Google Analytics では、ユーザー>>地図上のデータ表示、で訪問者の地域情報を知ることが出来ます。
訪問者のIPアドレスから地域情報を取得しているのですが、どこまで正確に取れるものでしょうか。
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この記事の目次
1.東京都の中のTokyoってどこ?
そもそも、Google Analytics の基本操作でわかるTokyoは東京都ではありません。グーグルアナリティクスでは、上記操作で表示される地域情報は、都道府県を飛ばして、いきなり都市レベルが表示されます。
ですから、こんな感じに、TokyoとShibuya、Shinjukuが並んで表示されることに。
都市レベルのTokyoってどこよ?!
と、疑問が出てくるわけです。
2.Google Analytics で、都道府県別の訪問を調べるには
そもそも都道府県別にアクセス情報を調べたいときには、カスタムレポートを使って、都道府県別のレポートを作成しなければなりません。
上図のように、地域>>都市、とドリルダウン(深堀り)出来るようなカスタムレポートを作りますと、東京都>渋谷区、新宿区・・・、と調べられるようになります。
3.これが都市レベルのTokyoだ!
都道府県別にカスタムレポートを作り、東京都以下に記録される都市レベルのTokyo地域を、3つのプロファイルで検証しました。すると・・・
東京都=Tokyo+(not set)+40の区・市となりました。つまり、「40の区・市」以外の東京の地域、となります。
足立区、豊島区、板橋区、中央区 東大和市、国立市、清瀬市、羽村市、武蔵村山市 檜原村、瑞穂町、日の出町、奥多摩町 利島村、新島村、御蔵島村、八丈町、神津島村 三宅村、青ヶ島村、小笠原村、大島町
まとめるとこうです。
東京都以下で計測されている都市 | |||
GA表記 | 都市名 | GA表記 | 都市名 |
Nerima | 練馬区 | Hachioji | 八王子市 |
Tachikawa | 立川市 | Hino | 日野市 |
Meguro | 目黒区 | Higashimurayama | 東村山市 |
Sumida | 墨田区 | Higashikurume | 東久留米市 |
Kita | 北区 | Chofu | 調布市 |
Bunkyo | 文京区 | Machida | 町田市 |
Fussa | 福生市 | Nakano | 中野区 |
Musashino | 武蔵野市 | Ota | 大田区 |
Fuchu | 府中市 | Taito | 台東区 |
Shinagawa | 品川区 | Tama | 多摩市 |
Chiyoda | 千代田区 | Mitaka | 三鷹市 |
Ome | 青梅市 | Komae | 狛江市 |
Tanashi | 西東京市(田無) | Kokubunji | 国分寺市 |
Setagaya | 世田谷区 | Arakawa | 荒川区 |
Suginami | 杉並区 | Kasumigaseki | 港区(霞ヶ関) |
Shinjuku | 新宿区 | Koto | 江東区 |
Akishima | 昭島市 | Edogawa | 江戸川区 |
Kodaira | 小平市 | Katsushika | 葛飾区 |
Koganei | 小金井市 | Inagi | 稲城市 |
Shibuya | 渋谷区 | Akiruno | あきる野市 |
Tokyo、および (not set) | |||
23区 | 多摩地域(市部) | 西多摩郡 | 伊豆諸島 及び小笠原諸島 |
足立区 | 東大和市 | 檜原村 | 利島村 |
豊島区 | 国立市 | 瑞穂町 | 新島村 |
板橋区 | 清瀬市 | 日の出町 | 御蔵島村 |
中央区 | 羽村市 | 奥多摩町 | 八丈町 |
武蔵村山市 | 神津島村 | ||
三宅村 | |||
青ヶ島村 | |||
小笠原村 | |||
大島町 |
それなりにアクセス数のある3つのプロファイルのどれからも、足立区や豊島区など取得できてませんでしたから、概ねこれで合っていると思います。
23区でも取得できない地域があるのは、意外ですね。とは言え、これは「Google Analytics 特有の分け方」というよりは、IPアドレス由来の地域特定手法の仕様、というべきものですけどね。
4.Google Analytics でIPアドレスを取得する
では、都市レベルのTokyo と (not set) は、どう違うのか。IPアドレスを取得して、手作業で地域情報を探ってみます。
PHPで、IPアドレスと、ホスト名を調べ、カスタム変数へ入れます。
$ip = getenv("REMOTE_ADDR"); $host = getenv("REMOTE_HOST"); if ($host == null || $host == $ip) $host = gethostbyaddr($ip); echo "pageTracker._setCustomVar(1,'IP','".$ip."',2);"; echo "pageTracker._setCustomVar(2,'HOST','".$host."',2);";
こんな感じに取得できます(いちおうホスト情報も取りましたが、文字列が長くなってカスタム変数の上限の64バイトを超え、挙動がおかしくなることもあるので注意)。
5.IPアドレスから住所を調べる
取得したIPアドレスから、早速、地域情報を導き出しましょう。IPアドレスから住所を調べるサービスはいくつかあるようです。
>>IPアドレスから住所を割り出して地図表示するサービスいろいろ – GIGAZINE
とりあえず、utraceをチョイス。
>>utrace – locate IP addresses and domainnames
それで、IPアドレスから住所を調べました。
GIGAZINEさんでも書かれているのですが、どうもIPアドレスから住所を割り出すにも精度があるようで、上図の結果では、なんと、千葉県市川市が。すでに東京じゃありません。
やはり、Google Analytics でも、IPアドレスからわかる範囲での都市名は、取得されているようです。やれるだけのことはやっている、といった感じ。
6.そもそもIPアドレスから住所はわかるの?
wikiを見るとこう書いてあります。
IPアドレスを記録・公開してもそれが現実空間において 即詳細な個人情報の暴露につながるわけではない。
また、プロバイダの固定IPアドレス提供のサービスでもそういった注意書きが見られます。
個人向け固定IPアドレス割当てサービス 会員サービス【固定IP・ダイナミックDNS】|So-net
※通常はお客さま住所の都道府県がそのままフレッツエリアとなります。 ただし、東京都町田市や東京都稲城市の一部は神奈川エリアになるなど、 必ずしも住所とフレッツエリアが一致しない場合があります。
とあるように、Google Analytics でも、町田市や稲城市の一部が神奈川エリアに計測されているケースもありそうです。
また、携帯電話では、そもとも固定IPからの位置情報取得はあまり意味をなさない様子。
>>Google Analytics Mobile 地域情報について | 晄夏ノート -hicage no oto-
7.SNSや他の地域取得サービスではどうなの?
ちなみに、facebookのファンページで得られる会員の地域情報はこんな感じ。都市レベルまで集計できても良さそうなものですが・・・。
また、独自のデータを元に地域情報を取得している「うごくひと」ではこんな感じ。
上位サービス(PCですが)であるユーザーインサイトでも、以下の通り。「都道府県に加えてエリア別も・・・」とのことですから、上記うごくひとと同様都市レベルまでは厳しい様子。
>>ユーザーインサイトは今までのアクセス解析とはちょっと違う | Web担当者Forum
都道府県別に加えて、関東や東海などのエリア別も
ということで、地域情報を厳密に取るのは限界アリ、と認識しましょう。
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