音声配信でユーチューバーのように、収益化をめざしたい。そう思われている人は、ぜひ業界再編が2021年におおきく起こり、その収益化方法も確立し、成熟期をむかえてきた、3大音声配信アプリではじめてみてはいかがでしょうか。Radiotalk、Anchor、stand.fm、それぞれ特徴があり、あなたにあった配信プラットフォームを選ぶことがとても重要です。
音声配信プラットフォームは大きくわけて3つ
Photo:license by boryskozielski
音声配信アプリは、2021年におおきく業界再編がおこりました。
大手ユーチューバー事務所UUUMが運営するREC.アプリが、stand.fmへ譲渡。中国大手ポッドキャストアプリHimalayaがポッドキャスト事業縮小(日本では実質撤退です)と。
そして、収益化プログラムも各社競争が進み、それぞれ実績を出しはじめている音声配信アプリが、前述の業界再編もあいまって、だいぶ淘汰が進んできました。音声配信プラットフォームとしては、いよいよ成熟期を迎えたといっていいでしょう。
それではわたしの独断と偏見もふくみますが、収益化ができる音声配信プラットフォームをご紹介します。実際にそれぞれのプラットフォームで配信した経験にもとづいてはいますが、市場性などは当然主観が入っている点は、さしひいてお読みください。
Anchor
世界大手音楽配信サイトSpotify傘下。英語のみのアプリですが、使い勝手はとてもよく、一度配信した音声にも、あとから音声を挿入できるなど、他にない使いやすい操作性を実現しています。
また、ポッドキャスト形式での配信のため、Spotifyだけでなく、Apple Podcast など多くのポッドキャストアプリで聴けるメリットがあります。
- PCアップロード 完全対応
- 後から音源セクション挿入可能
- BGM提供あり
- 大手Spotify傘下の安心感
- ライブ 非対応(投げ銭も非対応)
- 収益化 Spotifyに認められた番組のみ
- コメント機能 基本なし
- 市場性 多くのプロ番組あり
- 予約投稿あり
とくに、音質にこだわる配信者には、PCからのアップロードに完全対応している点が評価が高いです。ただ、収益化については、Spotifyから認められた番組のみに広告が挿入(もしくはホストリード広告という読み上げ広告が依頼される)、という方式になっています。ただ、先行事例としては、ファンとのエンゲージメントをじっくり醸成する番組が多いからか、ポッドキャストとは別に、CAMPFIREなど有料プラットフォームでのコミュニティづくりや、リアルイベント開催などで、収益化している事例をもっとも聴きます。
ただ、海外では先行して、広告を配信者が自分で画面上で選び、挿入するという機能も実装されており、いずれ多くの配信者がその機能をつかえる可能性はあります。
市場性としては、音声配信としては歴史のあるプラットフォームですので、知的層や英語に興味のある層や、Appleに興味のある層にはとても人気があります。いっぽうで、地上波ラジオなどプロや企業の配信も多く、クォリティがもとめられる傾向があります。
露出方法は、自分自身でSNSで宣伝するか、Apple Podcastランキングに出る、という経路が一般的です。また、Googleポッドキャスト検索にも対応しているため、ポッドキャストというテーマの番組は比較的SEOが通じやすいプラットフォームです。
コメント機能が基本ないため、配信はどうしても一方通行になりがちで、再生されないとだんだんと心が折れていくケースも多いです。
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Radiotalk
国産ポッドキャスト対応アプリ。日本語対応もし、差し入れやライブなどにも対応するなど、ラジオ好きがあつまるプラットフォームになっています。
- PCアップロード 非対応(スマホからのアップロードも非対応)
- BGM機能なし(効果音は使えます)
- 収録は最大12分
- 国産アプリ
- ライブ 対応(投げ銭も対応~最大25000円のギフト)※基本は最大30分制限
- 収益化 投げ銭+スコアによる運営からの還元
- コメント機能 ライブチャット・差し入れレター
- 市場性 聴き専が多く投げ銭なれしているユーザーが多い
- 予約投稿あり
日本の純国産音声配信アプリとしては草分けのRadiotalk。創始者がラジオ好きということもあり、地上波ラジオを標榜する、アナログな運営が魅力です。毎週のように、配信のお題があったり、キャンペーンがあったりと、配信者とリスナーを盛り上げる企画が満載です。
それらの企画にのって、ライブや収録配信の回数をふやし、カジュアルなネタを投稿しつづけていきますと、ファンが増えてくる好循環を狙えるプラットフォームです。収益化できている配信者の事例では、1日に2回の収録配信と2回のライブをしているプロ配信者もいるほど。歴史があるため、ライブを定期的におこない、露出をかせぐ必要はあります。
収益化は投げ銭はとくに審査は不要で、だれでもすぐに稼ぐことが可能です。番組配信の還元は、審査制で一定の基準をクリアする必要があります。
Radiotalk、音声配信で収益を得ることが可能に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000043103.html
以下のいずれかにあてはまる方で、運営の審査を通過した方
1.Radiotalkでの月間再生回数が10万再生以上
2.YouTubeのチャンネル登録者数が1万人以上
3.オンラインサロンの会員数が20人以上
4.ポッドキャストのランキングで50位以内に入ったことがある
5.あるSNSのフォロワー数やブログ購読者数が5000人以上
6.その他、配信について特筆すべきポイントがある
リスナーもそうした企画になれている人も多く、盛り上げのテンションと時間制限と相性がよければ、がっつりハマれる音声配信プラットフォームです。
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stand.fm
2019年からリリースされている音声配信アプリです。ポッドキャスト形式には対応していない独自形式の音声配信アプリです。しかし、いち早く収益化を発表し話題になるなど、注目の音声配信アプリです。
- PCアップロード 対応(スマホからのアップロードも対応)
- BGM機能あり
- 収録制限 記載なし
- 国産アプリ
- ライブ 対応(投げ銭も対応~最大10500円のギフト)※時間制限表記なし
- 収益化 投げ銭+再生回数などによる還元+メンバーシップ
- コメント機能 あり(ライブチャット・差し入れつきレターも)
- 市場性 社会人が多く、クラブハウスブームから流れてきた人も多い
- 予約投稿なし
- 限定公開URLにも対応
画面がホワイトを基調としたデザインで、スタイリッシュな印象から、社会人でおしゃれなライフスタイルを標榜する人も利用が多い印象です。Radiotalkとは明らかにリスナー層が異なります。
投げ銭はRadiotalkほどは飛びかいません。いっぽうでメンバーシップという月額サブスクを開設できるサービスがあり、誰でも利用できるため、一定のファンをもつインフルエンサーには稼ぎやすいプラットフォームになっています。
SPPというパートナープログラムの審査にとおれば、再生回数におうじた収益還元があります。ただ、Radiotalkのように具体的な資格は公開されていません。
stand.fmパートナープログラム(SPP)
https://help.stand.fm/spp
チャンネルのフォロワー数が1,000人以上を審査の目安として設けさせていただいております。
※審査基準は変更する可能性がございます
また、審査内容はフォロワー数だけでなく、発信しているコンテンツの内容なども考慮します。詳細の審査基準についてはお伝えできない点をご了承ください。
メンバーシップは、誰でも開設できるため、すでに多くの有料番組が登場しています。そして、個別に有料/無料の設定を予定しているなど、ビジネス的な収益の選択肢はもっとも充実している印象です。
- 月額料金は300円から1万円まで設定可能
- メンバー限定と誰でも聴ける配信と混在が可能
- 収録配信の途中から、メンバー限定にすることも可能
- 決済は外部のStripeを利用しているため導線はすこしわかりづらい
- 運営への手数料は30%+3.6%
- 配信ごとに有料/無料を設定可能予定
Radiotalkとことなり、運営はまったく企画など表にでてきません。いっぽうで限定公開URLがつかえたり、メンバー限定ライブが混在できたりと、ビジネス的につかう機能が充実していっているのが、stand.fmの最大の特徴です。
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まずは気軽にはじめて、配信200回をめざそう
クラブハウスブームが到来し、業界再編もすすんだ音声配信アプリ。2022年はいよいよ収益化による成功事例が多数でてくると目されています。
実際、YouTubeや他のプラットフォームでも、技術ができったあたりから、投稿者の成功事例が話題になりはじめるという流れは一般的です。今回の3プラットフォームはそれぞれ技術もリスナー層も収益化方法も異なるため、もうさすがに淘汰されることはないと見られています。
音声配信に興味がある人は、それぞれのアプリの配信者やライブの様子をみて、自分の配信内容に一番あいそうなプラットフォームで、はじめてみるのがおすすめです。
音声配信は気軽にはじめられ、長く続けることで、固定ファンができる稀有なメディアです。バズることはほとんどありませんが、じっくりと話を聞かせる、耳に直接話しかける関係を築ける媒体です。
じっくり取り組み、まずは配信200回を目指しましょう。そうしますと、配信スタイルやうけるネタもわかってきますし、ファンもついてきます。
200回!と聴くと、そんなに!と驚くかもしれません。
しかし、きれいな画像をとらなくてはいけない、動画をしっかりつくりこまなくてはいけない、というSNSとはことなり、サクッと移動中に10分雑談を収録配信。それでも、コンテンツになるのが音声配信なのです。リスナーもそうしたゆるさを受け入れる土壌があるのですよね。
ですので、ぜひみなさんも気軽に、音声配信をはじめてみませんか。