こちらのアンサー記事です。それなりの量をまとめてみて、思うところがありこちらも記事化しました。
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この記事の目次
教育はカオス
エンジニアの需要が高まるなか、エンジニア育成のアプローチが増えてきました。
あのまとめも、もうちょっとマトリックスとかビジュアルで整理されていると良かったのかもしれませんが、体力続かなかったです。すみません、ほんとカオスでした。。。
そして、正解がないだけにどんどんカオスになっていくわけですが、ただそこに教育の本質があったりします。
そもそも「教える」という行為は、教えれば教えるほど受動的な人ができてしまう、という自己矛盾をかかえています。
しかし、求める人材の多くはそうではなくて、自発的・能動的に動ける人のはずです。しかし、そうしますと、とにかく突き放して、自分でやれ・盗めとなり、当人もこれって教育してもらえてるの?的に感じることもあって「やっぱ辞めるわ」ともなりかねません。そうすると採用コスト分くらいは働いてもらってよ、などなどなるわけで、ほんと難しいです。
>>テクノロジーによって教育の新たな潮流を生み出す「EdTech」 | リクルートホールディングス – Recruit Holdings
継続が重視されるビジネス
・社会
・教える人
・教わる人
・教わる人を支援する人
教育はこの4者が絡みます。
支援する人は学生ならば親ということになります。つまり受講者とスポンサーが違うことも多いわけです。また、必要とするところと、教える人が一致しないケースも多く、または、その受け入れる側も社会のニーズをどれだけ汲み取れているのかも未知数です。
つまり、教育ってそれくらいファジーだし、実態のないものです。
ですから、たいていの場合、教育をビジネスにしようとすると資格検定という、わかりやすいラベリング市場に落ち着いちゃうのはよくある話です。ただ、それも毎回問題作ったり、不正対策したりと、そんなに儲かる話ではありません。継続をしている団体や教育機関や活動家の方々は、ほんと凄いなあと思うわけです。あのAppleでさえ、以下の資格のほかに、大手代理店と組んで資格検定やってたのですが、誰もしらないですよね。そんなものです。
教えるほうが、他の稼ぎが大きいとリターン少ないと思ったら、撤退してしまう。でも徹底されちゃったら、がんばって資格をとった人は浮かばれません。資格検定ほど継続が重要なビジネスってないわけで、ほんと難しいんですよね。
>>Apple – トレーニングと認定資格 – 認定資格の取得
ですので、どうしても慈善事業的な意味合いが強くなったり、英語や幼児教育といったところにおちつくわけです。
今求められている教材とは
能動的でチームで何かを生み出せる人。開発力がある人。そんな人材が求められいるとは思います。
>>経営日記: アメリカはカンニングOK!?子どもの未来を蝕む日本の義務教育
チームラボの猪子さんもチームでのパフォーマンスを上げる重要性について、言及しています。
教育はどうしても後追いで、とくに進歩の早いIT関連では、制度が整った頃にはもう陳腐化しはじめている、ということが少なくありません。とはいえ、JavaScriptやC言語など、基本的な教育コンテンツは揃いつつあります。また、情報も探しますと、かなりネット上に存在し、学べる環境も整いつつあります。
海外での教育については、本田選手も言及しています。
>>本田圭佑が語るグローバル教育「ずっと俺は変人扱いされてきた」 – NewsPicks
そういう点で、現在プログラミング学習で不足している教材は何かというと、プログラミングは教えられてもエンジニアリングはなかなか教えられない、ということかと感じます。
DBやフレームワークを構築して、その負荷テストや運用、そしてそれをチームで回していく、といった経験をつめる場や、教材が少ないのだと気づきます。
いっぽうで、そこが充実してくるころには、また異なる技術者が求められている、ということにもなっているでしょうから、まあそこが難しいわけですね。最先端の技術は、今も昔も、目で盗めとなりがちなのはそういうところかと思います。
個人のスキルであれば、ほんと動画があれば、普通に学べちゃいますよね。うちの2年生の子供も、YouTube見てふつうにこれ作ってました。
教育関連で気になる動きをまとめた
さて、「まなびちゃん」のほうでは、プログラミング学習に特化してまとめたのですが、こちらでは教育関連で気になる動きをまとめます。もともとはこちらも記事には含んでいたのですが、さすがにそうしますとあまりにもカオスなので、分けました。
注目していたコード系教育スタートアップのその後
かつていくつかの動きには注目していると記事に書きました。
>>スタートアップではないけれど、教育系の2つの動きに注目してる
>>“教育系”スタートアップというまとめについて思うこと |
その後はどうなったか。調べてみますとMakeSchoolはチュートリアルが充実していました。
話題提供こそあまり無いようですが、それでもチュートリアルは増えているようです。国内エンジニアの方にもちらほらと引用される記事を見ます。
>>Online Courses | Make School
ランサーズのほうは、とくに動きがないように感じます。ただ、コンテスト開催は結果が公開されており、参加者でなくともとても参考になります。
>>optとランサーズのコンテスト結果が出てた、デザインの勉強になるよ
Optとランサーズがスキルアップ支援を行うとリリースにはあったのですが、コンテスト終了後2ヶ月がたつ現在でも残念ながら、スキルテスト一覧は更新されていませんし、コンテンツ追加がどこかにされたということも報じられていません。
教育は利益に直結するビジネスではないことが多いため、どうしても後回しになりがちですが、今回もそうなのでしょうか?
コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法: 西尾 泰和: 本
コンテストは、その後、普及・促進活動自体を奨励し、教育するだけでなく環境整備も含め支援・奨励していくというスタンスを進めることで、技術や活動が広がっていきます。
>>ニュース – 第7回フクオカRuby大賞、子供向けプログラミング学習ツールが大賞に:ITpro
見切りは早いほうがいい。
>>「LINEキッズ」と「LINE KIDS動画」がサービス終了 | マイナビニュース
リアルの教育の場をめぐる動き
今まで講座や、eラーニング系は散見されましたが、いよいよリアルと絡めた動きまで広がってきました。
LINE系列の無料漫画アプリ。コンテツ獲得に一手。
>>目指せ公式作家――総合学園ヒューマンアカデミーでcomico公式作家を目標とした講座開設 – ITmedia eBook USER
サムライインキュベートやBASE、デジハリの教材資源活用など多数の思惑が一致。
>>デジハリが「世界を変えるギーク」養成学校を設立、卒業生には起業支援も – TechCrunch
CS向上とリソース確保の思惑が一致。
>>ランサーズとeマーケティング日本最大手のオプトが、 クラウドソーシング人材のスキルアップを目的に、クリエイティブ講座を開催|ランサーズ株式会社のプレスリリース
教育界では常識になりつつある反転学習をIT学習で初めて採用。
>>反転授業システムとは – TechAcademyの企業研修
海外でいろいろな動きがあるため、注目が集まるのかもしれません。
>>海外Webサービスのトリセツ(14):ゲーム感覚で開発を学べるオンライン学習サービス「Code Avengers(コードアベンジャーズ)」の使い方(1):登録編 – @IT
その他ネット上で気になったエントリー
時代の流れ。
>>「Google Code」、2016年1月25日に閉鎖へ GitHubへの移行を奨励 – ITmedia エンタープライズ
受験科目化するべき、というのは同感ですね。
>>はてなブックマーク – プログラミング教育を強化した国で何が起きているのか?世界の教育事情 – paiza開発日誌
教育ってビジネスになりにくいので、政府や自治体などがどう考えるかがすごく重要。
>>プログラミング教育を強化した国で何が起きているのか?世界の教育事情 – paiza開発日誌
そもそもどこまで教育すべきか、という視点。
こちらもそもそもどこまで教育するか論。ホリエモンも、面接で見抜く人材について、すごくわかりやすく指摘してます。
>>「面接官ではなく、求職者の好き嫌いを大切に!」― 優秀な人材の採用に必要な新時代の採用基準とは? | ホリエモンドットコム
職人の世界は見て盗め。
>>「仕事は盗め」「体で覚えろ」なぜ職人は言葉で教えないのか? 桶職人が説く、“手で語る”ことの重要性 | ログミー[o_O]
ソフトバンクは大学だけでなベネッセと合弁会社設立へ。
>>ソフトバンクとベネッセがタッグを組んだ「Classi」って何? – BIGLOBEニュース
大学の学生募集を支援。
>>通信教育課程のリデザインを目指すーースクーが全国10大学と提携し授業の無料配信を開始 – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
一般の通信教育界は、タブレットなどICT活用が盛り上がってます。
>>ASCII.jp:こんなに変わったタブレット教育市場まとめ|週刊デジタルマーケティング最前線 by D2Cスマイル
ちなみに、一般の通信講座ですと、こちらが老舗です。コンテンツや企画力が重要と教えてくれます。
>>道場コース:書道を学びたい人、教えたい人の総合サイト [ 空海 ]
人材獲得、という点ではそもそも日本自体プログラマの報酬が低いので難しい??
>>「アメリカのプログラマの給料が高い」は本当か? – NomoLog
海外でもプログラミング学習の必要性が叫ばれている
オバマ大統領のコンピュータ教育の必要性。
>>President Obama asks America to learn computer science – YouTube
スティーブ・ジョブズ氏の動画。
>>映画「スティーブ・ジョブズ 1995~失われたインタビュー~ 」特別映像 – YouTube
世界的な流れ。
>>プログラミング必修化への流れが加速?海外IT教育の取り組みまとめ | TechAcademyマガジン
まとめ記事。
>>【初心者も安心!】社会人でも通いやすいプログラミングスクール13選 | Code部
レディネス~発達過程により最適な課題は異なる
さて、私が10年以上にわたる教育実績や学会での発表などから考えますところ、基礎を体得するには、ステージごとに次の環境が重要です。
ここで重要なのは、何をもって基礎スキルとするかというカリキュラムです。ここが最も重要です。ここでこけると先にイケマセン。
教育ビジネスのカリキュラムについては、よくヘルプや、公開されたドキュメントの焼き直しを見ますが、それだけではなかなか難しく、どちらかというとどんな課題を用意するかのほうがじつは重要です。書道や武道など、歴史のあるジャンルには、たいてい到達度をはかる定番の課題があるものです。プログラミング学習でも、今回、そのあたりが不足しているのでは、と思った次第です。
それもいわゆる言語学習では定番の課題(Twitterボットや掲示板など)が見受けられ、それがインターン生などに向けて展開されていたことからも喜ばしいことかと思います。いっぽうで、DBや運用といった課題の不足を強く感じるところとなりました。
しかし、それを学ぶために、そもそもの基礎知識も必要で、次のステージに行っても投資が無駄になる可能性が高いとなり、レディネスという考え方が重要になります。何がないと次のステージで失敗するのかを踏まえたカリキュラムにしないと、いくら伝えてもダメなのです。
・基礎知識と基礎スキル
・実践を想定した課題やトレーニング
・コミュニティ
基礎を終えて実践にうつった人が、より成長するためには次の3つが必要です。
・メンター
・お金
・目標
目標を目指してがんばる、そして的確なアドバイスがもらえる、また専念できるための資金が必要で、それらが揃えられるところがだんだんと強くなっていく、という感じかと思います。とはいえ、まれにスターが登場したり世の中が変わったりして、いっきに形成が逆転することもあるので、難しいところです。
教育コンテンツも課題を作る人材も少ない
何をもって教育コンテンツ、と呼ぶのか次第ではありますけど。
これは昔からそうなのですが、教育コンテンツを作れる人は、世の中にそう多くいません。まして、体系だててロジカルに章立てをしてコンテンツを構成するとなると、ごく限られた人材しかいません。まして、練習問題をつくろうとすると、問題という消費物を解説付きで安定供給する、となりますと難易度が増してきます。
英語などパイの大きいジャンルならまだしも、ネットマーケティングという狭いジャンルにおいては、限られた人材しかいないのが現状です。
さらにその教育コンテンツも属人的なところが非常に大きいです。
ドットインストールの田口さん、動画マニュアル.comの川崎さん、カーン・アカデミーのカーンさん、圧倒的な教材料で人気を博している著名人ばかりですが、教育をビジネスにしていこうというときには、こういうモンスター級にプロジェクトを邁進していくパワーが必要です。
いまや受験問題でさえ予備校が制作する時代です。とくに、成長の鍵となる課題作成は骨の折れる作業です(正解が正解でないといけない)が、そこをどうするのかという議論をせずに教育ビジネスに足を踏み出すと痛い目に合うわけです。
教育コンテンツを生み出すパワーの源泉
その馬力の源泉は、将来の見返りという希望がある、本人が大好きだ、という属人的なところも小さくありません。
少ない報酬で、かつ著作権買い取りで、高度なノウハウなど提供されるはずがありません。その場ではわかったという気になる程度のものでしょう。とにかく個人によるところが大きいのです。
現場を支えるコンテンツ提供者やメンターにしっかりしたインセンティブがあり、そして受講する側もその後の将来が見えてくるような、とくにネットマーケティングというジャンルにおいて、その教育コンテンツを作れる人はじつは世界的にもごくわずかです。
おそらく、今即戦力として必要とされているプログラミング能力として、以下が期待されていると思われます(マネタイズはおそらくビジネスレイヤーで別に考えることが多いと思いますので)。
1.プログラムの基礎(変数、配列、条件分岐、ループなど)<<これはだいぶ充実。
2.DBの扱い(SQLやフレームワーク)
3.運用やセキュリティ(スケール、バグ、リーダブル、セキュア)
たぶん、「こういうサービスを作って、こんだけスケールさせてきたっす!」という人がいたら、ギャラ次第で即採用かと思います。しかし、1はカリキュラムなども充実しているのですが、2や3は少ないのが現状と今回わかりました。
そういう意味では、2と3が、教育環境が乏しいという認知が広がることが、現状は重要かなと思います。難しいとわかれば、教育するのかしないのか、というそもそも論で思考が巡らせられますから。
いっぽうで、2.3.について、情報が不足して人材が少ないからこそ、ビジネスがなりたっているとも言えるかもしれませんね。
「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学 電子書籍: 天外伺朗: Kindle
すでに義務教育には盛り込まれている
さて、そういう点では、(1)の言語学習自体は、義務教育にも登場しています。
>>子どもがプログラミングを勉強する時代!最新トレンドまとめ | TechAcademyマガジン
2012年からすでに学習指導要領に盛り込まれています。しかし、その中身は「簡単なプログラムが作成できること」とあり、前述のようなサービスやセキュアなことは含まれていませんところには注意しましょう。
>>中学の技術・家庭科で「ビジュアルプログラミング」を導入 :日本経済新聞
半導体が処理するそのお作法については、ある程度環境は整っています。
しかし、現在必要とされているものは、それよりもさらに上位のことです。DBの扱いフレームワーク、サービス運用です。それらは教育環境を整えることも難しく、今後の課題といえます。
教育コストを誰が負担するのか
甘やかすわけではありませんが、教育内容がどんなに整備されても現場に学ぶ時間がなければ、負担を強いるだけで、逆効果です。
そのコストをどう工面するのかが、各社の課題なわけですが、現状はユーザーが負担してのかと思います。ただ、それは個人の価値を高めるという点で、勉強会や情報収集能力が個人の報酬を上げるといったモチベーションになっているわけで、教育制度が整ってしまうとその価値も薄れるため、そこも難しいところではあります。
さて、現代の教育界では発達や成長には輻輳説という考え方が一般的です。
かつては、遺伝による説や環境による説などさまざまな説が議論されてきました。が、現代ではその両方が重要ということで落ち着いています。ある程度の素質とそれをどう伸ばすのかという環境です。ただ、それをどうお金に変えていくのか、成果として成功を目指すのかは、別な次元の話なわけで、そこがビジネスとしては興味深いところです。輻輳説だけを唱えるのであれば、じゃあやっぱり素質がまずは重要じゃん、ということになりかねませんから。
成功を納めるには必ずしもそれが絶対でないことがわかります。つまり超一流にならずとも成功はおさめられるということです。
ビルゲイツがビジネスの力量によって富を得たことはとても有名です。もちろん、BASIC言語の開発など功績もありますが、その富となるターニングポイントはMS-DOSの成功です。BASICの売り込みの頃から、彼は現代では一般的となった「ライセンス契約」にこだわって製品を売り込んでいきました。その成果が今の富を築いています。
見せ方ひとつで世界でも勝てる (角川書店単行本) : 蛯名 健一: Kindle
こちらのダンサーの方も、著書で2流だから優勝できた、といっています。知恵と工夫で成功を勝ち取ることもできると勇気づけられます。
完璧な方法は存在しません。ですから、経営者や私たちが教育というツールをどう使いこなしていくのか次第といえます。だからこそ教育は過度な期待をするものでもありませんし、ファジーなものだとも言えるのかと思います。
中間ゾーンの下位から上位に引き上げるときに教育って一番パフォマーンが良いんですよね。
【ソニーミュージック課題曲オーディション】挑戦!miwa”君に出会えたから”LIVE DAM 精密採点DX得点法 – YouTube
ほんとうに終わり、のあとがき
さて、いかがでしたでしょうか。
今回のまとめで、「これ何でないの!!!」的なものございましたら、ぜひタイムラインなどで教えていただけると嬉しいです。ネガコメは基本打たれ弱いですが、ご意見などは嬉しいですのでぜひよろしくお願い致します。
ほんとうに最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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