、Anchor側のミスだったらしく、それで音だけにされてしまったのでした。わざわざ動画をつくって投稿したKoukichiさんの苦労は水の泡です。2021年10月にそういうリリースがあり、動画ポッドキャストが使えるようになっていたら、投稿してみたくなるというものです。もともとAnchorは、動画を投稿すると音声にしてくれるという機能を実装していました。それに戻されたということなのですが、それでもひどい対応だと思います。

じつはTakahashiさんは以前もAnchorでのトラブルを体験しています。自分のID名がアンダーバーだったのが、勝手にアンダーバーに変えられたということ。詳細は割愛しますが、Anchorはこうしたことが多いということです。ただ、それでも、Koukichiさんは今後もAnchorは使うとも書かれています。

Spotifyは今後、ダイナミック広告なども期待がされますが、Takahashiさんは広告まわりでも過去にAnchorでトラブルを体験されています。

音声のよさを損なうなら動画は不要

今回の件で気づいたことがあります。なぜ、ビデオポッドキャスト専門のアプリやサービスがないのか。

もともと音声で聴いて、慣れ親しんでいる番組だからこそ、動画になったときもそういうクォリティを求めてしまいがちだと。

つまり、もともと動画であれば、それほどこうした違和感は感じなかったのだと思います。

だとすると、そういうサービスがもともとあって、そういうのを見に行く、という前提で使っていればギャップというのは減らせるかと思います。

普段から動画でみているユーチューバーがラジオでやるのは違和感がないのですよね。動画→音声はずれがあまりなく、音声→動画が幅が広すぎるのですよね。わたしのようにギャップを感じてしまう人もいるくらいには。

ですので、漫画家さんが顔出ししない人も多い、というのもうなづける気がします。イメージが合っている場合は問題ないのでしょうけども、とはいえ具体的にどうこうとは言えませんものね。

結論としては、ビデオポッドキャストは難しい、かと思います。コスト的にも手軽に配信できる音声配信のよさはなくなってしまいますものね。

みなさんはどうお考えになりますか。ぜひご意見ください。

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