Googleタグマネージャー唯一の解説書が電子書籍で登場

ワンタグ以上のことをしたい人に参考になる。

アユダンテさんからタグマネージャー本が登場、しかも電子書籍

Googleアナリティクスの国内で一番最初に公認パートナーになったアユダンテさんから、電子書籍が出たということで早速読ませていただきました。

Amazon、GooglePLAYブックス、Impressで販売されていますが、今だけかもしれませんが、GooglePLAYブックすでは100円安い900円で売られています。

>>実践 Googleタグマネージャ入門 – Google Play の書籍

レビュワーの立ち位置

・タグマネージャーはタグをはって、変数受け渡しのテストをした程度。
・イベントリスナーなど試験的には使ったことがある程度。
・アクセス解析、リスティング広告、リマーケティングタグなどの多数のタグには悩んでいない。
・普段はタグマネージャーではなく通常のトラッキングコード使い。
・アユダンテさんから献本していただきましたが、レビューは自分の意思で書いてます。
・アユダンテさんの一部の方とは面識はありますが、著者とは面識はありません。

つまり、タグマネージャーはほとんど詳しくないです。使ったり検証したりしたことはある程度で、運用レベルで長く付き合ったことはないです。なんか、そもそもレビューする資格があるのかどうか疑問な感じですが、まあよろしくお願いします。

さて、まえがきにはこう書いてあります。

・タグマネージャーの導入検討をしているところも増えている。
・しかし、新しいツールゆえ情報が少なく疑問を抱えている人も多い。
・そうした初心者に向けての入門書。
・設定事例集ではなく、ツールの仕組みや考え方の理解を支援。
・書かれている全てを理解する必要はない、まずは感触を掴んでほしい。
・アクセス解析、リスティング広告、リマーケティングタグなどを日々あつう「Web担当者」へ
・Webサイトを管理している「システム担当者」へ

ということだそうです。Web担とシステム担に向けて、だそうです。ですので、想定としては、タグマネージャー導入検討中のまだ触ったことのないWeb担が感触をつかめる、システム担当者は後半の変数渡しの理解がゴールなのかな、と解釈しました。

それが実現できているか、という観点でレビューしたいと思います。

前述のGooglePLAYブックスですと、ブラウザで立ち読みできるのでオススメです。

「実践Googleタグマネージャー入門」の目次

目次は以下のようになっています。

アウトラインとしては、タグマネージャについて理解して、実際に設置登録までを3章で学び、4章以降でより高度なトラッキングをするために読む、といった流れになっています。なお、索引はついていません。

実践 Googleタグマネージャ入門 目次
はじめに
第1章 Googleタグマネージャを知ろう
1-1 Googleタグマネージャとは
1-2 対応しているタグとしていないタグを知る
1-3 Googleタグマネージャを導入する前に考えておくべきこと
第2章 Googleタグマネージャを導入しよう
2-1 Googleタグマネージャを導入する流れ
2-2 Googleタグマネージャのアカウントを作成する
2-3 GoogleタグマネージャのタグをHTMLに追加する
2-4 Googleタグマネージャの管理画面を知ろう
2-5 三大要素「タグ」「トリガー」「変数」を知る
2-6 「プレビュー」と「公開」の流れを知る
第3章 主要なタグを設定して登録しよう
3-1 Googleアナリティクスの基本タグを設定する
3-2 複数ドメインでのトラッキングを設定する
3-3 仮想URLのページビュー計測タグを設定する
3-4 イベント計測タグを設定する
3-5 カスタムディメンション/指標を設定する
3-6 Eコマースタグを設定する
3-7 Google AdWordsのコンバージョンタグを設定する
3-8 Google AdWordsのリマーケティングタグを設定する
3-9 カスタムHTMLタグでYahoo! プロモーション広告を設定する
第4章 目的に合わせた配信トリガーを作成しよう
4-1 特定のページのみに配信する
4-2 特定のディレクトリ以下のページに配信する
4-3 特定のドメインのページにのみ配信する
4-4 クエリに任意の値が入っているときに配信する
4-5 複数のトリガーを組み合わせる
4-6 正規表現で細かな条件を設定する
4-7 JavaScriptから任意のタイミングで配信する
4-8 リンクがクリックされたときに配信する
第5章 変数でさまざまなデータを取得しよう
5-1 ページ内にあるテキストを参照する
5-2 JavaScript変数の値を参照する
5-3 Cookieの値を参照する
5-4 ルックアップテーブルで状況ごとの値を取得する
5-5 GoogleタグマネージャにJavaScriptからデータを渡す
5-6 カスタムJavaScriptで値の算出や取得を行う
第6章 タグマネジメント実践ケーススタディ
6-1 リンクのクリックをGoogleアナリティクスのイベントとして識別する
6-2 購入金額をコンバージョンの値として取得して送信する
6-3 会員か非会員かの情報をカスタムディメンションに出力する
付録
A-1 配信したタグの実際の値を調べるには?
A-2 もしも公開した設定内容に誤りがあった場合は?
著者プロフィール
奥付

内容は正確、新UIの画面での解説

画面はすべて新UIでの解説になります。

新UIというのは最近実装されたもので、現在タグマネージャーをお使いの方でも、画面右上に「Try new UI」というリンクをクリックすれば試せます。ただ、私のアカウントは、いざ使おうとすると、「アカウントはまだ古いままだから新UIではなく古いUIで表示するね」と表示され、残念ながら本書のUIを試すことは叶いませんでした。

さて、内容ですが、さすがアユダンテさんです、内容はものすごく正確に書かれています。当たり前と言えば当たり前ですが、つねに変わっていくGoogleのツールでここまで調べるのは、本当に骨が折れたことと思います。いっぽうで、文書中にですます調とだである調が混在するなど、編集上の読みにくさはありました。

初心者向けにはどうか

第1章で、GoogleアナリティクスのABテストや、SNSボタンのタグは使えません、と書かれており親切です。いわゆる同期タグがダメなようです。導入に悩んでいる初心者には嬉しい情報かと思います。また、導入のコストにも言及されていますので、導入検討者には役立ちます。

2章では導入の解説。具体的に画面キャプチャで解説されますので、読み進めることで導入のイメージがつかめます。またこの章でコンテナの基本概念にふれています。

3章で、Googleアナリティクスやリマーケタグなど、実際に貼り付けるタグの発行となります。ここでトリガーといった概念が解説されます。

「Eコマースタグは少し設定が複雑」と書かれているとおり、じつはECについては、タグマネージャー外にそのスクリプトを書かなくてはいけません。

後述はされるのですが、導入をメインにおいた3章ではサンプルを紹介するにとどまっています。しかし、導入をイメージできる、という点ではこの書き方で正解なのだと思います。

おそらく通常使うぶんには、もしくは現状多数あるタグをまとめたい、といったケースには対応できるのかな、と感じました。

初心者には3章までで導入のイメージがつかめますので、それを期待して購入するぶんには、損はしないかなと思いました。

いっぽうで、(イベント計測の章で)「〜イベント計測について取り上げます」と、冗長な表現が多く見られます。内容的には良いものの、その編集さんの力量不足で、ちょっと初心者には読みにくい文章となっていて、損をしてしまっているなあという印象でした。

システム担当者向けにはどうか

システム担当者としてはおそらく4章以降の、より高度なデータをどう取得するか、タグマネージャーから外のタグをどう書くか、というところが参考になるはずです。

じつは、タグマネージャーはより動的な処理をさせようと思うと、ワンタグでは終わらないのです(代表的なものはショッピングカート、価格などの数値データはタグの外に受け渡す処理を書かなくてはいけない)。

タグマネージャーはいろいろな画面を行ったり来たりして、かつ、ホームページにおいても、どこからどう値を持ってくるか、ということがこんがらがってくることが多いのですが、キャプチャなどでうまく伝えていると思います。

ただ、おしむらくは編集のテンプレートとして、節やコラム、補足などの、書籍の体裁としてのパーツがわかりにくいところ。レイアウトが固定されないリフロー型の電子書籍の宿命ではあるものの、もう少し整理できなかったかなと思いました。

もちろん、これは私が読みにくいというだけで、ある程度GTMを使っている人にも問題ないレベルだとは思います。プレビューモードなど実践的なタグ設置のTIPSもあり役立ちます。

実際、タグマネージャーの複雑な仕組みのなかで、よくここまで書かれたなあ、というのが正直な感想です。6章のケーススタディを読み実践的なイメージをしてから、4章5章を読むと、よりイメージが広がるかもしれません。

ソーシャル上での評判

たしかにこの内容で1000円は安いですね。10時49分、タイトルにGoogleってつけました。そうですよね、GTMです。

PCなどいろんな端末で読めて100円安いGoogleプレイBOOKS版がオススメ

まずはKindle PaperWhite(2013)。図版もキレイです。
タグマネージャーの本1

つぎにスマホ。私のXperiaZでは、文字サイズを小さくすると読みやすいです。
スマホで電子書籍

iPad mini。それなりの情報量になって、やっぱり一番読みやすいですね。
iPadで電子書籍

次に21インチAndroid。横にPCのディスプレイがあるのですが、やっぱりマニュアル的に見ながら作業するには快適ですね。GooglePLAYブックス版は、ブラウザで読めますので、デュアルディスプレイな方はこれが出来ますよー。
次にディスプレイ

目次さっくさくに探せます。
Googleプレイ版がオススメ

GooglePLAY版はブラウザで読めるので、じつはiPhoneやiPad、Mac、WindowsユーザーでもOKという。100円安いですので、Kindle版よりもこちらがオススメです。

総括

本書は、国内で唯一のGoogleタグマネージャーとしての書籍として、その網羅性からは、その存在意義があります。

タグって何?という入門者ではなく、ある程度タグに触れたことがある、タグに悩んでいる初心者であれば、前半が役立つでしょう。後半はシステム管理者が、タグまわりの勘所をつかむときに役立つでしょう。

いっぽうで、索引がない、ですます調だである調が混在する、などといった編集の粗さが目立つものとなっていますので(電子書籍なので改修されるかもしれませんが、2014年11月現時点では未改修)、それらを総合的に見て、1000円を高いとみるか安いと見るか、という判断になるかと思います。

GooglePLAYブックスでは、ブラウザで立ち読みできますので、まずはそちらを読まれるのがオススメかと思います。

また、著者である畑岡さんのブログ記事を読み、その雰囲気をつかむのも良いでしょう。

>>Google Tag Managerのコラム|アユダンテ株式会社

いずれにせよ、新しいUIで、しかも英語表記で、これだけの網羅性をがんばったアユダンテさんには、頭が下がる思いです。ありがとうございました。

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しかしなぜGoogleのほうが100円安い?