ボイシーという会社を調べつつ音声メディア10年間の歴史を整理した

Das Studio ? Cleanelectric Podcast
Photo:license by jayuny

ポッドキャストを調べていくうちに、Voicyというサービスを知りました。たしか、音声メディアのサイトだったような・・・というあいまいな記憶しかなかったので、調べてみることにしました。

オーディオブック、ポッドキャスト、トークライブなど、音声コンテンツが盛り上がっているとのことで気にはなっていたのですよね。

本記事の執筆は、フリーランス歴24年目のカグア!(@kagua_biz)によるものです。なお、情報は2020年1月9日時点でのものです。ご注意ください。

Voicy(ボイシー)とは

音声メディアアプリ

ボイシーとは、音声メディアサービスです。声のブログのような感じで、多くのパーソナリティのかたが番組配信をしています。
ボイシー

2016年9月からサービスを開始し、これまでさまざまな番組やサービスを提供しています。

>>株式会社Voicyのプレスリリース(最新配信日:2019年12月25日)|PR TIMES
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番組の配信は審査方式

ボイシーは、誰でも音声メディアを配信できるわけではありません。申請をして審査が通れば、配信アプリが提供され、自分の番組をもつことができます。

>>チャンネル開設申し込み:Voicyパーソナリティ募集
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法人であれば有料のプランがあり、開設も可能のようです。

音声配信メディアの歴史

ポッドキャストや音楽配信

ポッドキャストの登場

ボイシーからさかのぼること10年以上前の2005年頃から、すでに、ポッドキャストというオープンな仕様として音声配信サービスとして広がりはじめました。iPodを中心に音声ブログのような形で、いちぶの利用者には広がりを見せていました。
アイチューンズ

仕組みとしては、ブログと同様にRSSという更新情報通知システムを有していて、当時ブームになっていたブログともあいまって、広がっていました。

音楽配信サイトの隆盛

2010年代前半には、SoundCloudや、MixCloudといった、音楽アーカイブのような様相の強いプラットフォーム的なサービスが隆盛をしていました。
サウンドクラウド

あのSpotifyもSoundCloudの買収をすすめていたとされるほどです。ライフハック系のブロガーや、新進アーチストの人たちがたくさんの音声コンテンツをアップロードしていました。

オーディオブックの登場

アマゾンがオーディブルというオーディオブックサービスを国内で開始したは2015年。電子書籍など著作権処理の仕組みが確立してきますと、ダウンロードを前提とした音声コンテンツも広がりをみせます。
オーディブル

ライブ配信アプリのヒット」

スマホの普及によって、ツイキャスでのトーク配信など、ライブ配信アプリによって、2010年後半、「個人が音声配信をしそれを楽しみにするリスナー」という土壌ができてきたように思います。
ツイキャス

ポッドキャストは普及しないのか

ただ、ポッドキャストも、SoundCloudなどの音楽配信サービスも、どちらも海外のサービスであること、国内では決定的なキラーコンテンツが不在だったこと、ユーチューブのように簡単にマネタイズする仕組みがない、などから日本の国内では、音声メディアの需要はありながらも、一部のアーリーアダプタの利用にとどまっていたように思います。

海外のサービスやアプリですと、おすすめをする番組も異なれば、すでにあったラジオ番組のコンテンツを精力的に招聘するという動きも進むはずはなく、また前述のように配信サイトが分散してしまったことなどから、音声メディアは面白い番組が見つけづらいジャンルとして、一般の人が手を出しづらいサービスになっていったような気がします。
ポッドキャスト検索の現状

ポッドキャストにはコメントしづらい

番組に気軽にコメントをしたり、拡散したりする仕組みも、TwitterやFacebookのようには手軽にはいかなかったことも、時代に合っていなかったと思います。

その点ツイキャスは拡散のしやすさや、コメントのしやすさなど、音声メディアでのコミュニティの重要性をしっかり取り込み、利用者を増やしていったように思います。

>>ツイキャスの登録ユーザー数が2,000万人を突破 | モイ株式会社
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ラジオトークの存在

ラジオトークはRSS配信しつつもコミュニティ機能や投げ銭機能のある稀有なサイトです。ただしアップロードはアプリからのみになっていて、音声編集したものを投稿するなどはできません。

ただ、国内ではポッドキャスト機能とコミュニティ機能を有するユニークなサイトとして注目されています。

Googleが本格参入しポッドキャスト熱が再燃

2018年、Googleが満を持してGoogleポッドキャストアプリの配信を開始します。また音楽の世界ではサブスクの時代に入り、Spotifyが席巻するようになっていきます。音楽配信もストリーミングの時代を本格的に迎えることとなりました。

そのようなタイミングで、Androidユーザーも手軽にポッドキャストを聴けるようになったのです。2019年にはポッドキャストの内容を、Googleは自動でテキスト化し、Google検索の結果に表示させるということを実装します。音声メディアへの注目がさらに集まることとなります。

>>Googleの再参入で、ポッドキャストの世界は激変する|WIRED.jp
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また、SpotifyがポッドキャストアプリのAnchorを買収し、スポティファイでもポッドキャストを聴けるようになるなど、世界で第3次音声プラットフォームブームがきた、という様相も呈してきたといえるのではないでしょうか。

そんな背景のなか、ボイシーが2016年に登場します。

ボイシーの歴史

2016年ボイシーは、音声に特化して、音声メディアを立ち上げます。

サービス開始当初は、こちらの記事で「記事の読み手であるパーソナリティの一般募集」とありますように、かなりオーディオブックを意識したようなコンテンツ展開をしていたようです。

>>業界初!活字メディアがあなたの声で放送に!|株式会社Voicyのプレスリリース
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ポッドキャストの技術ではなく、純粋に音声ファイルをアップロードし公開するような、音声版YouTubeのようなスタイルです。パーソナリティこそ審査制ですが、コメントもしやすくフォローもしやすい、わかりやすいサービスになっていました。

しかし、開始から1年ほどはあまり話題にあがることはなっていなかったように思います。それというのもこの頃は、YouTubeが大ブレイク中で、ユーチューバーという言葉が広く知られるような動画の時代だったのでした。しかし、2018年1月に状況がかわります。
Google検索

はあちゅうさんなどインフルエンサーがボイシーを利用し始めて、いっきに利用者が増えはじめます。2018年前半に多くのインフルエンサーが使い始めることで、その認知を広げていきました。ちょうどユーチューバーのブームも一段落し、落ち着いて情報を聴いてみようという機運も醸成されていたのかもしれません。

>>sarahaでの質問に答えるよ (2018/1/21放送) / Voicy(ボイシー)- 今日を彩るボイスメディア
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またテクノロジーとしても、音声認識などの技術も向上し、スマートスピーカーの登場もあいまって、音声コンテンツへの注目も高まってきたように思います。そこにボイシーもしっかりキャッチアップしていきます。

>>音声放送プラットフォームのVoicy、Google アシスタントへの音声コンテンツ提供を開始、新製品Google HomeでVoicyの音声コンテンツが聴取可能に|株式会社Voicyのプレスリリース
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ボイシーは2019年にはいって資金調達を加速させます。潤沢となった資金を背景に、さまざまな施策や機能追加が見込まれ、ブーストがかかりそうです。

>>声のブログ「Voicy」がVC2社およびTBS、電通、中京テレビから7億円調達 | TechCrunch Japan
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>>“声のブログ”として注目集める「Voicy」が16人の投資家から2800万円を調達 | TechCrunch Japan
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>>ボイスメディア「Voicy」が1.2億円を追加調達、朝日放送系や文化放送などから | TechCrunch Japan
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海外でのポッドキャストブームもあいまって、またこれまでの実績から注目が集まったのかとも思いますが、うがった見方をすれば、5G関連株が出そろうまでの投資先として有望に見える、というのもあるのかなと思います。

>>ポッドキャストが熱い、10年ぶりブームに見る音声コンテンツ最新事情 | 日経 xTECH(クロステック)
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ポッドキャストブームは来るのか

日本では、モデルの水原希子さんこそポッドキャストをはじめましたが、ポッドキャストのブームが来ている、というほどではないようには見えます。

それと比べればボイシーのほうが音声メディアという点では魅力的に見えます。実際、ポッドキャストを長く続けている番組も、ボイシーに配信したりしています。

前述の投資先にも含まれています日本放送も、ポッドキャストアワードを開催するなど、音声メディア全般への期待感は、5G浸透前の端境期としては盛り上がるようにも見えます。

>>JAPAN PODCAST AWARDS | ジャパンポッドキャストアワード
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ただ、テレビとラジオという既存メディアにおいて、圧倒的にテレビのほうが数字を持つのはテレビ、という構図があるなかでは、音声メディアのブームが来たとしても、そうした力関係は映像メディアと逆転することはないだろうな、という気はします。

音声メディアがブレイクしても、テレビとラジオくらいの規模感、と見ています(YouTubeと音声メディア全体)。

今回の音声コンテンツへの注目は、ポッドキャストでのマネタイズにあると見ています。

実際、国内有名ポッドキャスト番組では、オンラインサロンを開くなど、リスナーとの距離の近さの有利を活かしたケースがみられます。また、Anchorアプリの広告機能が国内でも機能すれば、ユーチューバーのようなポッドキャスターも登場してくるかもしれません。

今後、そうした特性が理解され、音声メディアにあったコンテンツが洗練されていくのかなと思いました。

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音声コンテツの違い

  • ポッドキャスト:サイトやASPに音声データをアップし、RSSでいろいろなサイトへ配信できる。単独でのマネタイズは難しく、オンラインサロンなど組み合わせて展開するケースが見られる。ラジオトークでは投げ銭機能などはある。
  • ボイシー:ボイシーに認められたパーソナリティがボイシーに音声を投稿するコミュニティ。ボイシーの広告枠に認められるとマネタイズは可能。
  • ライブ配信アプリ:多くはライブ配信アプリでトークのみに徹しラジオショーのように配信。SNSとの相性が良い。投げ銭機能などがありマネタイズは人気アカウントになれば容易。
  • オーディオブック:音声データをダウンロードし端末で再生する。オーディオデータ自体が買い切りか、聴き放題などのプライシングがされているケースがほとんどなので、もともとマネタイズありきの仕組み。

音声コンテンツのありなし、音声データをどうアップロードするかの違い、課金やマネタイズの方法が簡単かどうかで、差別化される状況です。

まとめ

  • 音声コンテンツは独自の発達を遂げてきた
  • ボイシーは音声メディアに特化した媒体
  • 音声コンテンツのマネタイズに広がり

ボイシーを調べていくうちに、音声コンテンツの奥深さを学びました。自分むけにまとめたので、文章がかなり破綻していますが、お許し下さい。

・・・と、こんな感じの父親目線で、SNS、ドライブ、ゲーム、生活防衛ネタが多めでブログ記事を2009年から書いています。よろしければLINE@をフォローしていただけると更新情報を受け取れますのでおすすめです。記事を気に入ったというかたはぜひ。

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