かつてのユーチューブでは人気テーマを扱うだけで、YouTubeアプリのトップに露出することができました。しかし、今はそうした手法は通用しなくなっています。YouTubeで鉄板の3H戦略も今のアルゴリズムにあったアップデートが必要になっています。
この記事の目次
YouTubeで無名チャンネルが再生されるには
YouTubeで再生回数が0しかない!そういうときは、上図のような流入経路が1つもない、ということです。
無名のチャンネルがYouTubeで再生されるためには、一般的にはYouTube検索で見つけてもらうか、自分のSNSなどから誘導(外部)してくるかしかありません。
しかし、SNSもフォロワー数や、フォロワーの嗜好に合う合わないなどあり、再生回数が0再生ということも普通にあります。
YouTube検索でいかに見つけてもらうか。YouTubeで再生回数0を攻略するには、基本的にはここがポイントになります。
かつてはブラウジングにも表示はされやすかった
わたしのチャンネルでもっともバズっている動画です。
前述の経路とことなり、もっとも多いのはブラウジングです。これは、おもにYouTubeアプリのトップのことです。YouTubeにおすすめされた結果、たくさんの再生につながりました。
YouTubeのトップは、リスナーがふだん視聴している動画をAIが識別し、自動的におすすめをレコメンドしてくれる仕組みです。ですから、フォートナイト動画をたくさん見ていれば、フォートナイトのジャンルでの人気動画がよく表示されるようになります。
ここが2019年くらいまでは、比較的表示されやすかったのです。
- 芸能人もそれほど多くなかった
- コロナ前でまだプレイヤーが今ほどは多くなかった
- ある程度関連していれば、チャンネル登録者数とそれほど相関なく表示された
- 子供にも表示された
子供への動画表示は年々厳しくなっています。これはYouTubeに限らずTikTokやInstagramなどでもそうです。また、コロナ以降とにかく動画投稿者が増えました。
爆増する動画投稿と、表示制限が増えるなか、YouTubeはより選別をするようになり、表示が厳しくなる圧力が強まっていきました。
それでも2020年くらいまでは、一度でも動画を見てもらえれば、次に投稿した動画が、ブラウジングに表示されることがおおく、再訪が期待できたのです。
しかし、2021年以降自体は急変します。
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カテゴライズの細分化が進み露出枠は激減
YouTubeでは内部的に動画をジャンル分けしています。そのカテゴリーは数十万とも言われ、年々細分化が進んでいるとも言われています。
そして、2021年上半期頃から、カテゴリーをこえたおすすめ表示が、よりされにくくなったのです。以下に例示します。
- (これまで)一度見た動画の次の動画も表示されていた。
- (現在)一度みた動画でも、次の投稿が表示されるとは限らない。
- (これまで)ドッキリ動画をよく見ている人に、ゲーム実況のドッキリが表示された
- (現在)ジャンルをこえた同一テーマや同一企画は表示されない
- (これまで)大きなカテゴリーのジャンルにその小さなカテゴリーの動画も表示されていた
- (現在)大きなカテゴリーの動画のなかで別の人気動画が表示される
このように、再生されない動画は、より再生されにくくなったのです。
これまでYouTubeでは定番とされていた、動画戦略が3Hです(以下はパナソニックですが、YouTube公式アカデミーでも解説されています)。
>>パナソニックの動画マーケ「HHH戦略」とは 綾瀬はるかと文字活用:日経クロストレンド
- ヒーロー動画:広くいろいろな人に好まれる内容
- ハブ動画:ファンやリピーターに継続的見てもらう続きもの的な内容
- ヘルプ動画:いわゆる解説動画、ノウハウをわかりやすく伝える内容
これらの動画をまんべんなく投稿することで、ファンを囲い込み、新規を集め、検索にもつよくなる、そういうチャンネルが育っていくと言われています。
そして、かつてはこのヒーロー動画を作ればブラウジングに表示されることが多かったのですが、今は前述のように、よりカテゴリーが重要視され、人気動画が優遇される圧力がつよまっていますので、ヒーロー動画をつくっても、なかなかブラウジングには表示されず新規が獲得できないのです。
そして、ヒーロー動画は一般的につくることがとても大変です。より多くの人にささる動画ですので、コストや手間がかかる、もしくはそうそう思いつかない、というのは自然なことです。
しかし、それでもかつては、苦労してヒーロー動画を投稿できれば、新規のリスナーに接触できることでむくわれたのですが、残念ながらいまはそうではないのです。
それくらい今のユーチューブは競争寡占の市場になったのです。
無名のユーチューバーの活路はYouTubeショート
今後、ユーチューブへの参入が減ることはないでしょう。つまり、今後も露出が緩和されることは、期待しづらいわけです。
そういうなかでは、無名のユーチューバーの活路は、YouTubeショートしかありません。もちろん、YouTube検索のニーズをひろう動画は、随時アップするものの、新規を集めるための「露出を稼ぐ動画=ヒーローコンテンツ」は、YouTubeショートしかないのが現状です。
トップユーチューバーと対等に扱われる露出枠(スペース)は、カテゴリーがどんぴしゃでリスナーの嗜好と一致していれば別かもしれませんが、それでももう今のYouTubeではここしかないといっても過言ではないでしょう。
デスクトップでYouTubeをつかっていると気づきませんが、YouTubeアプリでは、YouTubeショート枠はYouTubeのトップというとても恵まれたポジションです。
YouTubeは今、TikTokを追撃するために、YouTubeショートに力を入れています。
>>打倒TikTokの新サービス「YouTubeショート」。クリエイターに月額最高1万ドル支給、その狙いとは? | Business Insider Japan
ここで再生されるコツをつかみ、なんとかチャンネル登録までの道筋を考える。それが、今もっとも経験値をつめる再生数の稼ぎ方です。
もちろん、YouTubeショートは、ショート枠では広告が表示されない、チャンネル登録があまりふえない、といったデメリットはありますが、それをなげいていてもしかたありません。残念ながらそれが今のYouTubeですので、再生回数0を脱したいひとで、YouTubeショートを試したことがない人はぜひ試して見て下さい。
収益化のハードルはこれからも高騰しつづける
ただそれでも、YouTubeショートは、再生時間をかせげませんので、収益化がまだの人は、今後さらに厳しくなるとみつもっておきましょう。
とにかく、収益化条件のうち、直近12ヶ月で4000時間がクリアしづらくなっているのです。
YouTubeショートに活路があるといっても、ここがネックになるのです。ですから、YouTubeショートやTikTokなどから、導線をつくり、チャンネル活動のほうも並行して、充実させておきましょう。
辛いのはほかの動画クリエイターも同じですので、YouTubeにおけるクリエイターエコノミーを目指す人は、とにかくがんばりましょう。