米アマゾンはサードパーティ販売者に対する苦情を、まずはアマゾンにしてもいい、と変更するらしい

米国大手ニュース専門チャンネルであるCNBCは2021年8月10日、米Amazonが、サードパーティの販売者から不良品の苦情を申し立てる方法を簡単にすると、報じました。

日本でもこの変更が適用されれば、模造品購入などのトラブル対応は、少し楽になるかもしれません。

>>Amazon lets consumers file complaints for faulty goods from 3p sellers

日本のアマゾンのサードパーティ販売に関する苦情処理

Amazon

>>Amazon.comヘルプ:A-to-z保証
サイトで詳しく見る

こちらによりますと、消費者はサードパーティの商品を購入し、不備などがあった場合、まず販売業者とやりとりをすることを勧められています。

Amazonに直接A-to-z保証の払い戻しをリクエストする前に、最初に販売者に連絡し販売者が応答して解決策を提示できるようになるまで最大48時間待つようにお願いする場合があります。

基本的には販売業者とトラブル解決をするよう求められます。

2021年9月1日以降米Amazonは直接クレームを受け付ける

記事によりますと、2021年8月10日、A-to-z保証の規約が変更され、来月から以下のような対応になるとのこと。

9月1日以降、消費者は人身傷害または物的損害の請求についてAmazonに連絡でき、Amazonは消費者と販売者を結び付けます。

サードパーティ業者とのトラブルも、まずは直接Amazonに問い合わせてよくなる、ということですね。

これは消費者にはのぞましい変更に見えます。

クレーム対応改変の背景

アメリカにおいて、アマゾンは多くの非難をうけていたようです。

>>アマゾンの責任逃れ、不良製品の発火事件で検証 – WSJ

>>モバイルバッテリーが原因で自宅が半焼、責任負わない米アマゾンも法規制へ | 日経クロステック(xTECH)

>>CNN.co.jp : 「危険な製品、アマゾンで販売」 米当局が販売中止求め提訴

>>偽造品や海賊版、欠陥商品に対する責任はアマゾンにはない?…テキサス州で注目の裁判が始まる | Business Insider Japan

多くの訴訟をうけており、また米国消費者製品安全委員会からは、販売した数十の不良品をリコールするよう強制されるなど、風当たりは強くなっていたようです。

しかもこちらの記事によりますと、米国Amazonにおけるサードパーティセラーの割合は6割にも達するとのこと。

>>米アマゾンのサードパーティーセラー比率60%超 | SDGs軽貨物物流News

もはやAmazonは単なるプラットフォームで、もう少し楽天のように、デザインを変え

日本国内でも、粗悪品やサクラレビューなど、改善をもとめる声は後を立ちません。

そのため、Amazonも今回の改定など対応を進めた、ということのようです。

日本では変更は見られない

アマゾン

2021年8月10日時点で、日本のAmazonではそうした動きやニュースは、見られません。

ただ、問題の本質は、Amazonという多くの人が使うプラットフォームとしての責任が、問われているのではないでしょうか。

株式会社CUBE代表のfukaishi junichi氏は、自身のQuoraにて以下のように、その問題を指摘しています。

>>なぜAmazonは中国製の粗悪品だらけになったのでしょうか? – Quora

  • 楽天などが国内に拠点がないと出店できないこととは対象的にAmazonでは海外からでも出店できてしまう
  • SEOや広告といったテクニックをつきつめると売れてしまう市場特性
  • それに追随して国内勢もテクニックに走った売り方をしてしまう

コメント欄では、すべての中国製品が粗悪なのではない、他のマーケットプレイスでも起こりうること、とした意見もありました。たしかに、Amazonはその巨大さゆえに、絶対数が多くなり目立ってしまう、ということはあるでしょう。

Google検索で「amazon 中華汚染」と検索しますと、多くのブログ記事や論壇がヒットし、なんとも不名誉な状況に、国内でもなってしまっています。

わたしも、かつてサードパーティセルラーによるトラブルがありました。そのときは、直接業者に連絡をし、ことなきをえたことがあります。

そのときに来た返信は、ていねいではありましたが、日本語がややおかしいものでした。連絡がついて、適切に処理がすすんで良かったと、胸をなでおろしました。これが、一般の人で、返信がこなかったとすると、トラブルはまず解決できないでしょう。

逆に、アマゾンセルラーになって、海外へ販売することも可能といえば、聞こえはよいですが、いっぽうで事業者となった時、海外からの問い合わせやトラブルを現地にいかず処理できるのか、というとなかなか大変なことは想像にかたくありません。

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やはり楽天のように、国内に拠点をおくなど、一定の基準はあったほうが、よいようには思います。

今後、日本のアマゾンでも同様の動きがあるのか、わたしたちは注視する必要はあるでしょう。

追記:2021年8月11日 保証金の額が公開

>>Amazon will pay up to $1,000 in damages for dangerous items sold on its site – CNN

CNNによりますと、最大10万ドルの補償がされるとのこと。

損傷や人身傷害を引き起こしたサードパーティの販売者が販売した製品に対して最大1,000ドルを顧客に支払います。

具体的に1歩すすめてきましたね。Amazonはこういうサポート周りの動きはじつはフットワーク軽いと思っていましたが、やはり対応はやいですね。

もちろん、被害によってはぜんぜん足りない可能性もありますが、それでも救われる人は増えるのは間違いないでしょう。

日本の楽天にも影響を与えるかどうか。