TikTokではインサイトで基本的な指標をすぐに見られます。しかし、インサイトの画面ではすぐに見られないけれど、注目したほうがいい指標データがあります。それは「動画をフル視聴」です。
この記事の目次
TikTokインサイトでデフォルトでわかるデータ
TikTokインサイトでは多くのことがわかります。また、前に比べれば進化していて、かなりの数字がわかるようにはなりました。
- 全体的な概要(視聴数/プロフ表示数/いいね/コメント/シェア)
- 動画ごとのインサイト/人気急上昇中の動画のデータ
- フォロワー数や視聴者データ(年代/地域/アビリティ)
- ライブア(総視聴数/ユニーク視聴者数/ダイヤ/ギフトを贈った人/新規フォロワー/総配信時間/最大同時視聴者数)
デフォルトですと、こんな感じに動画ごとの再生回数やいいね数などが表示されます。
ただ、TikTokではアルゴリズム上、視聴数はいいねに表示されるかされないかで、かなり影響をうけます。
ですのでおおくの場合、「TikTokインサイトを見ても、バズった動画はみんなおすすめ掲載だよなぁ・・・」ということくらいしかわからず、結局おすすめに載るにはどうすればいいの? という疑問のループに迷い込むことが多いのではないでしょうか。
おすすめ対策として矢印3回も流行りましたよね
>>#右下の矢印3回素早くタップしてみてハッシュタグに関するTikTokの動画
そういう意味では、TikTokの動画投稿で注目されるのは、いかにしておすすめに載るか、です。
「矢印3回押して」もほんと流行りましたよね。
画面右下の矢印を3回押すと、結果としてシェアすることになり、データ分析の世界ではエンゲージメントというのですが、こうしたユーザーが追加でアクションを起こしてくれると、TikTokのアルゴリズム上よい影響がある、とされるものです。
ですから、この手法が流行る前は、そうしたシェアをされる動画がたしかにおすすめに来ていたかもしれませんが、以下の理由で廃れていきましたよね。
- さすがに毎回、矢印3回といった動画を投稿するわけにもいかない
- みんながやってるとさすがに飽きられてくる
- TikTok運営側も気づいて、おそらく対策をしてきた
こうしたおすすめ対策は陳腐化が早いのです。こうした戦術は知ってるか知らないかというだけで、差がつく短期的な効果しかないことが知られていて、仕事としてTikTokをやっている場合には、あまり使われない手法です。
では、TikTokインサイトではどのデータを見ればよいのでしょうか。
それが、「動画をフル視聴」というデータです。
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TikTokの動画投稿改善に役立つデータは「動画をフル視聴」
陳腐化しない、小手先でない、動画投稿の質を上げるために、見たほうがいい指標、それが「動画をフル視聴」です。
え?!そんなデータ、みたことない・・・ですって? 上図のように、自分の投稿した動画ごとに「詳細」をタップします。すると、表示されるデータのなかにあるのです。
PC版TikTokのインサイトにあるデータをダウンロードという詳細データにもないので、なかなか気づかないかもしれません。
TikTokインサイトの画面からも、動画ごとの指標をチェック画面をふかくタップしていきますと、表示されます。
こちらの2つのデータを比較してみてください。
左が最近投稿した動画、右が世界中でバズった動画です。
「動画をフル視聴」という指標を見ますと差は歴然ですね。最近投稿した動画のほうは、最後まで見てくれた人がたった2%しかいません。
これはバズる以前の問題だと思いませんか?
自分が苦労してつくった動画、伝えたい思いのたけを語った動画、友達といっしょにがんばったダンス、やっぱり最後まで見てほしいですよね。
もちろん、これは動画が短ければ短いほど有利です。それはそうなのですが、それでもある程度の長さがないと伝えられないこともありますよね。
やはり、最後まで見てもらえた動画というのは、たんに誤タップで再生されたものでもない、たまたまおすすめに出てきて一瞬だけ再生されたものでもない、ほんとうにリスナーに届いた動画です。
こうした動画づくりを目指すべきです。
もちろん、それに正攻法や正解はありません。各自が試行錯誤して、動画の長さや構成や撮影方法や編集など、いろいろなことを試行錯誤し伸ばしていける数値なのです。
おすすめに載るかどうかは、どうしても不確定要素が大きいです。そこを探ることは、どうしても時間のロスが大きいのですよね。
であれば、すべて自分のノウハウになって返ってくる、自分でほぼ試行錯誤=コントロールできることに、時間をつかうべきです。こうした試行錯誤する行動や経験は陳腐化しないのですよね。
動画を最後まで見てもらう、そこに集中して動画づくりを試行錯誤するの、ほんとおすすめですよ。
YouTubEでは平均視聴維持率という重要指標
じつは、「動画を最後まで見てもらう」というこの考え方は、YouTubeでは広く知られていました。
YouTubeでもTikTokインサイトのような視聴データがわかるモードがあり、YouTubeアナリティクスといいます。そこでは、リスナーが動画のどのタイミングで離脱したかがわかるようになっています。
時間ごとの視聴率がわかるのですね。ですから人気ユーチューバーの多くは、仕事でユーチューバーをしている企業の多くは、この指標を見て、あーここでXXXを見せてないから離脱されてるよぉ・・・、最初にXXXを持ってきたの良かったね!など、最後まで見てもらう工夫の振り返りをして、より最後まで見てもらえる動画づくりに励んでいるのです。
わたしもかつては、最初の30秒でほぼ全員、8割以上が離脱する動画ばかり作っていた時期がありました。
動画単体で見るとそれほどつまらなくはないのですが、どんなに苦労しても、8割以上の人には見られていないとわかると、ほんとうにがっかりしたものです。
でも今は、動画も爆発的に増えています。TikTokやライブ配信やNetflixなど、楽しい動画がまわりにたくさんあります。最後まで見てもらえることが、いかに大変か、ということなのです。
そこには陳腐化しないノウハウが生かされます。前述の「1秒でつかむ」という本を見て私は勉強しました。人気テレビ番組「うちついていっていいですか?」のディレクターさんが書いた番組作りのノウハウです。プロの世界でもここまでこうしてやってるんだ!と目からウロコが落ちたものです。
それでも、その本を何度も読んで、試行錯誤を繰り返し、上図のような視聴維持率を出せるようになりました。もちろん、100%の人が最後までみてくれればそれにこしたことはありませんが、さすがにそれは無理でしょう。ですので、3分の2くらいの人が、最後まで見てくれればわたしはいいと思っています。半分以上とかでもいいかな。
でも、TikTokであれば短い動画が多いでしょうから、8割は目指していいと思うのですよね。そこを目指して試行錯誤していく。その繰り返しが大事なのです。
動画投稿の未来は変わっていく
いまや、YouTubeもショート動画を扱い、Instagramもリールで盛り上がる、そしてTikTokも3分まで投稿できるようになる、とショート動画戦国時代です。
より面白い動画に人が集まることを求められます。そして、各プラットフォームもそうしたクリエイターを囲い込む、育成しようと大金を投じるようになってきています。となると、ますますプロのクリエイターが動画をどんどん出してきて、一般のTikTokerの動画は、ますますおすすめに載りづらくなっていくでしょう。
>>YouTubeのTikTokこと「YouTubeショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始 – Engadget 日本版
ですが、「最後まで見てもらえる面白い動画づくり」という本質的なノウハウは陳腐化することはありません。この技術をもっている動画クリエイターはおそれることはないでしょう。
「動画をフル視聴」という指標を知らなかった人、ぜひ、自分の過去に投稿した動画の、動画をフル視聴されているものと、そうでないものを比較して、最後まで見られる動画ってどんなのかな?と考え、いろいろと試してみてください。
そして、最後まで見られる動画も、つねに変わっていくと思います。そうした変化に対応できる人が、生き残っていくのですよね。人気があるから生き残るのではないのです、環境変化に対応できるからこそ生き残れるのです。
そうした知見を身につければ、きっとあなたの動画の魅力が、どんどん増していくと思いますよ。そして私もつねに勉強です。いっしょにがんばっていきましょう。
わたしは、そうした動画制作、そしてコンテンツ全般の作り方や発信方法を、Twitterで発信しています。
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