まさにクリエイターエコノミー、原作版「左利きのエレン」がメンバーシップ目標人数達成

かっぴーさんは日本の漫画家で、廃刊してしまうウェブメディアでの連載漫画を、自ら有料メンバーシップを立ち上げ、開始からわずか1週間で目標人数である1680人を達成しました。インディーズ漫画として、クリエイターが直接ファンから支援してもらう、まさにクリエイターエコノミーの成功事例として注目されています。

廃刊した漫画がメンバーシップで復活

>>「廃刊」で打ち切りになる作品を無くしたい。|かっぴー(漫画家)|note

原作版「左ききのエレン」を5年以上連載していた媒体・cakesが廃刊となり、ちょうど1週間前noteに移籍し、完全なインディーズ連載として再始動しました。

漫画家のかっぴーさんは、ウェブメディアであるcakesで連載をもっていました。しかし、cakesが廃刊するということで、収入を減らす未来が確定しました。そこで、かっぴーさんがとった行動は、同じ会社であるnoteというブログプラットフォームで、有料メンバーシップを開設し、一定数に達しなかったら、自分で作品を打ち切ると宣言したのです。

当時かっぴーさんはこう思ったそうです。

cakesで連載していた時と同等の条件を自力で整える事が出来なければ、廃刊の道連れになってしまった形になる。

そして、晴れて目標人数である1680人ものメンバーシップを獲得し、インディーズ漫画として新たな未知を歩むことになったのでした。

ファンからクリエイターが直接、継続的な支援をしてもらい創作活動をする、まさにクリエイターエコノミーともよべる結果となったのでした。

なぜ目標人数が1680人なのか

かっぴーさんが連載を続けるにあたって考えたのは、やはり執筆を継続させるための収益です。

よく言われる話で「本の印税10%(原作者は4%)これって悪習だよね」というものがありますが、私自身も世知辛いとは思いつつ、出版社にお世話になりながらこれを言うのはどうかと思っている派で。

たしかに、作者の実入りが10%と聴くと、たったそれだけ!?と思う人も多いと思います。しかし、出版業界では慣習的に、多少の前後はあれど、だいたいそのような印税率でビジネスがまわってきました。

実際、わたしも多くの商業出版を出させていただきましたが、そんな感じです。ただ、ときにはわたしの収益を減らして、新聞広告を打つ、といったことも飲まざるを得ないときもありました。それくらい、出版社主導な率には違いありません。

かっぴーさんが1680人という目標人数をだしたのにも理由があり、そこがとても腹落ちしました。

>>原作版「左ききのエレン」打ち切りラインを決めました。|かっぴー(漫画家)|note

これまでの原稿料の平均は「21万円」でした。(先述した通り浮き沈みが激しかったのですが、平均すると世間一般の漫画原稿料に近かったので、世の中よく出来てるなと思いました笑)

平均原稿料を21万円として月に4本で84万円、それを500円で割ると1680人だそうです。

わたしもフリーランスとして長いですが、月売上84万円というのはフリーランスとしては、一般的な価格です。むしろ、人気漫画家ということでいえば安すぎるくらいです。しかし、それでもこうした根拠を示し、ファンにしっかりと説明する。

こうした透明性のある運営や人柄が指示されての、目標達成なのだと理解できます。応援してもらうには、応援したくなる立ち振るまいというのがあるのですよね。

推し活成功の秘訣は、どう推してほしいか可視化する

フォロワーが増えない、もっとフォローしてほしい。

そう思うクリエイターやインフルエンサーは多いことでしょう。

そのために、あなたはどう推してほしいかをしっかり明示していますか?それにたる説明をしていますか?

もちろん、かつてのインフルエンサーや成功者たちは、プラットフォームのアルゴリズムにのって、ファンのもとめるコンテンツを投稿していけば、成功をしました。

しかし、今はもう違います。

ネットはコンテンツにあふれ、しかもそれがほぼ無料です。

あたなでなければならない理由のほうが少ないのです。

そんな状況下で、たんに作品投稿していくだけで、ファンは増えません。まして、日本はどんどん人口が減少しています。

具体的にどう推してほしいか明示しましょう。

推すことの楽しさややりがいを視覚化しましょう。

現代のクリエイターエコノミーで成功している人たちは、ほぼすべてこれらをやっています。

今回のかっぴーさんの事例も、もちろん、もともとcakesやメディアで連載をしていた、という前提条件はあります。それでも、いっきに1680人いったかといえばそうではありません。

そんなに甘くありません。

毎月500円という固定費用がかかるわけですから、そうそう財布の紐をゆるめる人は多くないでしょう。まして、1680人に課金してもらうとなれば、一般的なマーケティングの割合から言えば、10000人くらいの目にはとまらないといけないでしょう。

かっぴーさんのTwitterアカウントは、2022年7月21日時点で約6.5万人。

失礼ながら、超ウルトラ人気クリエイターというわけではありません。それでも、こうした結果を出せた、ということは、アピールのひとつひとつが的確であり、覚悟をもって臨まれた、ということだと思います。

仮に、実績やフォロワー数がそこまでないという人にも大いに参考になる事例かと思います。

また、かっぴーさんでもここまでやられているのですから、無名の一般人であれば、なおのこと努力しなくてはいけないと覚悟すべきでしょう。

クリエイターエコノミーというと耳障りはよいですが、座席はじつはそれほど多くありませんし、永遠ではありません。

その覚悟をもって創作活動をする人だけに許されたチケットなのです。こちらでもかっぴーさんは取材されています。

>>夢や目標を目指す人が増えないと、クリエイターエコノミーは盛り上がらない|Real Sound|リアルサウンド テック

ちなみに、原作版でないコミックス版では、作画はnifuniさんです。

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックス) | nifuni, かっぴー

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追記:ほかにもnoteドリーム

noteでは他にもドリームが生まれていますね。後藤さんのメンバーシップが爆進しています。

>>ご報告 & お伺い【コアメンバー向け】|後藤達也|note

メンバーシップ立ち上げから1週間あまりがたちました。ベーシック2026人、コアメンバー1669人と、毎日着々とお申込みいただいております。

なんと月商約225万円ですよ・・・noteで年収2700万円という。夢がありますね。