プレゼンテーションは、現代社会においてどこでも必要とされるスキルです。大人数の前で行うものから社内会議、さらにはプロポーズまでプレゼンの機会はどこにでもあります。
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追記：2018年1月17日 「選ぶ側の論理」を追加しました。
追記：2018年1月8日 人気書「人を惹きつける技術」他1冊を追加しました。
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この記事の目次
プレゼンテーション基礎スキル
プレゼンテーションには主に以下の基本的なスキルセットが必要です。その上で、コンペなのか学会なのかなど状況に合わせたバランスを変えていけば良いでしょう。いっぽうで、事前準備をとことん行うファイトや当日のパッションなど、メンタル面も重要です。
- 構成やストーリー（事前準備、素材、構成、統計、データなど）
- スライド作成（デザイン、グラフ、フレーズ、配色、配布資料など）
- 話法やボディランゲージ（ジェスチャー、アイコンタクト、発声、間の撮り方、上がり対策、パッションなど）
- その他（質疑応答、フォロー、クロージングなど）
ネット上にはこれらに関するノウハウもたくさんありますが、大事なのはプレゼンを実践するとき、どのスキルを重視して（克服するために）行うかという目的意識です。意識ことが次回への振り返りにつながります。実践の場が少ない、という人はとにかくリハーサルを繰り返しましょう。事前の準備なくしてプレゼンの成功はありません。
それでは、パッションと技術、両方の側面からおすすめのプレゼン本をご紹介します。
おすすめプレゼン本
プレゼン動画例と定番本
シンプルかつ堂々とした立ち振舞が聴き手を引き込む
アップル社（上記動画は後継のティム氏・公式動画にはジョブズ氏のものがないため）のプレゼンは、洗練されたデザインやトークで聴き手を魅了します。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン | カーマイン・ガロ, 外村仁 解説, 井口耕二
そのテンプレートの多くは、最初に実績や数字を伝え、聴き手への提案、製品とスペック、デモ、そしてサプライズと続き、シンプルかつ洗練されたデザインのスライドで進みます。
シンプルというのはとても重要で、聴き手に自然に入っていくということです。洗練されたシナリオと立ち振舞いからはプレゼンに関して多くのことを学べます。
TEDはライブ感とシナリオのバランスが絶妙
こちらの動画はTEDで講演されたものですが、TEDのプレゼンを模して、その話法だけでそれらしく聴こえるというプレゼンです。それでも、絶妙な繰り返しフレーズ、「間」の取り方、そしてパッションによって、凄いプレゼンに見えます。
TED 驚異のプレゼン 人を惹きつけ、心を動かす9つの法則 | カーマイン・ガロ, 土方 奈美
ビジネスにおけるプレゼンはビジネスのスタートとも言えます。プレゼン後の行動変容により、聴き手とともにビジネスを進めたり、自社の商品を使い続けてもらったりするはずです。そこを踏まえ、大切な情報とメッセージを盛り込みたいものです。
聴き手本位の提案と言葉選びが共感を呼ぶ
https://www.youtube.com/watch?v=v6e5OARN9bc
ジャパネットたかた社長のプレゼン力は、その結果からも疑う余地はないでしょう。聴き手を納得させる、聴き手の言葉で語りかける提案は、営業的なプレゼンでなくとも参考になります。
伝えることから始めよう | 高田 明
前半はたかた社長のビジネス論や経験、仕事論ですが、後半のプレゼンに関する項目が要チェックです。あのわかりやすく親しみやすいプレゼンの源泉がわかります。
大きなゴールと目標を掲げることで引き込んでいく
ソフトバンクの孫正義さんも、そのプレゼンテーションはよく話題にのぼります。しかしなんと言いましても、国内で最初にiPhoneをアップルから口説き落とすというプレゼンを成功させた手腕こそ、注目したいものです。
孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則 | 三木 雄信
1スライド・1メッセージ・1イメージ、といったプレゼン基礎技術を重視しながらも、人を動かすプレゼンの進め方に重点をおいて読みたい人におすすめ。
スピーチに特化した構成作りに役立つ
演説や結婚式など、スピーチをする機会は人生において誰しもあることと思います。そんなときに、基本的な構成を体に染み込ませておくことはとても役立つことでしょう。
思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書 | 佐々木 繁範
私は、スピーチは基本原稿を暗記するまで復唱します。そうして自分に染み込ませた上でブラッシュアップを図ります。Amazonでもレビュー投稿数20件を超える（2017年11月時点）高評価の本です。
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印象的なフレーズを戦略的に盛り込む
東京五輪を誘致を引き寄せた「お・も・て・な・し」プレゼン。誰しもそのフレーズに心奪われたことでしょう。強烈なメッセージをシンプルに伝えることが人を動かすという、大切さを教えてくれます。
日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力 | ニック・バーリー, 佐久間 裕美子
フレーズとジェスチャーが取り上げられがちですが、視線をまんべんなく動かしたり、「間」の取り方がとても勉強になります。そんな、プレゼンに臨む事前準備やストーリーテリング（構成）などを学べる本です。
おすすめ書籍を読みたくなるようにプレゼン
ビブリオバトルとは、書籍を紹介し合う知的バトルです。中学校や高校、社会人など多くの愛好家がいます。その過程は、おすすめ書籍を聴き手に読みたくなるよう伝える、まさにプレゼン力が問われる場と言えます。
ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書) | 谷口 忠大
聴き手がまったく知らないジャンルの書籍を、いかに興味を持ってもらうか、言葉選びから切り口のチョイスまで、とても良い訓練になります。YouTubeで動画も多く見つけられ、一般の人の限られた時間の中でのプレゼンですので、これもまた多くの気づきが得られます。
大手広告代理店の本格プレゼンバトル
＞＞【人気セミナー研修】企画書・プレゼン講座 | 教育講座を受ける | 宣伝会議オンライン
＞＞プレゼンタイガー – フジテレビ
かつてフジテレビの深夜帯で放送していた、ガチのプレゼンバトル番組です。本物の大手代理店社員やフリーランスの方々が登場し、クライアントからの課題を企画しプレゼンし合い進行します。わたしもこれで多くの学びを得ました。
ビジネスの明暗を決する!勝者のプレゼン術 | 『プレゼンタイガー』制作班
かなり古い書籍ですが、人を動かす、課題に対してどういう提案が心を動かすのか、という人間の本質は変わらないことがわかる名著だと思います。今でも多くの示唆に富みます。
言葉づかいや話し方
プレゼンでは聴き手に理解しやすい言葉で話す、ネガティブな言葉ではなく前向きになれる表現、違った言い方など多くのフレーズ選びが必要になります。
そんな言葉づかいや話し方についてAmazonで人気の書籍をまとめました。
伝え方が9割 | 佐々木 圭一
言わずと知れた人気ベストセラー。とても読みやすい文章の進め方はまさにプレゼンそのものです。
伝える力 (PHPビジネス新書) | 池上 彰
難しいニュースをわかりやすく伝える池上さんの代表作とも言える書籍です。元NHKだった池上さんらしい丁寧で正確な言葉選びのポイントが学べます。
論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書) | 平林 純
アイコンタクトやボディランゲージ、プレゼン時のスライドの進め方など、プレゼンで行うこと全般をコンパクトに学べる本です。
日テレ学院が教える 説得力のある「話し方」講座 (コミックエッセイ) | 日テレ学院
エッセイ風の書き方で読みやすいです。アナウンサー本にありがちな「話し方終始」ではなく、構成や話し方が、豊富な挿絵でわかりやすく解説されています。
テーマ・構成・ストーリー
プレゼンは、どういう内容をどういう順番で盛り込むかという、そのストーリーや構成がとても重要です。ロジカルに聴き手に納得してもらうには、技術が必要です。
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution) | 照屋 華子, 岡田 恵子
帰納法や演繹法だけでなく、論理的に考えるにはいくつかのパターンがあり、それらを学べる書籍です。
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法 | 内田 和成
プレゼンにおける課題解決の提案として、仮説思考を行うことはとても重要です。そのメリットや仮説の立て方などが学べます。
図解入門ビジネス最新「消費行動」マーケティングがよ~くわかる本 (How‐nual Business Guide Book) | 宮崎 哲也
若干古い内容ですが、いわゆるマーケティングの基礎概念や事象がコンパクトにまとめられています。ビジネスの共通言語として知っておきたい。
伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書) | 山田 ズーニー
名著です。2001年の発売ですが、2018年1月8日時点のAmazonでも評価投稿数120件を越える人気となっています。
人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方- (講談社+α新書) | 小池 一夫
人を惹き付けるにもノウハウがあります。
もうひとつのプレゼン―選ぶ側の論理 | 野口恭平
糸井重里さんも推薦文を書かれている広告業界では名著とおぼしき書籍です。
スライドや資料の作り方
プレゼンにより説得力を持たせ、聴き手をプレゼンターのトークに引き込みます。1スライド1メッセージなど基本的な情報デザインの原則を理解するだけで、プレゼンがぐんと魅力的になります。
プレゼンテーションzen | Garr Reynolds, ガー・レイノルズ, 熊谷 小百合
プレゼンテーションにおけるスライドの重要性を一躍広めた著書です。写真の使い方やデザインパターンなど、真似できるエッセンスは一つでも多く取り込みましょう。
社内プレゼンの資料作成術 | 前田 鎌利
資料のアレンジ方法など、社内プレゼンで使えるテクニックなどが豊富に解説されています。
伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール | 高橋 佑磨, 片山 なつ
誤解なく人に伝えるということは、わかりやすく伝えること以上に重要です。デザインにおけるべからずや原則など、視覚から与える印象からどういう解釈がされるのか、理解するのに役立ちます。
パワーポイントなどソフト
一生使える 見やすい資料のデザイン入門（PowerPoint） | 森重 湧太
パワーポイントで、デザインをシンプルにする、その具体的なテンプレートやスキームが図解でわかりやすく書かれています。
ケース別資料作成や技法
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック | 山口 周
グラフやチャートなどの作り方など、100点に及ぶ豊富な図解と事例が具体的に掲載されています。それを見るだけでも初心者には役立つかと思います。
学生・研究者のための 使える!PowerPointスライドデザイン 伝わるプレゼン1つの原理と3つの技術 | 宮野 公樹
具体的に作例の改善ポイントが書かれているなど、プロセスで学べます。Q&Aなどもあり理系学生にも役立ちます。
営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて | 冨田 和成
営業全般の書籍ですが、プレゼンについては第6章で触れられています。
THE21 2017年 11 月号
日清食品や明治、コクヨなどの企業の資料や企画、プレゼン資料作成について幅広く情報収集できます。
図解 建築プレゼンのグラフィックデザイン | 坂牛 卓, 平瀬 有人, 中野 豪雄
建築プレゼンの事例をもとに解説されています。レイアウトも美しいなど口コミなど評価も高いです。
はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで | 羽生 章洋
開発やシステム受託など、プレゼンと実際の要件とにギャップが生まれないようにしたいものです。最低限の基礎はあったほうが良いです。
コツや技術の前にパッション
さて、これまでご紹介してきたプレゼンのテクニックは手法は、そもそもプレゼンターの「思い」や「気持ち」があってこそ、最大限に生かされます。逆に気持ちが伴わなければ、策士策に溺れるとも受け取られかねません。最終的に聴き手の行動を決めるのは感情だからです。
そんなあなたに、最後にこの言葉を贈り締めくくりたいと思います。
- 製品やサービスでその品質が拮抗していれば、準備をしてきたほうが勝つ。
- プレゼン上手が逆に狡猾さを感じさせ、相手に用心深さを思い出させる。
- 投資を惜しむべからず、書体やデザイン素材など買える信頼性向上がある。
- 勝負は戦う前から決まっている時もある、それでも聴き手にギブしよう。
- 静寂を恐れるな、むしろ「間」や「余白」さえも使いこなしてこそ。
書籍など基礎知識はもちろん大事です。しかし、プレゼンは場数をこなせばこなすほど上手くなります。また、YouTubeには多くのプレゼンやスピーチ動画が見られます。実践にまさる教材はありません。ぜひ多くのプレゼンの機会に触れる、実践の場数を踏むことをおすすめします。そしてプレゼンに臨む前の準備が何より重要であることも、忘れないようにしたいものです。
おすすめ書籍で言えば、前半のプレゼン事例書籍や動画などで、プレゼンに触れる機会を増やすことをまずは優先し、それらは問題ないという人は、ストーリーテリング（構成）やスライドデザインなど技法を習得し、バランスを取ったり知識の整理をしたりするのが良いと思います。
私も日々精進ですが、これからも聴き手にわかりやすく、必要とされる情報のプレゼントしたいものですね。
お互いがんばりましょう。
関連情報リンク
ロジクール ワイヤレス プレゼンター R400t: パソコン・周辺機器
マイクを使ったプレゼンでは、こちらは必読です。CSSNiteという歴史あるセミナー講師に向けたガイドになっています。私も実践しました。
＞＞出演される方へ – CSS Nite
こちらも資料作成の鉄板スライドです。
＞＞見やすいプレゼン資料の作り方 – リニューアル増量版
大学でのプレゼンに関するアジェンダ。よくまとまっています。
＞＞良いプレゼンと悪いプレゼン
ご興味ある人はぜひ。プレゼン後、読書を促すという聴き手のゴールが明確、という点でスキルの上達が整理されます。
＞＞【観戦者募集！】全国大学ビブリオバトル首都決戦：21世紀 活字文化プロジェクト
小泉進次郎氏のトーク。ざっくばらんなトークでも、「あ～」「え～」「あの」「・・ですが」など、無駄な言葉がほんと少なく聴きやすくわかりやすいですよね。
＞＞【CafeSta】山本一太の直滑降ストリーム＠Cafesta ゲスト：小泉進次郎 農林部会長（2016.3.9） – YouTube
姿勢を良くして、相手の目を見てゆっくりと話すだけでも、聞き取りやすい声になります。
＞＞プレゼンで惹きつける話し方8つのポイント [プレゼンテーション] All About
話し方はそもそもパッションが重要です。
＞＞話し方を上達させる8つの要素をプレゼンのプロが解説 – ログミー
語尾や話し方に気をつけつつ、例としては私は、夢を語る、自分の生い立ちについて語る、など自分を信頼してもらうために、自分の感情を伝えることが多いです。
＞＞うまく話そうとしなくていい。プレゼンで相手の心に響くたった5つの話し方（1/3） – ウレぴあ総研
まとめ
プレゼンスキルは身につけておくと、一生役立つ技術です。相手のことを考え、わかりやすく伝え、そして行動変容を促す。コミュニケーションの基礎が詰まっています。
構成・スライド・話し方、そして事前準備や当日のパッション。そしてあとは実践あるのみ。プレゼンリハーサルはやった分だけ立ち振るまいは上手くなります。少しづつ蓄積していきましょう。
きっとあなたの人生にプレゼン力は役立つはずです。
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