興味深い動きですよ。
この記事の目次
教育とITって新しくないけれど
eラーニングとか言われはじめたころから、まあ教育にITマネーが流れることが、流行っては廃れといろいろな趨勢があったわけです。
ただ、いまだにスケールしているものがあるかというと、そんなことはなく、AppleのiTunesUだって、すごく儲かってるかというと、そんな話は聞かないわけで、教育とITで儲ける、という話を聞くといつも冷めて聞いていたものです。
そんななかで、最近になって興味深いニュースが続けざまに飛び込んできました。
>>卒業生をGoogleやフェースブックへ送り込むプログラミングスクールMakeSchool : 黄金の鐘を鳴らせ
>>Business Media 誠:ランサーズとeマーケティング日本最大手のオプトが、 クラウドソーシング人材のスキルアップを目的に、クリエイティブ講座を開催
共通しているのは、どちらも出口がIT大手というところ。
生徒はいつか卒業する
教育とビジネスをつなごうとしている人が欠けている視点がこれなんですね。
そもそも教育は、良い教育をすればするほど生徒は成長して独り立ちしていく=学費をもらえなくなる、という矛盾をはらんでいます。
似たような市場でダイエット市場があります。ダイエットが失敗した人が市場を支えてるんですね、ですから、いつも新しいダイエット方法が出ては消えていく。
教育って、社会にはなくてはならないものなので、お金がたくさんある人がたいてい言及してくるジャンルなんですけど、そんな甘くないんですよ。しかも、スケールさせるには、バブルの頃の大学受験みたいに、受験料何万ももらって、20倍や50倍もの人間を落とす、なんてやり方もありましたが、それはもう昔の話。
労働集約型の典型じゃないですかね、しかもいつかその相手は卒業していく。
教育をスケールさせる基本戦略
ですから、教育でビジネスを拡大するには、いくつかのステップがあります。
まずは、入口と出口をしっかり設計する
安定的に入学者を確保できる仕組みと、卒業生がしっかりそれを役立てる道があること。安定して広告を出せる潤沢な資金があれば別ですけど、そうでない場合は口コミや確実に目に見える成果が約束されていることが口コミにつながります。
とはいえ、教育というのは人によって受ける価値観や先生との相性などがありますから、正解がない。ですから、資格がビジネスとしては成立しやすいんですけど、問題作成や採点などの厳密性を担保しようと思うととんでもなくコストかかります。
ですから、教育ビジネスの基本は、卒業生が広告塔になってくれることが一番です。そういう意味で、入り口と出口の設計なしにはまずは続かないでしょう。その点、前述の2つは注目したいですね。
つぎに、そのブランドを活かしてスケールさせる
卒業生が増えてきますとここでブランドが生きる局面になります。
教育機関というのは今でもやはり「聖職」というイメージは強いと思います。まして、政府からの助成金などの対象になっていれば、それなりに認められた機関として信用度も上がりやすいでしょう。
そのブランドを活かして、スケールしやすいビジネスを展開していきます。出版や認定講座、商品開発などなど。いずれその商品が生徒を読んでくるようになるとしめたものです。身近な例で言いますと、近大マグロとか有名ですね。
>>近大マグロ料理 近畿大学水産研究所(大阪梅田グランフロント、銀座)-株式会社ダイナック
教育とITはそんなに相性は良くない
というように、IT化によってスケールさせられる部分が、教育には極端に少ないです。というか、そもそも教育と一括りに見る時点で甘いわけです。
海外でも、プログラミング教育や数学教育など、ITと相性が良い科目は「通信教育の代替」としては、実績が出始めているようです。
国内でもコードアカデミーという学校も出来てますね。
でも、これって別にeラーニングとかでなくて、コードを教えるという学校なわけで、仕組みとしては旧態依然のものです。ただたまたまそういう学校が無かったというだけで、おそらくはそんなにパイは大きくないと思います。ちゃんと教育機関として普通に運営して、結果はまだこれからじゃないですかね。
追記 2015年4月21日 コードアカデミーにPepperくんも来たみたいですね。
ソフトバンクは大学も作ったし、社長講座もやってるし
ソフトバンクが大学を作っています。孫さんの社長を育てるプロジェクトもありますよね。
>>通信制大学 | サイバー大学 | オンラインでITとビジネスを学び、大学卒業資格(学士号)を取得できる
たぶん、どちらも今、それほど話題の上がっていないと思います。継続されていますので、それなりにペイはしているとは思いますが、それでも立ち上げた当初よりは聞かないのでは。というか、そもそも知らなかった人も多いのでは。
でもそれって、やっぱり卒業生にスターが出てないと、なんですよね。卒業生に凄い人が出ないと、やっぱり注目されないんですよね。もしくは、その部活が大会で優勝するとか。
ソフトバンクアカデミア卒の社長さんが、世界規模でスケールさせたような事例が出れば、たぶん注目されると思うのですが、まだそういう話は聞いたことがないです。私だけかな。
そもそも教育なんて必要あるの?
スキルの高い方ほどそんな疑問を持つ方も多いと思います。とくにIT業界やデザインなど、センスが必要なジャンルでは、そもそも教育なんて出来るの?という。
たぶん、エジソンとかジョブズみたいな天才には教育よりは環境のほうが大事だと思います。
教育でもっとも効果があるのは、あと一段階段を登りたいけど登れない、そんな生真面目な人です。ちょっとの後押しで成果がでます。もしくはいわゆる恩師というような人に出会うと、ぐんと伸びます。そういう人たちがもっとも教育に向いています。
教育とは、そもそも矛盾した活動で、教えれば教えるほど受動的な人になります。でも、独り立ちって受動的じゃなく、能動的なことですよね。それには環境が重要で、たとえば120%くらいの実力差の試合や大会を組む、とか。がんばろうという気になって、自分でちゃんと考えてもらって、試行錯誤してもらう、ということ。この両輪が必要です。それなしには、卒業生も何もあったものではありません。
予備校なんてぶっ潰そうぜ。 (集英社ビジネス書) 電子書籍: 花房孟胤: Kindleストア
というわけで注目しています
というわけで、出口と入り口という点で、前述の2つのニュースはうまくいっている(うまくいく)と思っています。
あとは、教えることと、育てることのバランスやマネージメントが、どこまで機能するか。そして、その後仕組みが安定化するか、最後にそれをスケールさせる一手を打てるか、というところに注目します。
そもそも教育で大化けというのがないでしょうけどもw、社会の仕組みとして何か新しく期待させるものになってくれるといいなあと思うわけです。
まあ大方は、学校のこととか、あまり興味ないと思いますけど、なんか熱く語りました。
でも、あのアップルも電通と組んで日本で資格検定とかはじめましたけど、今は誰も知らないですよね。ひっそりとフェードアウトしましたが、そんなもんなんですよ。
何か教育関連でご興味ある方は、お気軽にお問い合わせください。戦略的なお話をさせていただきますね。
追記 2014/12/19 manaveeという大学受験特化の動画サイトもありました。すでに9800もの動画がアップされ、学生がすべてボランティアでやっているというサイトです。いやはや教育も含めコンテンツはとにかく無料化に流れますね。
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