フリー素材と思って使っていてもトラブルに巻き込まれることも!?
こんにちは、写真大好きカグア!です。現代は、ほんとフリー素材が増えてきましたよね。
いっぽうで、フリー素材にまつわるトラブルも増えてきてるような。本記事では、あくまで主観ですが、私が、ふだん気をつけているフリー画像の探し方や考え方についてご紹介します。
>>人気の「著作権: 本」最新一覧はこちら。
Amazonで詳しく見る
関連記事
>>「攻める著作権」TPP時代に知っておくべき権利や法律セミナーレポート
>>画像処理の無料ソフトでCC0モノクロ画像をカラーにする方法
>>flickr画像をクレジット付きで貼り付けるブックマークレット
この記事の目次
フリー素材で気をつけるリスク
Photo:license by 103900058@N03
フリー画像の素材を利用するとき、訴訟などのトラブルやリスクで気をつけるべき点は、以下のような感じかと思います。
- 実は有料素材だった
- 実は権利処理が完璧じゃなかった
- 無料から有料に変わった
- 言われのない批判が拡散する
無料素材のライセンス
いわゆる無料素材として、ライセンス表記している場合、以下のような表記が多いかと思います。
おそらく多くの方が、これらのフリー素材を利用規約をお読みの上、使われていることと思います。
クリエイティブ・コモンズ
>>Creative Commons ? 表示 2.0 一般 ? CC BY 2.0
クレジット表記をすれば、販売以外、複製や再配布など商用利用も含めOKというライセンスです。商用利用OKながら改変不可など、少しづつ厳しくなっていく感じです。
このように2次利用の範囲や表記の枠組みを整えていこうという動きがクリエイティブ・コモンズです。
制限付きで無料利用もOK
フリー素材作家さんや素材を公開している方が、独自に利用規約を書かれて、利用方法を定めているもの。
初音ミクやくまもんなどは、ある程度フリー利用を認めつつも、じつはいくつか制約はあります。ただ、無料で使われることの拡散力を期待したライセンス戦略、オープンIPと言われています。
>>piapro(ピアプロ)|キャラクター利用のガイドライン
>>くまモン利用申請 ーよくある質問ー | くまモンオフィシャルサイト
CC0画像・パブリックドメイン
著作権自体を放棄して、販売を含めすべての扱いがOKで、人類みんなの財産にしてね、というのがパブリックドメイン(CC0)です。flickrやInstagramでも、publicdomainタグがあります。
これは、商用含め自由に使っていい画像です。
例えば、日本で言えば著作権者の死後50年が過ぎたコンテンツなどです。今年、青空文庫入りした江戸川乱歩作品も、2016年で死後50年経ったため著作権が切れ、パブリックドメインになったことからです。
ネット上では#publicdomain、#cc0 といったハッシュタグが付けられ流通しているようです。
気をつけるべきリスク
上記のようにライセンスや規約を理解しつつ、いっぽうで気をつけたいリスクが最近では増えてきたように思います。以下まとめます。
実は有料素材だった
投稿サイトやブログ、無料素材サイトで、無料と銘打って公開されているものが、実は有料だった。
無料素材だと勘違いして公開してしまう場合や、トラフィックを集めるために確信的に公開や投稿をする場合など、さまざまです。
無料だという認識までいかずとも、ネットで公開されているのだからいいだろう、といった認識でアップロードされてしまうケースもあるかと思います。
実は権利処理が完璧じゃなかった
モデルの人から許諾を取っていなかった、デザイン物や建造物メインの撮影をしている、といった画像という著作権の前に、被写体がもつそもそもの権利を侵害してしまうパターンです。
PIXTAの場合ですと、モデルリリースという欄がそうです。モデルさんにもちゃんと了承を得てますよ、という証です。
撮影者や公開者、投稿者が、公開し悪気なくフリー素材とうたってしまっても、それを利用してしまえば、当人から訴えられるケースもあるでしょう。
建物やデザイン物、というのも、映り込みレベルなら良いのですが、それをメインにした、いわゆる主従の関係でいう「主」、そのブランド力を利用するために使う、といった、他人が作った著作物が主役になって写っているものもアウトです。
無料から有料に変わった(勘違い含め)
無料で公開していたものの、あるとき気が変わって、取り下げてください、というもの。
これはさすがにあまり見かけませんが、怖いのは、SNSで拡散されるときに「これフリーなの!?すげえ!」と見出しだけが独り歩きして拡散、しかしじつはNGだったというケースはあります。
スクリーントーンズ : 「孤独のグルメ」O.S.T.
※久住さんが言われる著作権フリーとは自由勝手に楽曲を何処ででも 使って良いと言う意味ではありません。
Amazonの販売ページに、あえて上記のように書かれるようなことが起こりました。
CD発表当時の、著作権者のツイート。
『孤独のグルメ オリジナルサウンドトラック』はJASRAC登録無し。全曲著作権フリーです。映像演劇宣伝等にどうぞお使いください。コピーして演奏してYouTubeにでもなんでもあげてください。でもその際ボクに一本メールくれたら嬉しい。
久住昌之 (@qusumi) 2012年5月23日
当時のある記事。
>>「孤独のグルメ」サントラは「全曲著作権フリー」 作者・久住さん「どうぞお使いください」 – ITmedia ニュース
じつは、楽曲利用が無料なのではなくJASRACフリーとのことだったのです。当時少なからず混乱があり、上記の注釈となったわけです。
もちろんこれは、無料から有料に変わったという例ではありません。「無料だと思ってたものが実はそうじゃなかった」という誤認が拡散してしまった例と言えそうです。無用のトラブルを避けるためにも、心に留めておきたい出来事かと思います。
言われのない批判が拡散する
著作権処理がちゃんとされていて、ネット上でもフリー素材として公開されているものでも、残念ながらSNSで叩かれるケースがあります。
引用元を記載し権利を明記しておけば、それがフリーで使って良いものだとわかります。しかし、それをしませんと、画像検索などで他にも使ってるサイトは無料素材であればたくさん出てきますから「こいつパクってるぜ!」と拡散されるリスクもありえるのです。
訴訟や金銭トラブルにこそなる可能性は低いとは思いますが、ダメージが大きい場合もあるかと。企業であればなおさら避けたいものですよね。
気をつけている事
あくまでわたしの経験値や思い込みという面はあるかと思います。以下に該当する画像であっても、本当に心から無料で提供されている素晴らしい素材サイト様もあるとは思います。
使うとき慎重にしている画像
私は以下の画像については、フリーと書かれていても利用は慎重にしています。
- 演出レベルが高く複数人数が映っていて権利処理が大変なはず、使うのは忍びない画像。
- 明らかにクォリティが高い、もしくはどこか有料サイトで見たような画像。
- モデルさんのようなクォリティの高い被写体が写っている画像。
- よく見ると隅のほうにロゴが写っている画像。もしくは、写真のフチが加工されていて、どこかのサイトから持ってきたような画像。
- CC0とうたっていても、人物や有名人が写っている画像。
「えー!こんな高品質な素材、ほんとに無料でいいの?」的な直感は、信じて確認するという感じです。
裏を取る
本当にフリー画像なのかどうか、わたしがしています裏を取る方法です。上記の方法でリスクは避けながらも、完璧ではないかもしれませんが、以下の方法で調べています。
- 権利者と思われる人のプロフィールを見る。
(パブリックドメインを標榜する方は、たいていご自身で意識して発信しています。) - 画像検索で似たような画像が無いか探す。
- 前述のように明らかに著作権がないもの、それでいて公的なものを使う。
>>The British Library | Flickr – Photo Sharing!
ここまで心配なら有料素材を使えよ、という声が聞こえてきそうですね。
おすすめフリー素材サイト
以下のサイトは著作権やモデルプロパティなどがクリアで、かつ運営者の顔が見えるなどでとても安心感を感じているため、わたしはよくお世話になっています。
ぱくたそ
いらすとや
「以下の場合、有償にて対応させていただきます。・・・素材を21点以上使った商用デザイン」 は、もう少し認知されてもいいと思います。
>>ご利用について | いらすとや
サイトで詳しく見る
足成
GIRLY DROP
>>おしゃれなフリー写真素材|GIRLY DROP(ガーリードロップ)
上記のサイトでも、アダルトNGなど利用範囲がありますので、必ず利用規約には目を通すようにしましょう。
>>利用規約|GIRLY DROP(ガーリードロップ)
次に、以下はフリー素材ではありませんが、権利関係に気をつけながら、引用させていただいているサイトです。
Instagram #cc0
Instagramでは、#publicdomain や #cc0 というハッシュタグが、著作権フリーの画像だよ、という表明になります。#cc0のほうがたくさんありますね。
>>#cc0 Instagram写真と動画
flickr #cc0
flickrのcc0タグ。
>>Search: cc0 | Flickr – Photo Sharing!
flickrの商用OKの画像
商用OKとだけ明記されている場合には、改変・出典元明記をすれば商用利用が可能ですが、前述のリスクには気をつけましょう(後になって権利を変更するリスクもあります)。
>>Search: business | Flickr – Photo Sharing!
商用利用OKという表記は「CC BY 2.0」。クレジット(著作権者)表示をして、改変を認め、同一のライセンス条件を求めることもない、CCBY2.0 が、CC0よりは最もゆるやかな権利表明となります。
>>Creative Commons ? 表示 2.0 一般 ? CC BY 2.0
作者側でリスクを減らす方法
いっぽうで、画像を提供する側も、勝手に誰かに無料画像として投稿されてしまうリスクもあるかと思います。無用なトラブルを避けたいものです。
サイト外で見つかりにくいようにすることが定番かとは思います。まずサイトに来てもらってページを見てもらえないと、規約も読んでもらえません。以下にまとめておきます。
検索サイトにインデックスさせない
ですから、そもそもGoogle画像検索をされないようにするという考え方もあるかとは思います。Googleでは以下の方法を紹介しています。
>>ページ上の画像が Google 検索結果に表示されないようにする – Search Console ヘルプ
画像が置いてあるサーバーのrobot.txtに以下のように記述すればOKです。他の方法については、上記公式ヘルプを参照してください。
User-agent: Googlebot-Image
Disallow: /images/dogs.jpg
直リンクや表示を防ぐ
別サイトで画像表示や埋め込みを避ける方法もあります。.htaccess というファイルに表示させるホスト名を限定します。そうすることで自分のサイト以外での画像表示を制限することができます。
まとめサイトでまとめ作成時にプレビュー表示で画像を選ぶのですが、それもできなくなるため無断利用のリスクも減らせます。
>>画像直リンクの禁止 / マニュアル – ロリポップ
>>.htaccess の利用 – KAGOYA Internet Routing
SetEnvIf Referer “^http://www.kagua.biz” ref01
order deny,allow
deny from all
allow from env=ref01
権利や思いを明記する
画像をネットに出すほうも、利用について最初から明記することで無用なトラブルや悲しい出来事を減らせると思います。
実際に困っているときは、その旨を書いても良いでしょう。もちろん、それを情弱と叩く人も出てきますが、利用された方にも言う権利はあるのですから。
>>言論の自由について – 世界変動展望
また、権利侵害するとどうなるのか、ということを書くことも有効化と思います。あまり知られていないように思いますが、著作権侵害の刑罰はかなり相当重いです。後述の記事にも書いてある表現を引用させていただきますと「日本では路上でマリファナを売るよりも、著作権侵害の方が法定刑は重い」のだそうです。
>>著作権法改正: 壇弁護士の事務室
それらをちゃんと伝えること、これってある意味、重要だと思うんですよね。
著作権やマナーを守って、権利者、利用者、そして閲覧者の三方良しを目指したいですよね。間違いや誤解などありましたら、ぜひご指摘いただけると幸いです。
直リンクされたときの自衛作
WebデザイナーのManaさんがかつて無断直リンクされたときの自衛方法が秀逸で、はてなブックマークでもかつて話題になっていました。
>>無断転載パクリブログ事件のまとめ | Webクリエイターボックス
今後、AMPやフィードなどコンテンツがより流通しやすい形態が増えてきますと、またいろいろと考えないとですけどね。
ビジネス利用なら有料素材
おすすめ有料素材サイト
そういう点では有料素材が、やはり安心して使えますよね。
- 著作権や肖像権など権利関係がクリア(のはず)。
- 高い品質の写真が豊富。
PIXTAをはじめ、最近は選択肢が増えてきましたね。なお、有料素材を利用していてもページングが面倒で探すのが大変という方は、Googleの画像検索がおすすめかと。
無限スクロールで効率的に探せますよね。
写真素材【PIXTA】
>>ビジネス site:pixta.jp – Google 検索
fotoria
>>ビジネス site:jp.fotolia.com – Google 検索
Shutterstock
>>ビジネス site:www.shutterstock.com – Google 検索
個人的には、ビジネス画像もたくさんあって、Adobeで安定感のあるfotoriaがおすすめ。月額3000円からのプランもあって安心です。
著作権でオススメの本
クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本 : 鷹野 凌, 福井 健策
NPO法人である日本独立作家同盟の理事である鷹野凌氏がネット時代の著作権についてわかりやすく書かれています。コンテンツ制作やソーシャルに関わるすべての方に必読の書籍だと思います。
また、監修に権利関係に詳しい弁護士の福井健策先生が関わっているところも安心。福井先生はTPPなど世界的な著作権についてもとても明るく、また歯切れの良い論調でとてもわかりやすいです。おすすめです。
関連情報リンク
以下の記事と、別記事のはてぶも合わせて読むと興味深いです。
>>「残念で悲しい」 ひょっこりはんのネタBGMが著作権侵害? 音源配信のmora「よしもとからの連絡待ち」 – ねとらぼ
>>はてなブックマーク – ひょっこりはんによる当サイト楽曲への著作権侵害について | MusMus ブログ
技術特許は期限が切れることがありますが、著作権の場合は日本では創作した瞬間に発生し、著作者の死後も70年は保護されます。そして著作者がパブリックライセンスを宣言しない限り、著作権は作者に帰属します。著作権は本当に怖い。
>>gif特許問題はその後どうなったのか : Timesteps
読んでおきたい。
>>著作権フリーの写真だと思って使用したら20万円の損害賠償になった実例 | STORIA法律事務所ブログ
基礎知識。
>>著作権ってどんな権利?~著作権侵害だと何が起きるのか – CNET Japan
日々、多くの疑問やトラブルが投稿されています。
>>著作権トラブルの対処方法や弁護士解決事例 – 弁護士ドットコム
そもそも著作権を主張できるのかできないのか。
>>Yahoo!知恵袋に投稿された質問、回答の著作権と二次利用について、… – Yahoo!知恵袋
プログラムでも二次利用とか特許ってほんと気をつけないとですよね。
>>ライセンス – Wikipedia
こちらも怖い。
>>パテント・トロール – Wikipedia
ライセンスに関してはこちらは必読。
>>セミナー「インディーズ作家が知っておくべき権利や法律を教わってきました」第1部で使用したプレゼン資料を公開します:群雛ポータル
国内だけの話ではありません。
>>★ホントは怖いTPP ・・・「非・親告罪化」で日本の漫画界はどうなる? | 赤松健の連絡帳
まとめ
ライセンスは、現代に生きるビジネスマンの基礎知識かと思います。
セルフパブリッシングのための校正術 (群雛文庫) eBook: 大西寿男, 伊富魚, 0.9Gravitation, 鷹野凌
ライセンスを広げる戦略など、コピーが容易にできるネット時代の現代だからこそ、著作権と上手に付き合い、攻めにも守りにも活用したいものです。
わたしもこれからも注意しつつ、これからも情報をキャッチアップしていきたいです。この記事が、著作権に関する不安を少しでも減らせることができれば幸いです。
・ ・ ・ ・ ・
>>安っ!アマゾンで半額以下になっている食品タイムセール
セール特設ページを見る
↓↓↓無料のニュースレターを配信中です