追記:2017年2月27日 本記事は2015年2月当時の内容です。アメリカのTPP離脱が発表され、この記事を書いた当時とはだいぶ情勢が変わりましたので、ご注意ください。
TPP交渉の状況です。
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タイトルはちょっと煽り過ぎですが、それでも潮目が変わるのは間違いないでしょう。ここで本当の実力が問われますね。
ついに来ました。著作権侵害は現在は、「侵害された人が訴える」ことで罪が問われることとなっていますが、「非親告罪」化で権利者の告訴がなくとも起訴が可能になります。
>>TPP交渉 著作権侵害は「非親告罪」で調整 NHKニュース
私がコンテンツ提供でお付き合いさせていただいたところには、安易な引用は絶対にやらないよう提言してきましたが、いよいよという感じです。以下にまとめてみましたので、参考になれば幸いです。
この記事の目次
非親告罪化の背景
非親告罪化は、これまでは日本がコミックなど2次創作やアレンジ作品などの文化に配慮して、慎重な姿勢でした。しかし、今回アメリカが「適用範囲について各国が判断できる余地を残す案が示」したことで、日本も受け入れるとの見方が広がっていると報じられたところです。
本当は秘密裏に進められている交渉ですが、なぜかいつもこういうリークがあるところは不思議ですが、すでにはてなブックマークなどでは話題になっています。
>>はてなブックマーク – TPP交渉 著作権侵害は「非親告罪」で調整 NHKニュース
「コミケ終了との噂」
「次は海賊版と黙認されてる二次創作をどれだけ分離できるか、かなあ。」
「ポイントは「営利目的等」の範囲かな。アメリカ流だとフェアユースもセットであるべきなんだが。」
コミックに話題が集まっていますが、Webマーケティング界隈では異なるインパクトがあるでしょう。
「ネットの自由」VS.著作権~TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書) 福井 健策: Kindleストア
引用の範囲
さて、いくつかのキュレーションメディアは「引用」を根拠に著作権侵害を回避していると思われます。また、現状、非親告罪なので訴訟費用を考えますと親告するメリットがないという泣き寝入り状態という現状をも利用していると言えなくもないでしょう。
>>弁護士ドットコム -少額訴訟と著作権侵害案件を弁護士が嫌がる理由とは何でしょうか?
さて、引用が適法とみられるには、(1)必然性がある(2)主従の関係で従である(3)引用元を明記している、ことが前提です。
もともとのコンテンツパワーを拝借してトラフィックを集めているようなキュレーションメディアは、とくに(1)について疑義が問われることとなるでしょう。必然性がある、というのはその図版からでないと説明できない事柄などです。
必然性については、ネットで著名なけんすうさんが、かつて漫画のコマを使ったエントリーが参考になります。コンテンツ周りにかかわられている方はぜひ読んでいただきたいエントリーです。
>>漫画のコマの引用についてについての調べた結果と謝罪について : けんすう日記
海外ではすでに独自コンテンツに舵を切る
実際、海外のバイラルメディアは独自コンテンツ作りに舵を切っているケースもあります。nanapiさんの考察記事はものすごく参考になります。
バズフィードは最初はアグリゲーションメディアとしてスタートしたのですが、その後調査報道など様々な分野の記事を提供しています。
>>月間読者1.5億人を抱えるバイラルメディア「BuzzFeed」を徹底解説 | nanapiマーケティングマニア
バイラルメディアの行く末に注目している著述家さんはモリジュンヤさん。どの記事もとても参考になります。
>>メディアではなくサービスとしてーー 勃興するバイラルメディアたちの中で Whats はどう舵を切るのか – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
コンテツはそう簡単に作れない
大手などではすでに独自記事を書けるキュレーター育成などに力を入れているところもあるとは思いますが、この環境変化に対応できないキュレーションやバイラルは、今後トラフィックだけでなく資金調達も厳しくなると思われます。
実際、BUZZFEEDなどもヘッドハンティングなどスピーディな人材獲得を展開しています。良質なコンテンツを安定供給できる人材はそう多くないのです。
クラウドソーシングでも、記事の難易度が上がりますと、応募がほんと減ります。専門性が高まったり、単価が安かったりしますと、募集件数を下回る案件が増えているように思います。これはクラウドワークスさんに限ったことではないと思います。そう甘くはないわけです。
今後、人材獲得のためのバイアウトも増えると思いますが、いかがでしょうか。
クラウドソーシング超入門 クラウドワークス公認版 (impress QuickBooks) 佐藤 厚: Kindleストア
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今後の対応や考えられること
普段からまっとうなコンテンツを投下しているところは、編集方針には問題ないでしょう。しかし、他社の動き次第で影響は出てくるかと思います。
大手が攻めてくる
大手は豊富な人材と資金で短期間にコンテンツを投下してくる可能性があります。また、ドメインパワーがもともと高いでしょうから、そうしますとSEOでも苦戦が強いられるかもしれません。
過去記事削除の需要
クラウドソーシングで、過去記事の調整ニーズが増えてくるかもしれません。楽天などでもコピペだけの仕事があったりするくらいですから、グレイな画像の削除だけの案件が出てくるかも。
コンテンツの高騰
安定して高品質なコンテンツを提供できる人材は限りがありますので、高騰が懸念されます。実際、pixivが予定していますキュレーションサイトでは記事単価500円という、他に比べますと倍近い単価で勝負していました。
>>【速報】ピクシブ関連会社がキュレーションを2月公開予定、まとめ1件500円※他社の単価も掲げてます。
独自コンテンツホルダーの台頭
ここにきてゲーム・チェンジが起こるかもしれません。こういう潮目が変わるときに、良い指揮官がいるところはそういう勝負どころを逃しません。
CC0素材集の台頭
>>CC0で著作権の制限無しで使える!Webページの背景などにいい素敵な動画がダウンロードできる -Distill | コリス
ブログなどの挿絵などには、パブリックドメイン画像の利用が求められるでしょう。そして、それらのクォリティが上がってくれが、現在の素材集サイトでもそのビジネスモデルで対応が求められるところが出てくるかもしれません。
侵害幇助のサービスも人ごとではない
仮にクラウドソーシングで著作権侵害コンテンツ作成の案件を掲載したり、ましてオプションの掲載有利などの広告で幇助(ほうじょ)してるなどしますと、それも罪に問われるかもしれませんね。
とりあえず、iTuesやGooglePLAYなども影響はあるのでしょうか、注目します。
2次創作による活況サイト
コミケなどが代表的な例でしょうけども、二次創作の投稿により活性化しているサイトは対応に追われることでしょう。とはいえ、想定範囲内ですかね。
逆にブログなど利用しやすいコンテンツは活況に?
Webマーケティング界隈ですと、SEM-LABOさんなどは、CCライセンスの表記を取り入れています。
今後、そのように著作権の利用範囲をしっかり明記して、引用しやすいメディアが喜ばれるかもように、なるかもしれません。
あとはGoogle次第かも
今後、この流れの鍵を握るのはじつはGoogleだと見ています。もちろん、グーグルはそんなことは思っていないでしょうけども、現状まとめサイトのビジネスを下支えしているのは、ソーシャルだけでなくSEOにも強い現状かと思います。
その集客力に裏打ちされ、高い評価を受けているサイトも少なくありません。しかし、Googleがそのようなサイトの評価を落とすことがあれば、もう復活はおそらく無理。可能性は低いとは思いますが、決定打となるためリスクとしては最も注目すべきと思っています。
とりあえず不安な人はこちらが参考になります
現在の著作権捜査に関する解説です。とてもわかりやすいです。
>>著作権法の非親告罪化と捜査の実情:愚直なまでも著作権:ITmedia
コンテンツイズキングですが、その扱いが変化を求めています。
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