話題の新興SNSマストドン。SEO界隈にも影響のある話かもしれません。マストドンとSEOの関係について調べたことを共有します。
こんにちは、マーケ大好きカグア!です。
SEOの知識はかなり古いですので、間違っているところなどあるかもしれませんが、そのさいはご指摘いただけると幸いです。なお本記事は2017年4月30日時点での情報です。
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この記事の目次
マストドンとは
マストドンとは新興SNS
ドイツ人学生のオイゲン・ロッコさんが開発されたSNSです。Twitterライクな画面と投稿方法で、誰でもすぐに馴染む使い勝手が人気です。
QiitaやはてブなどでもMastodonタグが盛り上がりをみせています。
>>mastodonに関する122件の投稿 – Qiita
>>タグ「mastodon」を検索(人気順) – はてなブックマーク
はてブに至ってはこの数週間で1000超えの記事が4つも出るほどです。
オープンソースで開発が進められ、GitHubで日々アップデートが公開されています。
AGPLライセンスですので、商用でも問題なく使えます。いっぽうで、改変なども自由ですが、たとえばGitHubなどでソースコドードを公開し、改変後は誰でも使えるように、また誰でも自由に使える権利を継承することが求められます。
ですので、先行してインスタンス(サーバー)をオープンさせたピクシブやドワンゴも、GitHubでソースを公開しています。
マストドンとSEO
マストドンで投稿された投稿(トゥートといいます)は、Googleにクロールされています。
国内最大級のユーザー数を誇るインスタンスであるmstdn.jpをGoogleでサイト内検索してみますと、以下のようにすでに約 323,000 件が対象となっています。
いわゆる放送禁止用語なども拾ってきていますので、いずれ調整がかかるのかとは思いますが、
マストドンの投稿はインデックスされます。
マストドンではユーザー登録時に会員制サイトのような雰囲気を醸し出しているので、あたかも投稿はクローズっぽく感じるのですが、公開投稿であれば普通にインデックスされます。
これは、わたしがマストドンで呟いたとき、フォロワーの皆さんが結構驚かれていたので、この記事でも言っておきますね。マストドンの投稿はインデックスされます。会員制サイトのような様相だからといって安心して、普段つぶやかないようなワードを投稿しまくると黒歴史になること確実です。気をつけましょう。
ですので、すでにマストドンの投稿をTwitterカードのように埋め込むプラグインも登場しているようです。
>>マストドンのトゥートをブログに埋め込むWordPressプラグイン「Mastodon Embed」【Mastodon】 | なかヨッシーのひまつぶし
現状ではTwitterのサイト内検索ヒット数 約 1,180,000,000 件 に匹敵する勢いを感じます。
マストドンのライセンス
マストドンはAGPLというライセンスで運用されています。
>>Affero General Public License – Wikipedia
わかりやすく言いますと、こうです。
- 商用利用OK、改変してもいいよ、無料だよ
- でも、そのソースは誰でも利用できるようにしてね
- そして、そのソースも誰でも自由に使えるようにしてね
WordPressのGPLに似ていますが、改変した場合は公開して誰でも使えるようにしつつ、相手へも自由に使って良いと継承して、制限をかけてはいけない、というものです。
マストドンでは、AGPLを採用することで、多くのユーザーを有するサービスとしての開発の透明性を上げています。
したがって、公開し権利を限定しなければ、改変して商用無料利用も可能といえます。
マストドンのクロール対応
1つ1つの投稿
ストリームを逐一拾ってきます。実際の投稿の1つ1つに以下のようにURLが割り当てられます。このあたりはTwitterとよく似ています。
ここでもrobotに関する記述はありませんが、OGPが設定されています。Facebookデバッガーでスクレイピングしてみますと、しっかり表示されます。articleという扱いです。
robotに関する記述
URLで直接たたいてみました。robot.txtは見つかりません。
じつは本家マストドンのソースコードを見てもrobotに関する記述は見つからないのでした。
>>GitHub – tootsuite/mastodon: A GNU Social-compatible microblogging server
つまり、記述はないけれどdenyもしていない、となりクロール対象になるものと思われ、前述のサイト内検索の結果と合致します。
ちなみに国内最大級のインスンタンスmstdn.jpを、ahrefで被リンクを見てみますと、急上昇中です。
リンクはnofollow
ソースコードを見てみますと、Aタグには”nofollow”属性が付与されているようです。
>>MastodonでSEOに有益なリンクを稼ごうとしておそらく上手くいかなかった件 – 非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究
記事中ではコードを改変して”nofollow”はずしには成功しています。しかし、ブーストされる先のインスタンスで”nofollow”属性が付与されるという指摘で締めくくられています。
PCブラウザ版メイン画面
マストドンでは、OStatusというプロトコルを使っています。ですので、以下のメイン画面においてはソースコードは数十行ととてもシンプルで、robotに関するメタタグなどの記述は存在しません。
マストドンSEO
マストドンでヒットするページ
ここまで書くと、なんだTwitterと変わらないじゃん、そんなのがSEOに影響あるの?と思われるかもしれません。
しかし、このような検索結果を見つけました。マストドンの投稿が上位表示されました。各投稿のページです。
Chromeのシークレットウィンドウ、firefoxのプライベートウィンドウでも検索してみましたが、上位に出てきます。
テーマが関連性があるのだから、Googleがそのドメインをそのテーマと関連付けているのだろう、と想像がつきます。
ハッシュタグページのインデックス
Firefoxのプライベートウィンドウで「マストドンあるある」と検索しますと、マストドンでハッシュタグ投稿されたページがいっせいにヒットします。
実際のページはこのような、ハッシュタグ投稿ページがヒットします。
>>#mastodonニュース – mstdn.jp
そして、ハッシュ無しでも特定のワードを投稿に含ませれば、ほぼまとめページのような形でヒットする状況でした。ただ、この記事を書いている最中でも、記事が出たり出なかったりはしていました。
この状況が今後どうなるかはわかりませんが、Mastodonでハッシュタグをまとめページのタイトルのように投稿することで、インスタンスのドメインごとのパワーの差異はあるでしょうけども、Togetterのようなまとめページと似た効果を出せる可能性があるのではと思いました。
マストドンのリファラ
ちなみにですが、多くのマストドンのインスンタンスは、httpsで運営されています。また、アプリからの着地も多くdirectが多くなります。
ただ、サイトをhttps化しておけば、以下のようにどのインスタンスからアクセスがあったのか分かるようになります。
未知のインスタンスを見つけた時、利用ユーザーのクラスタがはっきりしていますと、広告出稿先として興味深く映るかもしれません。
その他SNSのインデックス状況
マストドン以外のハッシュタグページは、どのようになっているのか調べました。ただ、いずれも運営側の管理下という制約があり、運営方針が変わればそれに従うことになります。
Twitterもハッシュタグ検索結果ページがヒットします。リンクは”nofollow”です。※画像はサイト内検索での表示ですが、絞り込まなくとも前述のキーワードですと私の環境では4番目にハッシュタグ検索ページが出ました。
ヒットはするのですが「Facebook検索」などと入れないと、ほぼヒットしないため見つけるのは容易ではありません。ちなみに、”nofollow”です。
Instagramは比較的検索でも見つけやすい印象ですが、そもそもコメント欄のURLはリンクになりません。
他の主要SNSと比較しても、マストドンのインデックス状況は、オープンソースで自由に改変できることなども含めますと、異なる存在と言えそうです。
Mastodon考察
ソースが改変できるSNS
今後、インスタンスの管理者がGoogleアナリティクスなどを仕込み、人気のハッシュタグを集計することは可能は可能です。ハッシュタグページを管理者が定期的に投稿して、誘導することも理論的には可能です。
>>マストドンにGoogle Analyticsを導入する – Qiita
※マストドンの設計思想としては「no tracking」です。
>>mastodon/en.yml at v1.3.1 · tootsuite/mastodon · GitHub
マストドンはオープンソースで開発されフリーで利用できますので、公開や継承のライセンスは発生しますが、独自に改造しSEOにむけたある程度のチューニングが可能です。
Twitter、Facebook、Instagramが中央集中型でソースコードは改変できないのに対して、保守のコストはかかりますが、改変できることに魅力を感じることができれば、新たな媒体として魅力的に映るかもしれません。すでに、インスタンスを立ち上げるノウハウも、すでに出回っておりだいぶ敷居も下がってきました。
すでに、インスタンスをホスティングしてくれるサービスも立ち上がりはじめています。また、クラウドソーシングでもインスタンス構築をスキルセットとかくフリーランスが登場しています。
>>専用サーバー 雷禅とマストドン – わいにじ
>>月額5ユーロから。手軽にマストドンのインスタンスが建てられる「Masto.Host」がついに登場 | TeraDas-テラダス
これらのことから、競合がSEOを意識してインスタンスを立ち上げることもあるかもしれません。
クローラーの負荷の増加
いっぽうクローラーへの負担が増えることは懸念されます。もちろん、TwitterなどSNSが出始めた頃からGoogleなど検索エンジンは、直面はしていたこととは思います。ですので釈迦に説法だとは思います。
しかし、マストドンの増加ペースはこれまでとはことなる増加ペースかもしれません。
本家マストドンのGitHubからリンクされています世界のインスタンス数調査サイトです。ここで日々の増減をチェックできますが、増加の一途を辿っています。
>>Mastodon instances
デイリーで約50づつ増加するペースです。このままですと2018年には2万ものインスタンスが立ち上がることとなり、その分のユーザー数や投稿数を考えますと、爆発的なクロール対象増加と見込まれます。
マストドン管理者は、クローラーへの配慮もある程度意識する運用を迫られることになるかもしれません。これまで書いてきた状況も、わずか3週間でこれほどまでの広がりを見せたものです。
もちろんクロールを意識しなければ価値を下げられるだけかもですが。ただ、企業の発信用のインスタンスとして運用している場合は、留意しなくてはいけなくなるかもしれません。
マストドンの今後に注目
マストドンには、ホームページのブームのようになるとの見方もあります。現状では、多くのエンジニアがモチベーションを注ぐ対象として勢いはまだまだ続きそうです。
また、ソーシャルとして見るのか、参照サイトとして見るのか、また運営者としてどう関わっていくのか、マーケティング的にも、キャッチアップしておいたほうが良いかなと感じました。
ちなみに企業がMastodonアカウントを運用するならば、お一人様インスタンスがおすすめです。すでにITMediaが運用を開始しました。開設2日にして既に1300ものフォロワーを集めています。
>>ITmediaの「マストドン」公式インスタンスができたんす – ITmedia NEWS
市場も注目をはじめています。
>>カドカワが急伸、分散型SNS「マストドン」関連株として物色/ 株式NEWS /モーニングスター
果たしてSEO界隈で注目を集めるでしょうか。検索汚染がまた増えたと一蹴されてチーンとなるでしょうか。今後もマストドンには注目していきたいと思います。
Mastodonとは: 脅威の分散型SNS Kindle版 | 吉田喜彦 | Amazon
関連情報リンク
pixivのMastodon GitHubツリー
>>GitHub – pixiv/mastodon: A GNU Social-compatible microblogging server
DowangoのMastodon GitHubツリー
>>GitHub – dwango/mastodon: A GNU Social-compatible microblogging server
立ち上げたとしても、企業利用であればお一人様にしたほうが無難。
>>ちょっとマストドンが気になっている企業が導入の前に注意するべき7つのこと:ITは心の仕事です:オルタナティブ・ブログ
WordPress界で有名な高橋さんのマストドン。
>>高橋さん専用Mastodonを建ててみました | 高橋文樹.com
さくらはマストドンのノウハウがたくさん。
>>スタートアップスクリプト「Mastodon」をリリースしました | さくらのクラウドニュース
CoNoHaも知名度を上げた印象。
>>Mastodonアプリケーションイメージの使い方|VPSならConoHa
新しく立ち上げてみました。
>>マイニュー:マストドンとインスンタンスのニュース
インスタンス構築サービスは、今後も増えていくものと見られます。
>>Mastodon (マストドン) 構築サービス
まとめ
マストドンの投稿のハッシュタグページは投稿ページ同様に、検索にヒットすることがわかりました。
今後どうなるかわかりませんが、SEOチューニングされたインスタンスが出てきてもおかしくないかもですね。
果たして。
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