自由なデータを入れて分析できます。
こんにちは。Webアナリストのカグア!です。今日はGoogleアナリティクスのステップアップとしておすすめのカスタムディメンションをご紹介します。
ユニバーサルアナリティクス、Googleタグマネージャー、そして非同期トラッキングコードのカスタム変数まで網羅します。確認やタグマネージャーでの注意点なども含めじっくりとお読みください。
Googleアナリティクスを使って分析やサイト運営をしていきますと、デフォルトの組み合わせでなく、だんだんと独自のデータで傾向や改善の糸口を見つけたくなるものです。そのときオススメなのがカスタムディメンション!
カスタムディメンションはGoogleアナリティクスに好きなデータを入れ、LPやCVなどデフォルトのデータと相関を見ることができます。さくっと出来るというものではありませんが、ぜひ取り組んでみてください!
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この記事の目次
カスタムディメンションとは
独自に作れる項目(縦軸)です(上図)。
Googleアナリティクスには、運営者独自のデータを格納し分析に役立てられます。その機能をカスタム定義といい、なかでもセッションやヒット、ユーザーの属性として格納できるものをカスタムディメンションといいます。
かつては、ユーザー定義(1個)、カスタム変数(5個)とよび、利用されていました。カスタムディメンションは最大で上限が20個まで増え、データ蓄積の自由度が格段に上がりました。ユニバーサルアナリティクス(Googleタグマネージャ版でも同様)では、ユーザー定義、カスタム変数は廃止され、メニューには残っていますが、新規に利用はできなくなりました。
>>Googleアナリティクスでユーザー定義に「生UA」を入れるコード
なお、指標について自由なデータがいれられるようになりそれをカスタム指標といいます。データの範囲が異なるだけで、ほぼ同様に使えますので、本記事ではカスタムディメンションの設定や機能について、Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)とGoogleタグマネージャ(GTM)での使い方を解説します。
カスタムディメンションの「ひも付ける」とは
かならず重要4項目のいずれかに設定します。
カスタムディメンションを設定するとき重要なことは、新規につくった項目をどの範囲まで影響させるか、ということです。これを「ひも付ける」といいます。「会員ランクのカスタムディメンションをユーザーの影響範囲でひも付ける」などと使います。
Googleアナリティクスでは、上図のような4つの重要項目があり、それらがデータ管理上とても重要な役割をはたすよう設計されています。
たとえば、ユーザーという範囲でカスタムディメンション「A」を設定します。すると、そのユーザー(実際にはそのユーザーの利用しているブラウザの保存領域であるクッキー)の以後一定期間のすべてのアクセスで、「A」というユーザーがアクセスしてきたよ、と記録されます。
利用シーンとしては、ログインした後で、そのユーザーのカスタムディメンションに、たとえば「有料会員」という記録をつけます。すると以後、そのユーザーには「有料会員」という情報が付加され、データが蓄積していくのです。記録後は、その項目でどういう行動をしているのかなど、分析をすることが可能になります。
カスタムディメンションの設定の範囲
ユーザー:ユーザーのブラウザのクッキーに記録されます。
(例:会員属性-無料、有料、プレミアム)
セッション:ユーザーの訪問開始から離脱までのサイト内での一連の行動に記録されます。
(例:ログイン状態-ログイン、非ログイン)
ヒット:ページビューやクリック(イベント)などすべてのデータ送信に記録されます。
(例:執筆者(ページヒットに関連して):スズキ、サトウ、タナカ・・・)
商品:商品に付加されます。
(例:商品詳細:サイズ、カラー、価格・・・)
このように、カスタムディメンションは運営者が独自に追加情報を付加できる、あらたな項目を追加できる機能です。ポイントは、どこまで影響するように設定するのか、という「範囲」なのです。上記の例のように、影響範囲と運用を吟味して、カスタムディメンションの影響範囲を検討しましょう。
カスタムディメンションの実際の設定方法
1.ユニバーサルアナリティクスの記述方法
ユニバーサルアナリティクスでは、まずカスタムディメンションの定義をしなくてはなりません。データを入れるハコのようなものを最初に用意するわけですね。
上図のように、アナリティクス設定から、「新規作成」カスタム定義>カスタムディメンションを選び、名前と範囲を選び作成します。
var dimensionValue = 'SOME_DIMENSION_VALUE'; ga('set', 'dimension1', dimensionValue);
設定後表示されますコードを、発動させたいページや箇所のトラッキングコードに追加します。そのときga(‘send’, ‘pageview’,~);やga(‘send’, ‘event’,~);など、データ送信(send)する命令の前に記述してください。そうしませんと、セットしたカスタムディメンション情報が送信されないのです。
カスタムディメンションの命令自体にはデータ送信の機能までは含まれない、というところに注意してください。これは、後述の、ga.jsバージョンも、タグマネージャーでも同様です。カスタムディメンション設置時には、どうデータを送信するか、というところを留意してください。
具体的には以下のように記述します。データ送信をになうga(‘send’~ の前に書くというのがポイントです。このように直接「free(無料会員)」などと記述シてしまって構いません。dimension1 は変更しないでください。1番目のカスタムディメンションにセットする、という意味になります。
ga('set', 'dimension1', 'free'); ga('send', 'pageview');
2.ユニバーサルアナリティクス以前のバージョン
一つ前の、gaq.push~ という記述のあるトラッキングコードの場合は、カスタムディメンションに対応していません。したがって、カスタム変数という機能を代替することになります。
_gaq.push(['_setAccount', 'UA-xxxxxxxx-1']); _gaq.push(['_setCustomVar',1,'kaiinrank','free',1]); _gaq.push(['_trackPageview']);
‘_setCustomVar’ では、ユニバーサルアナリティクスのように最初に設定をする必要はありません。もともと5個まではハコが用意されています。受け渡すデータは4つ書きます。名称も「カスタム変数」とよばれ、カスタムディメンションとは区別されますのでご注意ください。そして、今後は、カスタムディメンションへの移行が進められます。
_gaq.push([‘_setCustomVar’,インデックス番号,名前,値,範囲]);
インデックス番号:1~5までで任意に設定します。
名前:任意の名称をつけます。
値:カスタム変数に実際に書き込むデータです。
範囲:1~3までの数字を書きます。カスタムディメンションの範囲と同等で、商品がないだけです。1:ユーザー、2:セッション、3:ヒット、です。
カスタム変数も、ユニバーサルアナリティクス同様、データ送信の命令(_gaq.push([‘_trackPageview’]);など)の前に記述されていませんと、送信されませんのでご注意ください。
3.タグマネージャー(GTM)での設定
GTMをつかってユニバーサルアナリティクスを利用している前提で解説します。ユニバーサルアナリティクスのときと同様、まずはアナリティクス設定で、カスタムディメンションを作成しておくようにしてください。
そのうえで、Googleタグマネージャのユニバーサルアナリティクスタグの詳細設定に追加すればOKです。インデックスには、カスタムディメンション定義時に表示されたインデックス番号を入力します。ディメンションの値には、Google タグマネージャの変数を使うこともできますし、手入力で直接データを書いても大丈夫です。
4.特定条件下でのタグマネージャー設定(準備)
前述のタグマネージャー(GTM)ではもともと設定されていますユニバーサルアナリティクスタグに追加する想定で解説しました。しかし、たとえば会員登録完了ページでのみカスタムディメンションを設定したい、とするとどうでしょうか。
あらたにユニバーサルアナリティクスタグを追加して、そこにカスタムディメンションを追加する?これはNGです。もともとあるユニバーサルアナリティクスタグと2重にページビュー計測してしまいます。
特定ページを検知するトリガーを設定して発火させる?これも不完全です。カスタムディメンションはそもそも1つのタグとして存在しないため、トリガーと連携できません。カスタムHTMLタグなどであれば、そのコード内でトリガーを判定して条件分岐などが可能ですが、通常のユニバーサルアナリティクスタグの追加設定についてはそこまで出来ないのです。これは前述のように、カスタムディメンションはデータ送信の命令とセットでないと送信されないという仕様が要因です。
ではどうすれば良いか。方法はいくつかありますが、私がつかって方法をご紹介します。ようはデータ送信とセットで使えば良いので、ダミー的なデータ送信と併用すれば良いとします。
5.特定条件下でのタグマネージャー設定(実践)
ようはデータ送信の命令と組み合わせれば良いので、ページビューに影響しないような何かと組み合わせてカスタムディメンションを設定すれば良いのです。
たとえば、dummyのイベントを送信するようにして、そのタグのなかにカスタムディメンションを追記します。タグをこのように設定して、トリガーに例えば「会員登録完了ページで発火」と配信条件を設定すればOKです。
もちろん、ダミーイベントはGoogleタグマネージャのレポートに反映してしまいますが、分析時に除外しやすい名称などにしておけば良いでしょう。
イベントは上限がありますので、すでに多く使っている場合は、ダミーのページビューでも構いませんが、そうしますとページビューに影響してしまいますのでちょっと使い勝手は良くないと思います。ですので、何か他の方法があれば紹介したこの方法以外で問題ありません。
上記のように、イベントの「非インタラクション ヒット」を「真」にしておけばイベントが直帰率に影響することを防げますので、可能ならばイベントを使って送信するのが影響が少なくて良いかなと思います。
カスタムディメンションの確認
さて、ユニバーサルアナリティクスでは、クッキーがすべて _ga=xxxx に統合されました。ユニバーサルアナリティクス以前のバージョンでは、カスタム変数がじつはクッキーに書かれることもありましたので、デベロッパーツールなどでも確認が可能でした。
Chromeですと、[F12]押下(Windows)でクッキーのリソースを確認できますので、そこでカスタム変数書き込みの有無は確認できました。ただしユーザー範囲の場合のみですが。
ユニバーサルアナリティクスの場合、そこで確認ができません。したがって、データ反映を待って確認するほかありませんので、運用上はログやブレイクポイントを独自に設定して、工夫するほかありません。
ga('set', 'dimension1', '1432026258'); console.log('1432026258');
カスタムディメンションを使った分析
カスタムディメンションにセットするデータ
カスタムディメンションを設定することは、その命令や設定をトラッキングコードに含めれば良いわけです。ですからポイントは、どういうデータを送信するのか、という値の部分なのです。
たとえば、ログイン・非ログインであれば、WordPressなど会員制サイトが作れるシステムでは、分岐タグを使えば簡単です。
<?php if ( is_user_logged_in() ) { ?> ga('set', 'dimension1', 'logined'); <?php } else { ?> ga('set', 'dimension1', 'notlogin'); <?php } ?>
また、セッション開始時刻を入れたいという場合でしたら、PHPなどで直接書いてしまっても良いでしょう。
ga('set', 'dimension1', '<?php echo date("H:i:s"); ?>');
どういう切り口で分析をしたいのか、という分析イメージをエンジニアに伝え、システムで利用可能な変数やパラメータを記述してもらいましょう。
カスタムディメンションを使った分析
JavaScriptを使いますと、スマホの画面の傾きを検知できます。カスタムディメンションのセッションに、スマホで縦持ちか横持ちかを入れてみました。
上図のレポートを見ますと、横持ちのほうがコンバージョンに相関がありそうです。動画など横向きに適したコンテンツ閲覧が奏功しているのかな?など、いろいろなアプローチが可能になります。
このように、カスタムディメンションにデータさえ入っていれば、セカンダリディメンションでもセグメントでも、カスタムレポートでもフィルタでも、どんな機能においてでも使えますので、独自の分析が可能になります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
カスタムディメンションは、Googleアナリティクスを使いこなすうえで、分析の独自のアプローチを可能にする機能です。
設定さえしてしまえば、記述やタグマネージャでの設定はとても簡単で、慣れてしまえばとても運用しやすい高度な機能かと思います。
ユニバーサルアナリティクスでは、20個まで使えますので、データ送信のコツさえつかめば、気軽に何かしらのデータを入れておく、といったカジュアルな使い方もできそうです。
ぜひ、みなさんも独自のデータをカスタムディメンションに入れて、分析の幅を拡げてみてはいかがでしょうか。
こちらの書籍はカスタムディメンションも詳しく書いてありますので、本当におすすめです。中級を目指したいかたは必携ですので、ぜひご購入をオススメします。
また、今後このブログで、どんなデータを入れるのかといったテクニックもご紹介できればとは思います、お楽しみに。
レッツ!カスタムディメション!
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