消費者庁が新見解!クリエイター寄りの解釈に変更へ。どんな業者から買うのかを明らかにする出品者情報の軽減でストーカー被害を防げるか。その影響とクリエイターが備えること。

2021年10月1日に、クリエイターエコノミー協会が、消費者庁や経産省と協議した、特商法表記の新解釈を発表しました。クリエイターは条件を満たせば、個人情報をさらすリスクを減らせるとのこと。その詳細と影響を深堀りしてみます。

特商法表記の新解釈とは

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Photo:license by usdol

クリエイターエコノミー協会は、以下の企業を幹事として2021年に発足した団体です。おもに、個人がネットで売買することを後押ししたい企業や団体が集まっています。

  • BASE株式会社
  • note株式会社
  • UUUM株式会社
  • 株式会社CAMPFIRE
  • 株式会社Voicy
  • 株式会社ココナラ
  • 株式会社マネーフォワード

※上記3社は代表理事。

そのクリエイターエコノミー協会が2021年10月1日に、特商法表記の新解釈について発表をしました。

>>プラットフォームで個人が売買する際の特定商取引法の運用に関する消費者庁の見解について|クリエイターエコノミー協会

プラットフォームが一定の条件を満たせば、その利用者は「特定商取引法に基づく表記」においてプラットフォームの住所や電話番号を記載する運用で問題がない

特商法の表記とはなんなのか

これが、画期的なのは、かつては消費者保護の背景から成立した特商法表記から、どんな業者から買うのかを購入者に明確にしなければなりませんでした。

いっぽうで、それは、個人が個人情報をさらすことになり、クリエイターがネットで商活動を行う障壁になっていました。また、個人情報をさらしたクリエイターが、ストーカー被害にあうという事件に発展するケースまでありました。

そこで、今回政府側は、プラットフォーマーの負担を重くすることで、活動しやすくしつつ、参入障壁を下げようという狙いがあります。

特商法とは、消費者がネット事業者の素性を知ったり、困ったことがあれば連絡先がわかったりする、という消費者保護の観点から、事業者は個人情報(担当者)や企業情報を明かすことを必須とした、法律です。かつて、ネット通販が黎明期だったころ、悪質なサイトが増えたことで、制定にまでいたりました。

それを、今回、クリエイターエコノミー協会の働きかけにより、政府がクリエイター寄りの解釈へと変わった、ということです。

クリエイターエコノミー協会加入の企業はプラットフォーマーも多いですので、負担が増えることは大変ながらも、クリエイターが増えることのほうのメリットのほうが大きいという判断なのかと思われます。

新解釈のポイント

旧:氏名・住所・電話番号を表記する

新:氏名のみでよい ※条件付き

売買契約にあたっては当事者を明らかにするため、戸籍上の氏名や商業登記簿に記載された商号の記載が必要です。

かつては、ネットで売買するためには、個人情報をさらさなくてはいけなかったところを、氏名だけでよいという解釈へ変わりました。

また、住所と電話番号は、以下の条件を満たせば、プラットフォームのそれでよい、とされました。

  1. 取引がプラットフォーム内で行われている
  2. 個人とプラットフォームで、プラットフォームを連絡先としてよい、という同意が取れている
  3. プラットフォームが個人へすぐに連絡がとれる

(1)は、minneなどプラットフォーム内で完結しているでしょうから、問題はない。(3)も、いわゆる本人確認や携帯登録必須のところもあるので、まあこれまでと同様かと。

あとは、(2)でお互いそういう同意がとれているか、という点では、この発表をうけて、プラットフォームが体制を整えていればよいですが、そうでない場合、クリエイターが勝手に、プラットフォームの住所と電話番号を書いてしまうと、トラブルになるケースもありえると思います。

クリエイターは今一度、プラットフォームに、特商法記載の詳細を確認するのがよいと思われます。

新解釈によって考えられる影響

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Photo:license by au_unistphotostream

クリエイターにとっての影響

クリエイターは、氏名こそ公開する必要はありますが、住所と電話番号はプラットフォームのものでよくなります。ですので、別のSNSやネットで個人名で活動していないかぎり、ストーカー被害のリスクを減らせることが期待できます。

ただし、前述の条件を満たす必要がありますので、本人確認などがされなかったプラットフォームでは、審査などが厳しくなる可能性は考えられます。

また、プラットフォームは連絡窓口になる、というだけで実際の責任は負いません。ですので、顧客対応はクリエイターというのは変わりません。

ただ、買う側が慎重になる懸念はありますので、これまで以上に、SNSでの情報発信をして判断材料を増やしておくことが、買いやすさにつながっていくはずです。

プラットフォームからの連絡スキーム見直しなどの通知がはいる可能性もありますので、今まで以上に、プラットフォームからの連絡をチェックしましょう。

また、参入のハードルが下がりますので、競争が激化する可能性はありますので、競争に耐えられるブランド化や顧客リストの拡充や、既存顧客へのサービス向上など、備えておく必要があるでしょう。

プラットフォーム側の影響

プラットフォームは確実に負担が増えます。本人と連絡が取れることを確認し、窓口となるスキームを構築する必要があります。

いっぽうで、連絡の橋渡しをすれば、処理はクリエイターということなので、責任の範囲についてはこれまでと同様でよいかと思います。

窓口としてのスキームはどこまで必要なのか、という情報収集をして探っていく必要はあります。

買う側への影響

買う側にとっては、クリエイターの素性がわかりにくくなります。ですので、これまで以上に、クリエイターのSNSでの活動や発言をチェックして、大丈夫な業者かを確認する必要があります。

また、窓口をプラットフォームにするクリエイターが増える見込みですので、なにかトラブルがあれば問い合わせに1手間かかる、というのは覚悟しておく必要があるでしょう。

今後の影響

>>【ニュースの深層】110〈特商法運用で消費者庁が新見解〉 「モールの連絡先表記」可で出品審査厳格化も | 日本流通産業新聞

政府としては、今回の新解釈で、トラブルを防ぎつつも経済を活性化させたい、という目論見がありますので、多くのプラットフォーマーに広げていくことが見込まれます。

プラットフォームの種類についても、(1)アマゾンのような「出品型」(2)楽天市場のような「出店型」(3)メルカリのような「CtoC型」─のいずれについても対象になるとしている。

ということなので、どのプラットフォームでも、クリエイターの参入が促進される可能性があります。

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