クリエイター向けのサブスクプラットフォームのPatreonが、世界中のクリエイターに大規模な調査を行いました。1万を越える回答からは、クリエイターのサブスクの世界的な動向が見えてきました。より高収益を上げているアカウントに共通していることとは・・・。
この記事の目次
全世界のクリエイターに大規模なサブスク調査
>>Patreonの第1回クリエイター調査 | Patreon Blog
パトレオンは世界でもっとも成功しているクリエイター向けのパトロンサイトです。登録したクリエイターは、ファンにむけて有料サブスクを提供できます。
パトレオンはその提供できる特典やメニューや機能などが、とても充実しています。それらの利用状況の実態を、今回はじめて大規模に調査したとのこと。
世界のクリエイターエコノミーの現状
動画クリエイターがもっとも多い
パトレオンでもっとも多いクリエイターは、動画クリエイターだそうです。
それもそのはず、パトレオンが誕生したのは2013年で、YouTubeのメンバーシップは、それより4年も遅れた2017年から開始しています。その間、多くのユーチューバーは、パトレオンを使い、サブスク収益を得ることに成功していたのでした。
その流れがあり、パトレオンではセレブ感のただようクリエイターが集う場所になったのでした。
動画クリエイター以降は、あまり差がなく、ライター、ポッドキャスター、デザイナーという順番で多いそうです。
地域別では、北米がだんとつに多いのですが、ついでヨーロッパ、アジア、南米とつづきます。アジアでも利用は多いのですね。対応通貨と相関がありそうですね。はやく日本円に対応してほしいです。
- オーストラリア ドル
- カナダ ドル
- シンガポール ドル
- スウェーデン・クローナ
- チェコ・コルナ
- デンマーク・クローネ
- ニュージーランド ドル
- ノルウェー・クローネ
- ハンガリー・フォリント
- ポーランド・ズロティ
- ユーロ
- 英国ポンド
- 香港ドル
- 米ドル
ジャンルによって集客経路が異なる
集客については、世界と日本とですこし事情が異なるようです。
ビデオやASMRのクリエイターの50%以上、オーディオや音楽のクリエイターの30%以上が、YouTubeからスタートしました。
ゲームやゲームのMODは、Twitter(18%)とDiscord(17%)でフォロワーを増やしています。
ポッドキャスターは、Facebook(17%)、ポッドキャストネットワーク(16%)、Twitter(16%)からスタートしました。
ビジュアルアーティストは、DeviantArt(21%)とTwitter(19%)を通じてオーディエンスを見つけました。
ライターを始めたきっかけは、Facebook(19%)、Twitter(17%)、および自身のウェブサイト(14%)が最も多いです。
海外ではDiscordやRedditといった掲示板がとてもはやっていて、そこからクリエイターを知る、ということが多いようです。
日本ですとTwitterの拡散やバズで知ることが多いかもしれませんが、海外では掲示板やFacebookの存在感が大きそうですね。意外と、Instagramがないことが不思議な感じがしますね。Instagramはそこで終わってしまうファンが多い、ということなのでしょうか。
パトロン特典は、限定コンテンツや先行配信が多い
特典では、たんじゅんな支援というものが一番多いのですが、ついで、限定コンテンツや先行配信が多いです。
これはやはり、パトレオンでは投稿タイプにさまざまなものがあり、動画や音声も対応している点は大きいと思われます。
とくに、動画や音声を、YouTubeをつかわずに、プラットフォーム内でできれば、限定コンテンツとして適正に管理ができます。これも、もっともコストがかかる動画投稿において、もっとも多くの動画クリエイターが登録していて、資金もしっかりまわっている、という点が影響しています。
動画プラットフォームはとにかくコストがかかりますので、そうそう先行投資はできません。しかし、パトレオンでは多くの収益化クリエイターが動画クリエイターでしたので、必然といえば必然だったのでしょう。
それ以外の特典としては、月に一回の物理的なグッズ提供、教育、デジタルノベルティ、投票権、限定掲示板の参加、コンテンツ内での読み上げ広告などがあります。
日本の本格上陸が期待される
すでに、日本語対応はしていますが、日本円に対応していません。このあたりは、税金の処理とも絡むためか、未実装です。ただ、日本語化をしているというところでは、きっと対応してくれるはずです。
パトロンサイトは、引っ越しがなかなか難しいため、乗り換えをしたくないと思っているクリエイターも多いと思います。
一日も早く日本円に対応し、日本のクリエイターエコノミー界にも、新しい風をふかせてほしいですね。