最近、Referralからの流入が増えていませんか?もしかするとそれ、マストドンかもしれません。
こんにちは、トラッキング大好きカグア!です。
最近一部で流行っています新興SNSであるマストドン。その特徴は分散型インスタンスなのですが、Googleアナリティクス的にはパラメーターをつけても、参照元は増えることになりそうです。
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この記事の目次
マストドンからのReferralとは
マストドン経由のトラフィックを実際にご覧ください。GoogleアナリティクスのReferralをドリルダウンしますと、あるサイトではこんな感じになります。これ、すべてマストドンです。
さらにこちらのグラフをご覧ください。マストドンからのトラフィックが多いサイトのGoogleアナリティクスですが、Referralの種類数をデイリーでカウントしました。バズなどの波はありますが、傾向としては日々Referral種類数が増えていることがわかります。
これは、マストドンが分散型SNSという設計思想にもとづいて作らているため。
インスタンスと呼ばれるSNSのサーバーは、必ず1つのドメインを持って立ち上がります。つまり、日々Twitterのような独自ドメインのサイトが生まれているようなものなのです。そしてそれらが連携するため、1つのインスタンスで拡散されたURLも他ドメインのマストドンでも拡散される可能性があるのです。
pixivが運営する世界最大のユーザー数を誇るPawooでも、その連携数を表す接続数がすでに2000を越え、上昇トレンドとなっています。
>>※データ元:Mastodon instances
マストドンがこのまま増え続けますと、GoogleアナリティクスのReferralの種類数は、増えていくことになります。次期を見計らって、マストドンをソーシャルと解釈するか、Referralとしてそのままにしておくのか、という精査がしたほうが良いでしょう。
それでは、以下に考えうる対応をまとめますね。
マストドン経由トラフィックの扱い
とりあえず無視する
今後も増加していくのであれば、日々対応するのは面倒なので、そのままにしておく。これはこれでありです。
いっぽうでその場合は、マストドンで宣伝の投稿をするときなどは、パラメーターでReferralにしておかないと分散してしまうので注意しましょう。
つい普段の癖で、SNSだからパラメーターはsocialだな、としてしまいますと、前述の前提のものとパラメーターによるsocial分類のものとが混在してしまうので、混乱の元に。
パラメーターで対応する
facebookだろうとTwitterだろうと、とにかくSNSへ投稿するときには、パラメーターをつけると徹底します。URLがシェアされたときなどは仕方ないとして、可能なかぎり上書きしていこうという考え方ですね。
パラメーター例
http://aaa.jp?utm_source=Mastodon&utm_medium=social
上記の場合、参照元がすべてMastodonに統一され、トップ画像のように個別のどのインスタンスから来たのかは、セカンダリディメンションの「完全なリファラー」で追うことになります。
Mastodonは、いっぽうでインスタンスごとに趣味嗜好が近い人が集まっていますので、いずれ広告媒体として見たとき、どのインスタンスからなのかを把握できていたほうが良い、という考え方もあるかとは思います。
大手のみSocialに置換
マストドンは世界中で広がりを見せていますが、じつはユーザー数で多くを占めるのは日本です。そして、国内でも次の3つが半分以上を占めます(2017年5月16日時点)。
- mstdn.jp
- pawoo.net
- friends.nico
ですからとりあえず、ビューフィルタでこの3つ経由はSocialに分類されるよう、設定しておきます。現状でも、t.co(Twitter)をReferralでなくSocialに分類したい人は設定しているかと思います。
Googleアナリティクスで、管理>ビューの列>フィルタ「カスタム」 から以下のように設定します。※フィルタ設定はトラッキング時にデータを書き換えますので、ビューを複製してそちらで検証してから適用しましょう。
マストドンだけでなくビューフィルタ設定まわりは山田さんのこちらのエントリーが参考になります。
>>Googleアナリティクスでおススメのフィルタ設定5選 | SEM Technology
今後増加していくのは間違いありませんので、あとは様子を見ながら、時期を見て分類方法を精査というのが、現実的な対応かと思います。
オウンドメディアとしてのマストドン
マストドンをユーザーの囲い込み戦略として展開する事例も増えています。
マストドン運営には多くのリソースがかかるため、オウンドメディアとして運用できるところは限られるかもしれませんが、その居心地の良さに「もうTwitterほとんど使ってない」というユーザーが散見するのも事実です。
今後もしばらくはマストドン構築には注目が集まるでしょう。
ピクシブのマストドン、パウー。
>>Pawoo
ニコニコのマストドン、friends.nico
>>friends.nico
大手ラジオ局であるニッポン放送のマストドン。
>>tuner.1242.com – TUNER(チューナー)
大手ニュースメディアITMedia公式マストドン。
>>ITmedia NEWS – mstdn.itmedia.co.jp
アウトドア通販大手ナチュラムのマストドン、ナチュドン。
>>NATUDON OUTDOOR
ナチュラムはすでにアウトドアと釣りとインスタンスを分けるほどの活況に。
システム開発会社であるKibouSoftのマストドン。
>>Kibousoft Now
株式会社I From Japan のマストドン。
>>mstdn.i-fromjapan.com – Mastodon.IFromJapan
オウンドメディアとして捉えたときには、Socialとして捉えるのか、自社媒体としてオウンドメディア専用のパラメータをつけるのか、立ち上げ時に決めておくと良いでしょう。
個人的には、オウンドメディアとして運用するのであれば、そのドメインだけは前述のフィルタで、utm_sourceは ownedmedia といった置換をしてもいいような気はします。
いずれにしましても、アクセス解析担当者としては、また対応課題が増えたようです。さすがに試行錯誤するほかないので、データが溜まってきましたら機会を見てシェアしますね。
お疲れ様です。
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関連情報リンク
マストドンとインスタンスのニュースブログ。
>>マイニュー
エンジニア界隈で有名な匠さんのマストドン記事一覧。
>>Mastodon | いつもの匠
インスタンスの横断検索。
>>マストドン検索ポータル
マストドン報道に力を入れています。
>>マストドンつまみ食い日記 – ITmedia NEWS
マストドン本家のGitHub。
>>GitHub – tootsuite/mastodon: A GNU Social-compatible microblogging server
ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ | 加嵜 長門, 田宮 直人, 丸山 弘詩
まとめ
マストドンは今後もインスタンスが増え、参照リンク元が増えていくでしょう。
そのとき、そのドメインをソーシャル扱いにするのかなど、増えていく参照元を定期的に精査する必要に迫られるかもしれません。
なお、まだSSL化をされていないサイトは、これらからの流入はDIRECT扱いとなり、そもそも計測できませんので、対応されることをおすすめします。
まだまだマストドンは増えると見ています。
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