サイトのリニューアルや統合時には、アクセス解析まわりをきれいにできるチャンスです。
こんにちは、Googleアナリティクス大好きカグア!です。
今回はサイトのリニューアル時に、Googleアナリティクスの担当者が気をつけておきたいこと、活用できそうなことをポイントにまとめてみました。あくまでワタシ流ですが、ご参考になれば幸いです。
関連記事
>>Googleタグマネージャでクロスドメイン、サブドメイン設定をする方法
>>Googleアナリティクス基礎:クロスドメイントラッキングの設定
>>Googleアナリティクス基礎:パラメーターの設定や使い方<完全版>
この記事の目次
サイトのリニューアルとは
Photo:license by 131988821@N04
ホームページのリニューアル案件って多いですよね。最近では、大型案件も目にするようになっていますよね。
大手小町もリニューアル
読売新聞社の人気サイト「大手小町」も、2017年の4月に全面リニューアルとのこと。今どきのデザインへの変革を感じさせます。
>>読売新聞の女性向けサイト「大手小町」、4月のリニューアルでイメージ一新 #広報会議 | AdverTimes(アドタイ)
UXを損なわないリニューアル
さて、リニューアルのときに考えることとしては、新たな要素を盛り込みつつ、これまで親しんでくれたユーザーの利便性を考慮するといった注意点があるかと思います。サイトが増えれば増えるほど、複雑な構成であればあるほど、サイトのリニューアルは大変ですよね。
大手CGMポータルのはてなも2013年に大幅リニューアルしましたが、一部では不評だったようで、当時のUIに戻して使うというサイトまで登場したほどでした。リニューアルは本当に難しいです。
>>リニューアルした「はてなブックマーク」が使いにくいという人へ – NAVER まとめ
Googleアナリティクスに出来ること
Googleアナリティクスは、サイトに訪れた人しか計測できません。なぜ来なかったのかはわかりません。しかし、これまでデータを取っていればトレンドはわかります。ですからそこから、リニューアル時の優先事項を決めることは一助にはなるのかなと思います。
それで、わたしがGoogleアナリティクスを使ってサイトを俯瞰するときに、使っているセグメントやアプローチ方法をご紹介します。
Googleアナリティクスで分解する
セグメントを分けて分析する
まず雑感として、サイトのトラフィックを全体俯瞰したい。そんなとき、さすがに、PCとスマホを同じに見る、というのは今や無理があるでしょう。もちろん、以下の操作でスマホ率をふまえた上で、ですけども。
ユーザー>モバイル>概要
経年のトレンドを把握するために、セグメントをかけて分析します。よく使うというか、とりあえずデフォルトでも使えるGoogleアナリティクスの分析の切り口としては、以下のようになるかと思います。
- PC/スマホ
- 新規/再訪
- 直帰/非直帰
- メディア別
PCかスマホか
これは、ディメンションにデバイスカテゴリ「desktop/mobile/tablet」がありますので、これを使えばすぐにセグメントできます。場合によっては、iOSとAndroidを分けることもします。
新規か再訪か
Googleアナリティクスのディメンションでユーザータイプ「New Visitor/Returning Visitor」があるので、とりあえずはこれを使います。ただ、サイトによっては再検討のため1日に何回も再訪することもあり、その場合はセッション数を3以上、などとして区別します。
直帰か非直帰か
指標で直帰数が0より大きいかどうかで区分します。ただ、ほとんどが直帰のサイトの場合は、そもそもこの切り口を使わない場合もあります。
あとCVの計測の仕方によっては直帰数の指標でセグメントすると、うまくカウントしないことがあります。そのときはページビュー数「1以下/1より大きい」で直帰/非直帰を分類することもします。
メディアごと
広告展開しているサイトではパラメーターの整備次第でここの把握粒度は変わります。ただ、私の案件では最近は、とりあえず自然検索流入と、ソーシャルとその他にしてざっくり見ることが多いです。
そのソーシャルですが、ざっくり見るときダイレクトを含めちゃうこともします。それと参照リンクで以下のサイトからの場合です。
- t.co
- facebook.com
- twitter.com
- パラメーターのあるもの
まあ、細かいことをいうと、たくさんあります。検索エンジンでも参照リンクに分類されてしまっているとか、Twitterの派生サイトはどうする?など。とはいえ、このあたりは分析をしてみてから、あまりにもブレが大きすぎたら見る、みたいな扱いで進めることが多いです。
これだけでも24セグメントになりますので、その粒度はケースバイケースで決めます。
コンバージョンしたしない
これもケースバイケースで含めたり含めなかったりします。といいますのも、コーポレートサイトなどの場合、明確なコンバージョンがなかったり、コンバージョンが複数あって複雑だったりするためです。
ちなみに、コンバージョン設定をそもそもされていないサイトもありますので、その場合はアナログで、URLをたたいて回数数えたりもします。
ざっくり見ただけでもこれだけ違う
ざっくりと見ただけでもこれだけCVRに差があることがわかります。
ですので、サイトのこれまでのパフォーマンスやトレンドを把握するとき、デフォルトで計測されている切り口だけでもセグメントに分解して、把握するよう努めます。
流入キーワード
(not provided)が増えている昨今ですが、流入キーワードの記録もゼロではありません。また、リスティングやSearch Consoleなどからも、流入キーワードに関する情報はある程度は取れると思います。それらをある程度分類したりマイニングしたりして、現状の成果を確認します。
長期のトレンドを把握し予測する
Googleアナリティクスが計測できている期間で、比較的長く切り出してみて、上記のセグメントでトレンドを調べます。また、その間に投下したリソース(予算や人的なもの含め)をヒアリングします。
また、今後将来に渡って自社がどうありたいのか、といった予測も含めたトレンドを可能な限り洗い出します。
競合を調べユーザー目線で考える
競合をピックアップし、それらの動向やデザインなども考慮します。ユーザーが比較検討するような場合であればなおさらです。ツールを使うこともあれば、手作業での集計など様々です。
このようにして、リニューアルの仕様策定に必要な情報を、取れている情報のなかから、可能なかぎり立体的に把握できるよう努めます。
アナライザビリティを向上させる
リニューアル後も何かあればすぐに軌道修正できるようにしたいものです。また、新たにチーム編成をしてリソースが投下されるのであれば、PDCAしやすいように分析しやすいサイト構成や設定を、要件定義しておきます。
Googleタグマネージャの設置
Googleタグマネージャを可能な限り設置してもらいます。また、新しいスニペットの配置も確認しておきます。
>>【注意!】Googleタグマネージャーのコンテナスニペット(タグ)の設置方法が変わりました。 | 運営堂
とりあえずGTMが入っていれば、Googleオプティマイズやヒートマップなど、あとからツールを追加することも容易なのでとても便利です。あと何気に、予めYTMも入れておくと良いかと思います。
あると便利なタグやテンプレ
IDやブロックの割り振り
これは私がよくやる、というだけで必須ではありません。例えばタグにIDを割り振りしておきますと、GTMであとから計測がしやすくなる、というものです。また、IDが振られていなくとも計測はできますけども。
カートに入れるボタン
コンバージョンに大きく関与するであろうボタンには、id=”cart” など割り振っておいてもらえるとクリック計測などのとき助かります。
コンテンツの前後に空のDIV
<divid="pdca-head"></div> などというように空のDIVが入っていますと、GTMで後からそこにコンテンツを動的に追加することができます。
記事末や要所にID
読了率などを計測するときにも、例えば「この記事を書いた人」など、文末に来るであろうブロックにIDを降っておいてもらうと、GTMでトリガーを組みやすくなります。
著者やカテゴリーなど
著者別に費用対効果を計測したいなど、計測の軸になりそうなブロックにはIDが振られていると便利です。
ディレクトリやハッシュなど
URLベースの分析が充実
Googleアナリティクスでは、ディレクトリごとにセグメントをしたり、ディレクトリごとにページビュー数を把握したりするのが得意です。
逆に、記事IDがURLになっているとURLから内容が推察し辛いなど、レポート画面から日々の把握が煩雑になるケースもあります。ページ内リンクのハッシュなどもGoogleアナリティクスではデフォルトでは無視されます。ホバーやスライダーやアコーディオンなど、エフェクトが多彩になればなるほど、Googleアナリティクスでは計測がしにくくなります。
このあたりは、戦略上どれを優先するか次第かと思いますので、レギュレーションを決めるときに摺り合わせを忘れないようにしましょう。
目標パスの解析
URL計測がGoogleアナリティクスは一番得意なんですよね。例えばすべてのサイドバーに問い合わせフォームがあるようなサイトの場合、以下のようにゴールする手前3つまでのURLパスがわかります。
また他の例では、WEB担当者フォーラムさんのURLですと、何月の記事がどれくらいPVがあったかすぐにわかるURLですよね。
イベントも便利なのですが、URLを可能な限りGoogleアナリティクスで解析しやすい仕様にしておくだけで、その後のアナライザビリティ(分析のしやすさ)が格段に変わってくるということです。
計測しないことや限界の共有
サイトのリニューアル後、レポートを見たとき、シンプルで把握しやすいようになっていることが理想かと思います。
どうしても計測できないリスクも予見できるものは、事前に洗い出して関係者に伝えておきましょう。たとえば、会員登録でOAUTH認証で一度サイトを離脱しつつもCVに計測したいなど。
予め仕様に基づく設定
クロスドメインやサイト内検索、除外フィルタや、PC/SPのビュー作成など、仕様が決まったあたりから、ある程度汎用的に適用できる設定は、進めておくと良いでしょう。また、パラメーターまわりも整理できるならば整理して、レギュレーションづくりに関われると良いですね。
最初から綺麗にデータが取れるとは限りませんが、器を最初に綺麗にしておくことは可能なはず。あまりトリッキーなことはせず、シンプルかつPDCAに役立つレポートを目指したいものですね。そうそう綺麗になるものではないですが志として。
とまあこんな感じに、解析屋として、Googleアナリティクスとのお付き合いを提案させてもらっています。
他にもこういうこと気をつけたほうがいいよ!というのがあれば、ぜひSNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。
GA設定を確認できるツール
>>Sunfish|GAで効果的なアクセス解析を行うための第1歩を支援
IP除外やコンバージョン設定など、予めしておいたほうが良い設定ってありますよね。それを、一通りチェックしてくれるのがサンフィッシュというツールです。
使い方はとても簡単で、設定を確認したいGoogleアナリティクスのアカウントでAUTH認証すれば、あとは数分待てば自動で以下のように設定の診断をしてくれます。
botのフィルタリングをしていますよとか、リファラスパムがxx%だから多いので対策しましょうとか、これを読むだけでも勉強になります。おすすめですよ。
Googleアナリティクスは、サイトのリニューアルにも活かせ、リニューアル後のサイト運営にも役立つツールです。もちろん、リニューアル後に役立たせるには、可能な限り分析しやすい状態で設置することが肝要ですので、サイトリニューアルはそのチャンスでもある、というわけですね。
みなさんもおすすめの設定があれば、ぜひお教えください。
関連情報リンク
リニューアルは本当に難しい。
>>WEBサイトをリニューアルすると9割のサイトはアクセスが下がる!? 必ず知っておきたい注意点 ? SimilarWeb日本公式ブログ
大規模化するときに、Googleアナリティクスも360の有償版を検討するのも良いかも。
>>【連載】Google アナリティクス360スイート完全攻略 第1回:Google アナリティクス360スイート、広範囲で複雑な関係を図解してみる (1/2) – ITmedia マーケティング
リブランドってほんと大変。
>>世界250のWebサイトを同時にリニューアル 多品種を扱うグローバル企業が下した決断 |IT&ビジネス 業界ウォッチ Special|ダイヤモンド・オンライン
横浜市はリニューアルでトラブルがあったようですね。
>>刷新3年遅れ、費用3倍に | 神奈川区 | タウンニュース
>>横浜市のHP刷新が頓挫 システム業者とトラブル|カナロコ|神奈川新聞ニュース
まるで検索サイトのような大胆なビジュアルに変更されましたね。
>>神戸市ホームページ リニューアル致しました。 | ペタビット株式会社 ? 未来を変えるアイデアを。
ニトリのリニューアル時のトラブルも記憶に新しいですね。
>>閉鎖状態の「ニトリネット」が6/23にサイト運営を再開、不具合の主因はCPU不足 | ネットショップ担当者フォーラム
>>ニトリ通販サイト、リニューアルで不具合 5日経っても再開できず – ITmedia NEWS
現行資産のスムーズな移行が課題。
>>その作業は誰がやるの? 移行作業で追加コストが発生 | ECトラブルお助け | IT守り神がお助け! EC担当者のホントにあった大トラブル | Web担当者Forum
サイトリニューアルの告知も大変。
>>ホームページに掲載する「リニューアルのお知らせ」の文例、例文を紹介します。
SEO設定はとくに重要。
>>サイトリニューアルしてもアクセス数を減らさないSEO対策まとめ
サイトリニューアル時に制作上必要なヒアリング事項の例。
>>ヒアリング事項:Webデザイン・Web制作の「要件定義」|ワークフロー|BACKSTAGE
>>Webサイトリニューアルの目的を明確にするために~ユーザーをカテゴリに分けて考えるの巻(前編)~ | IMAGICA IMAGEWORKS
リダイレクトの設定も重要。
>>301リダイレクトについて、必要性と設定手順をまとめてみた
Web担さんでは事例も豊富。予めイメージしやすいです。
>>資生堂Webマスターが考える企業サイトリニューアルのポイントは「ユーザビリティ」と「美」 | 稲富滋のWebマスター探訪記 | Web担当者Forum
QIITAの関連情報源。
>>GoogleAnalyticsに関する投稿 – Qiita
>>GoogleTagManagerに関する投稿 – Qiita
まとめ
https化やAMP化、システムのリニューアルやASP統合などサイトの課題は今後も増えていくことでしょう。ただ、企業がブランド力を強め、統合的にネットマーケティングを進めていくときに、リニューアルの指針にGoogleアナリティクスは使えるはずです。
できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応 | 木田 和廣, できるシリーズ編集部
数年先にどうなるかを読み解くのは難しいですが、それでもネットにおける社会的立場やミッションを明確にしていくことで、息の長いサイトをリニューアルできると思います。
ユーザーに役立つサイトを作れるよう、お互いがんばりましょう。
・ ・ ・ ・ ・
>>安っ!アマゾンで半額以下になっている食品タイムセール
セール特設ページを見る
↓↓↓無料のニュースレターを配信中です