企業がインフルエンサーを育てようとする動きが増えていきそうです。テレビの視聴が全体的に減っていくなか、ブランドはあらたなマスをもとめています。そんななか、インフルエンサーをキャスティングするのではなく、アンバサダーとして育てていこうという動きに注目が集まっています。
この記事の目次
アンバサダーマーケティングとは
アンバサダー・マーケティング | ロブ・フュジェッタ, 藤崎実, 徳力基彦, 土方奈美
企業が、自社の製品やカルチャーのファンになってもらう人を増やしていこう、というマーケティング手法です。2000年代後半~2010年代前半のブログブームだった頃にうまれた手法です。
しかし、昨今では、より効果的なインフルエンサー活用の一貫として、むしろインフルエンサーを育てようというアプローチの側面が注目されるようになってきました。
そこで、アンバサダーマーケティングを実践している企業を調べてみたところ、アサヒビールの5000人規模のアンバサダー事例があるなど、やはり盛り上がりつつあるようです。
アンバサダーマーケティング事例~食品業界
アサヒビール
2022年1月時点で5000人をこえるコミュニティになっています。ビールはいろいろな食材と相性のよいお酒ですので、SNSでも拡散しやすい素材として、インフルエンサーとしてはいじりがいがあるのではないでしょうか。
おやつカンパニー
ベビースターを販売するおやつカンパニー。アンバサダーマーケティングだけでなく、人気ユーチューバーにレシピをつくってもらうなど、インフルエンサーマーケティングにも力をいれています。
価格的にはTikTok売れも期待できるゾーンですので、TikTok映えする商品開発をすると、めちゃくちゃはねそうな気はします。
キッコーマン
ごはん部というブランディングで、アンバサダーマーケティングをすすめるキッコーマン。さまざまなレシピやファンとの交流や企画で、多くの投稿がタイムラインに流れています。他媒体でかかれているインタビュー記事では、経営企画部での管轄で300人をこえるアンバサダーがいるとのことでした。
グリコ
>>もぎたてファームアイスの実 アンバサダープログラム|江崎グリコ
独自のランクアッププログラムで、投稿のモチベーションをあげる工夫をしています。素材としても使いやすいグルメやスイーツは、投稿するインフルエンサーも楽しく推せますね。
ひかり味噌
>>ひかり味噌アンバサダープログラムのご案内 |ひかり味噌株式会社
中央アルプスの麓でつくられた味噌󠄀を世界中に広めるファンを、独自の運営で増やしているひかり味噌。オンラインでの座談会など、あたたかな運営にファンが魅了されています。
にんべん
工場見学やイベント招待、新製品のお試しなど、きめこまやかな運営で、アンバサダーを集めてます。
カルピス
>>みずたまラボ
カルピスは、みずたまラボというブランディングで、アンバサダーマーケティングを展開しています。素材としてもカルピスは使い勝手がよいですから、SNSとも相性はバッチリです。
ロッテ
ロッテは、ロッテランドというコンセプトで、コミュニティのブランディングを重視したアンバサダーマーケティングを展開しています。
エスビー食品
>>#エスビーカレーアンバサダー 第三弾、はじまる。|S&B エスビー食品株式会社
カレーや香辛料で有名なエスビー食品も、アンバサダーマーケティングに力を入れています。店頭ではなかなか目につきにくい商品のお知らせなど、登録のメリットがわかりやすいです。
18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事 | 佐藤 潤
アンバサダーマーケティング事例~ゲーム・エンタメ
カプコン
>>バイオハザード アンバサダー プログラム | バイオハザード ポータル | CAPCOM
世界中で熱狂的なファンをもつ人気IPのバイオハザード。こちらのゲームタイトルも、アンバサダーマーケティングをもちいて、ファンとのエンゲージメントを高めています。
大宮アルディージャ
サッカーチームの大宮アルディージャは、ファンクラブがありますが、チームへの意見をつのるフォームにアンバサダーマーケティングのプラットフォームを使っています。
アンバサダーマーケティング事例~アパレル・美容/健康業界
株式会社AOKI
ファンケル
>>アンバサダー | FANCL CLIP ・美容と健康の旬な情報をお届け♪
ファンケルは、アンバサダーマーケティングをはやくからはじめていて、すでにサイトをリニューアルほどの盛況ぶりです。
>>ビジネスファッション応援プロジェクト Supported by AOKI- AOKI
メンズ、レディース、ともにアンバサダーをつのり、コミュニティを形成しています。
アンバサダーマーケティング事例~家電・PC・ガジェット
レノボ
世界的パソコンメーカーであるレノボは、具体的な販売経路としても、アンバサダーマーケティングを実践しています。いまや、ネット経由での売上は、PCメーカーにとっては重要は導線。そこを、アンバサダーマーケティングで、強固にしています。
ドスパラ
>>ドスパラ アンバサダープログラム|ドスパラ公式通販サイト
ゲーミングPCやクリエイター向けPCなど、BTOパソコン通販大手のサードウェーブは、長年アンバサダーマーケティングを展開し、ネットでの売上をのばしています。コミュニティも500人をこえるなど、売上における存在感も大きいと思われます。
ゼブラ
>>ZEBRA | ゼブラ株式会社 | ブレンアンバサダー募集中
文具大手メーカーのゼブラは、ブレンというガジェットに特化してアンバサダーを募っています。アプリもつかうガジェットのため、会員登録を促せばアップデート情報をつたえやすくなるなど、相性は良さそうです。
チェキ・INSTAX
>>COMMUNITY | インスタントカメラ【instax<チェキ>】公式サイト
ポラロイドカメラのチェキは、写真をとるツールですから、アンバサダー・マーケティングとの相性は抜群です。
デルコンピュータ
デルも他のPCメーカーと同様に、具体的に販促活動にもアンバサダーマーケティングがおおいに貢献しています。アンバサダーマーケティングの草分けといっても過言ではないほど、いろいろな施策やファンとの交流をしています。アンバサダーマーケティングの初心者はベンチマークするとよいでしょう。お手本のような運営です。
ベンキュー
世界的ビジュアル機器メーカーのベンキュー。ゲーミングモニターやプロジェクタなど、実際に使ってみてわかるプロダクトの場合、アンバサダーマーケティングのモニター制度はとても相性がよいです。わたしも実際使っています。
アイロボット
>>アイロボット ファンプログラム | iRobot アイロボット 公式サイト
ロボット掃除機ルンバを提供するアイロボット。こうした「使わないと価値がわかりにくい新しいもの」というのは、アンバサダーマーケティングにぴったりです。
モニター募集サイト
アンバサダーの特典として無料で製品をつかえる、というものがありますが、モニターという切り口で探しますと、いわゆる懸賞サイトのようなところで、情報提供しています。モニターだけでよいという人はチェックしてみてください。
また、特定ジャンルのメディアが、企業とコラボして、アンバサダーを募集するケースもあります。
懸賞で生活する懸賞主婦
http://kensho-everyday.com/
モニター専門サイトMONITTO
https://www.monitto.ne.jp/
アンバサダー募集まとめ(@ambassador_matome)
https://www.instagram.com/ambassador_matome/
マタニティ&ママ向けアンバサダー募集まとめ
https://www.with-baby.net/p/ambassador.html
<第2期アンバサダー募集>山善×RoomClipのおうちすっきりプロジェクトを一緒に盛り上げてくれる方、大募集! | RoomClip mag | 暮らしとインテリアのwebマガジン
https://roomclip.jp/mag/archives/58703
アンバサダー登録サイト
企業がアンバサダーのコミュニティをつくりたいと考えることと同様に、アンバサダーをまとめて紹介してくれるポータルサイトも登場しています。
登録無料のところがほとんどですので、他にもたくさんありますので、探してみてください。
クスパ公認★インスタアンバサダーをご紹介 | 料理教室検索サイト「クスパ」
https://cookingschool.jp/feature/insta/
アンバサダー一覧|旅コーデ(TABICOORDE)|海外個人旅行の検索・予約サイト|阪急交通社
https://tabicoorde.com/inf/
アンバサダーを育てるプラットフォーム
今後も、インフルエンサーマーケティングとともに、SNS上の面をとっていく施策として、ファンマーケティングの基盤としてのアンバサダーマーケティングは、着実に成長していくと見込まれます。
そんなトレンドを察知して、ベンダーも動きを活性化させています。アンバサダーマーケティングの草分けであるアジャイルメディアでは、昨年 アンバサダーマーケティングのスターターキットを販売開始しました。
ファンマーケティングを牽引するアジャイルメディアがファンの登録から貢献分析まで自社運営が可能なツール「アンバサダープラットフォーム スターター」を提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000037149.html
もともと「Ambassador Platform +CONNECT」として定評のあったプラットフォームをさらに進化させ、はじめやすくしたものと言えそうです。
アンバサダーは、インフルエンサーほど瞬間風速はでないものの、今後SNSがさらに発展していくなかでは、確実に小さな種をタイムラインに増やし、マインドにしっかりはいりこんでいくでしょう。