Amazonで大量の電子書籍が消えた日、おそらく削除と見られる

Amazon

私のことではありませんが、Amazonから大量の電子書籍が削除される、という事件が報じられました。当初からある程度の流れはキャッチアップしていましたが、大手メディアもついに報じるほどになったか、ということで記事化しました。

こんにちは、カグア!です。日々のキャッシュも重要ですが、ビジネスを進めるうえで長期的な視点は本質的なことにかかわるため、もっとも重視したいことの一つですよね。

まっとうなことをされている方には、ほとんど関係のないエントリーですが、現実というのはキレイごとだけでもない、ということを知ることは重要ですので、ご参考になれば幸いです。

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ある日、電子書籍が大量に削除

>>アマゾン販売の電子書籍めぐり「ステマレビュー」 報酬付きで「★5つと入力」お願い : J-CASTニュース

ある電子書籍出版社が報酬付きでステマレビューを投稿していると報じられました。

わたしも実際の書籍をいくつか見てみました。たしかに、評価5がほとんどでたまに1件、1の評価があります。悪い評価は「これはステマなので気をつけるべし」といった内容がほとんど。

まあ見る人が見ると騙されることはないといったレベルの仕込みです。ただ、相当な数の電子書籍がステマレビューで高評価されていて、一部のアカウントやブログが指摘しはじめていた、という状況です。そこにメディアが報じるほどにまでなったという感じ。

実際、数冊の本は残っていますが、くだんの出版社の本は大量に消滅。自分で削除したのなら全部削除すると思いますので、おそらくは削除がなされたのだろう、という意見が大勢です。

規約に書いてあるからやらない、ではない

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Amazonでは、Kindleで出版するいわゆるKDP本やそれ以外の多くの商品で、レビューに報酬を出す、いわゆる高評価を買う行為は固く禁じられています。

とはいえ、そういう商品が実際に売れてしまいますと、販売プラットフォームも旨味を得られるため、厳しい措置に出ることが少なくありません。国内の大手通信会社もかつて悪質有料ダイヤルサービスを放置していたことがありましたが、構造的にベネフィットが共有されてしまいますと、ユーザーに不利益を与えてしまう状態が長期化するケースがあります。

しかし、長期的な視点で考えますと、それは間違っていると言えるでしょう。そもそもプラットフォームというインフラとしての長期的戦略に基づく商材において、品質維持の判断も長期的であるべきだからです。

そういう点でコンテンツベンダーも、長期的視点にたてば、まっとうなコンテンツを出すべきという判断がなされるべきであって、利用規約に書いてないからやっても良い、という浅はかな戦術にはなりえないと思います。それは短期的なキャッシュが必要なのだと自らの状況を露呈していることになります。

ファイナンスの問題は全体の問題

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良質なコンテンツを、というのは理想論と断じることは簡単です。いっぽうで、現実的なキャッシュに目を背けることも、成熟した思考ともいえないでしょう。

ブラックも知ったうえで実践するホワイト。これが大人の打ち手です。

長期的視点にたって、現実的な一手を講じる前提は、収穫までのファイナンスだと思います。ようは、日銭を稼がなくてはいけないから、日銭を稼ぐことに走ってしまうわけです。

売上重視のオーダーが部下をブラックに走らせます。売上はトップが責任を持つべきで、資金調達などチームが気兼ねなく戦える環境を整えるべきです。

中間管理職に売上といった短期的なKPIを任せるのではなく、もっと長期的な目標を持たせなければ、そのしわ寄せを誰かがかぶる、ブラックに走らざるを得ない状況を生み出してしまうのではないでしょうか。

マネジメント層が、不適切な目標を与え環境整備を怠ったチームには、まれに採用できてしまうエースの登場など、運を待つしか成長は見込めないでしょう。もちろん、そのエースもいつか離職してしまうというリスクもあり、きわめて属人的で脆弱な組織となるリスクをはらんでいます。

プライドを捨てた時点で、そういう戦いに負けたことを認めることになるのですよね。

で、認めるのであれば他に認め方はあるのではないかと思うわけです。過度なプライドも得てして視野が狭くなりかねませんが、それでも認め方、軌道修正の仕方はいくらでもあると思うのですよね。

まとめ〜蟻の穴から堤も崩れる

今回の大量削除の件も、もともとはタイムラインやそれらを指摘するレビュワーの存在からでした。

それらがきかっけとなり、疑義を疑う人たちが増え、大量削除という巨人をも動かす事態にまで発展しました。

信念をもってまっとうなことをしているのであれば、ビジネスにおいて、たんなるネガティブコメントや愛の無い少数意見を、過度に真に受ける必要はありません。

しかし、少しでも後ろめたい部分があって、それが大きな利益を生み出しているようであれば、神様は見逃しません。「天網恢恢疎にして漏らさず」です。

そして、そのような偽りで作られた大きな堤も、小さなアリの穴から簡単に崩れていくのです。崩れる要素を持つ堤防に、継続して投資をするべきではないと言えます。

もし、今回の件がAmazon判断による大量削除であれば、ユーザーにとっては歓迎すべきことであり、今後も徹底して、報酬によって得られた高評価は無くして頂きたいものです。

そして、コンテンツに関わるすべての関係者は、問題の本質を見失わずクリエイティブにこだわりたいものです。強いコンテンツも永遠なものではありません。お互いがんばりましょう。

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著作権関連ではとにかくおすすめの本。コンテンツ制作にかかわるすべての人に読んでほしい本です。

そういう点で、今後懸念されるサイトやコンテンツやショップなど、影響は大きいと見られます。

たとえばコンテンツによっては、ほぼ1つのリソースから、引用ばかりをしているページが大量にトラフィックを稼いでいる状況があります。それはもうコピーと言っても良いでしょう。そんなことが長く続くとは思わないほうが良いです。

天網恢恢疎にして漏らさず。

TPP大筋合意が報じられた今後は、さらにそういったプライド無きコンテンツの未来は、まったく明るくないはず。どう舵取りをするのかその手腕が問われますね。

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長期的視点は重要。