メルカリShopsをてがけるのは株式会社ソウゾウです。この企業は、株式会社メルカリにおける新規事業の企画・開発・運営を担うグループ会社で、設立は2021年1月28日。開始から1年がたち、わたしもちょっと気になっていたので出展してみました。
メルカリショップスとは
フリマサイト大手のメルカリの100%子会社であるソウゾウがたちあげたECサイトです。月額出展料は無料ですぐにはじめられるネットショップです。
ただ、メルカリのシステムとの親和性を重視したデザインだからか、ページの作り込みや顧客管理などの機能は、通常のネットショップASPよりは少ないかんじです。
また、手数料も、多くのネットショップASPが5%前後なのに対し、メルカリShopsは10%です。
また、集客面でもメルカリ内において別段メルカリShopsが優遇される導線はありませんので、ジャンルによりますが、メルカリの圧倒的な集客力を期待するのは無理があるでしょう。
さらには、メルカリに来ている人たちはそもそもフリマに来ている人たちです。つまり、フリマで売っているオトクなものに興味がある人が多いわけで、そういう顧客と相性がよいショップでないと、苦戦するでしょう。
さらにURLは独自のIDがわりふられるわけではなく、メルカリShopsのURLにプラスしてでたらめな文字列です。ブランディングもあったものではありません。メルマガもありませんので、絆を深めることも、プッシュすることもできません。
ショップですので、特商法の表記こそ隠されていますが、問い合わせればすぐに個人情報は伝えられます。また、フリマではありませんので、中古品を扱うには古物商の認可も必要です。さらに入金タイミングもメルカリと異なります。
- 手数料はBASEよりも高い
- 露出が特別に多いわけではない
- そもそもフリマ目当ての人
- URLはでたらめな文字列
- メルマガやレター機能がない
- 個人情報は問い合わせされるとすぐにわかる
- メルカリと異なり入金は翌月(5001円から)
というようにメルカリShopsは現状では少なくとも、メルカリの集客力に期待する利幅の少ないショップほど、出展のメリットがうすいショッピングカートです。
それでは、メルカリShopsがあう人とはどのような人でしょうか。それは、匿名配送と学習コストをおさえたい人です。
メルカリShops、最大のメリットとは
匿名配送がつかえる
他のショッピングカートでもいまや匿名配送はつかえますが、メルカリほどシームレスに匿名配送をつかえるシステムはありません。
また、ヤマトと直接やりとりする匿名配送も最低金額はたしか370円です。メルカリは最近値上げしたといってもまだ安いです。
匿名配送にいったん慣れてしまうと、ユーザーももう戻れないです。
匿名配送でネコポスで送れる商品販売と相性がよいです。
出品者もネコポスの端末をつかっての出荷は、なにより楽なはずです。
使いやすいメルカリのUI
普段使い慣れているメルカリの画面でそのまま購入までできてしまいますので、集客は期待できなくとも、使い勝手の便利さは離脱を防ぐことに貢献します。
つまり、SNSなどで集客ができれば、他のショップと比較して、使いづらくて逃がす確率は小さいはずです。
決済もメルペイなど多くの決済に対応している安心感も圧倒的です。クレカをもてない未成年も、親にたのんで買ってもらうということが可能になります。親も、匿名配送であれば、安心感も違いますよね。
出品する側もつかいやすい管理画面、しぼりこまれた管理画面で、労力や学習コストが安いということは大きなメリットです。
本人確認がすぐにできて複数人運営可能
わたしは本人確認に免許証を送信して、わずか3分後に承認メールがとどきました。
おそらくAIでブラックリストがあるのか、大丈夫な人のリストがあるのか、いずれにせよ速攻で審査を通したい人にはおすすめです。
さらに先日、複数アカウントでの運営も可能になりました。
ここでもハードルの低さが、圧倒的であることがわかります。
メルカリShopsを開設してみた
最大のメリットはこの2つかと思います。
- 匿名配送をかんたんにしたい
- 学習コストが圧倒的に安い
それ以外は、いわゆるネットショップで定番の機能はほとんどなく、手数料もほかよりも高い、という強気な設定ですので、同じがんばるならば、ブランディングできてメルマガなどでつながりがキープできる、既存のネットショップASPのほうがよいでしょう。
なにより、学習コストをひくくおさえ、匿名配送を好むお客様が多い、というショップであれば一択なショッピングASPだと思いました。
さて、以上のように、わたしがメルカリShopsを開設してみてわかったことをまとめてみました。顧客リストやメルマガがないところに物足りなさを感じますが、それでも圧倒的学習コストの安さは、手数料10%でもまあいいかと割り切れるインパクトがあります。
操作で迷うことはまずありませんので、そうした簡単ショップ運営に興味のあるひとには、おすすめです。