Twitterスペースでは誰でも手軽に音声配信ができます。ただし、Twitter社はJASRACと包括提携をしていませんので、歌ってみたや演奏してみた、という配信がNGです。さらにカラオケ配信は、その楽曲音源の許諾も必要になりますので、当然Twitterスペースでの配信は著作権違反となります。
この記事の目次
Twitterは楽曲管理団体と提携していない
2022年3月20日時点で、Twitter社は、JASRACやNEXTONEといった楽曲の権利を管理する団体と、提携をしていません。
ですので、そもそも、Twitterスペースでは、「歌ってみた」や「演奏してみた」という、アカペラであってもTwitterスペースで、歌を流したり演奏したり、ということが、そもそも認められていません。
カラオケ配信はさらに権利者に許諾が必要
さらに、JASRACの公式サイトにもありますように、音源にはさまざまな制作者の権利があります。たんに作詞作曲した人だけでなく、それを演奏した人の権利や、企業が公開・販売できる権利など。
とくにカラオケ音源で注意が必要なのは、そうした演奏した音源データは、JASRACなど管理団体ではなく制作した音源レーベルなど企業に許諾を取らなくてはいけない、という点です。
JASRAC管理楽曲に関する著作権の手続きの他に、著作者人格権や著作隣接権等の手続きが必要となる
無断で、カラオケをTwitterスペースで音声配信しますと、その音源データの著作権侵害だけでなく、公衆送信権の侵害など、複数の権利侵害をすることになります。
ですので、Twitterスペースでカラオケを配信するのはアウトとなります。
ネットでカラオケ配信している人がいるのはなぜ?
有名ユーチューバーの場合
YouTubeでは、UUUMなど、カラオケ制作企業と提携しているユーチューバー事務所があります。また、そもそもYouTubeはJASRACと包括提携しています。ですので、著作権的にも、音源の権利処理的にも、大丈夫なので有名ユーチューバーがカラオケ配信をしているというケースはあります。
こちらの動画でも概要欄に、楽興提供JOYSOUNDとはっきり明示していますね。これもたんに出典元を書いたから大丈夫というわけでなく、所属事務所がちゃんと権利処理をしているから大丈夫なのです。
有名ユーチューバーでなくとも、UUUMの有料会員であるUUUMネットワークに加入すれば音源提供を受けらる可能性があります(JOYSOUNDも含まれるかは不明)。収益化で会費がペイしそうなクリエイターは検討してみるのもよいかもしれません。
ネットワーク契約は、音源・画像素材の提供、企業PR案件の紹介などが受けられるUUUMネットワーク「CREAS」(月額500円)を利用できる契約形態となる。※出典:https://president.jp/articles/-/55637
YouTubeやTwitterスペースの場合
一般人がカラオケ制作企業に許諾を個別にとる、ということはまず難しいですので、おそらくほとんどの場合、一般人のユーチューブ配信やTwitterスペース配信でのカラオケ配信は、著作権侵害と思われます。
実際には、Twitterスペースでカラオケ実況や歌っている配信を多くみかけます。ただそれもおそらくは著作権侵害です。
なぜ捕まらないのかというと、著作権侵害は日本では親告罪のため権利者が親告しなければ明るみにでることはないからです。ただ、権利を侵害していることには違いありませんので、決してカラオケ配信はしないようにしましょう。
実際に、YouTubeにカラオケ動画を投稿した人が権利者から訴えられ、裁判で請求がみとめられたケースもあります。
>>youtubeカラオケ動画とは?実際の裁判例をもとに|舞鶴法律事務所
ヤフー知恵袋では大丈夫と回答されてるけど?
残念ながら、YouTubeがJASRACと包括提携しているためTwitterスペースも大丈夫、と誤解している回答はあります。
ただ、前述しましたように、JASRAC公式にTwitterとは提携はしていませんし、さらにはカラオケの音源を、その制作企業に無断でかってに使っていいことにはなりません。
ですので、著作権侵害ですこしでも心配なことがあれば、自分で公式情報をあたることが、不可欠です。
自前で演奏したカラオケ音源で自分で歌う
YouTubeであれば、JASRACと包括提携をしていますので、カラオケ音源を自作して自前でうたう、ということであれば、問題はありません。
ただ、Twitterでは、前述のように管理団体と契約していませんので、アウトです。
カラオケ企業の用意したネット公開
YouTubeやTwitterスペースではなく、カラオケ企業が用意したサイトでの、動画公開などは問題ありません。
カラオケボックスにいき、そのカラオケ専用機やアプリで提供されている配信方法で、ネットに自分のカラオケ動画を投稿する、ということは、提供されている範囲の使い方であれば問題ありません。
具体的には、キョクナビアプリにYouTube連携をさせると、YouTubeに投稿ができるようになります(他にはニコニコ動画)。
>>JOYSOUNDでカラオケをYouTubeにあげる|サウンドハウス
ただ、YouTubeやTwitterスペースへ直接配信というのには、対応していないようです。
現状、Twitterスペースでのカラオケ配信はあきらめましょう。