Amazonが、最安で実質4980円という戦略的価格の7インチタブレットを、販売予約スタートさせました。
こんにちは、カグア!です。FireタブレットやKindle Paperwhite など、アマゾン端末は以前から注目してきました。
ただ、今回はちょっとこれまでとは異なる意図を感じたことと、たぶん他ではあまり触れられないだろうとも思いましたので、記事化しました。ご参考になれば幸いです。
<New>Fireタブレット 8GB
追記:2015年9月25日 Fire TV Stick も凄かったので掲載。
この記事の目次
今回発売する Fireタブレットって?
AndroidをベースにAmazon独自に開発したシステムを搭載するタブレット端末です。6インチから10インチまで多くのラインナップがそろっています。
特徴はなんといってもAmazon関連アプリやサービスが利用しやすいこと。プライム会員であれば、一部のKindle本を毎月無料で読めたり、後述のビデオサポート機能があったり(1部のモデルは非対応)と、戦略的商品です。
競合としては、iPadやXPERIAというよりは、楽天Koboのほうが近いかと思います。
>>「fireタブレット: Kindleストア」一覧はこちら。
<Amazon>
なかでも今回発表されたFireタブレットというエントリーモデルでは、Mayday(メイデイ)というビデオサポート機能に対応させてきました。新たな顧客体験を広めようという意欲を感じます。
新たな顧客体験って何?
ここ最近のAmazonはとにかくユーザーとの距離を縮めることに精力的です。次の動画を見て下さい。注目は39秒あたりからです。
サービス名称はMayday(メイデイ)。上記の動画では、Fireタブレット画面を介して、カスタマーサポートをしてくれています。コールセンターの進化系といっても良いかと。日本でもキャッシングなどではすでに広まっていますね。
この機能はかつては、49800円もする最上位機種でしか利用できなかったビデオチャット・カスタマーサービス。ユーザーの画面を遠隔で操作して、画面をマーキングなどして図示しながら、わかりやすく解説してくれるというものです。
YouTubeで「Mayday button」と検索しますと、先行してリリースされた米国では、そのやりとりの動画が多数アップされるほどの人気ぶり。
>>Mayday button – YouTube
それが今回、非常に運営コストのかかるサービスでありながら、最安で4980円というもっとも安いエントリーモデルにも対応させてきた、ということが注目なわけです。
メイデイって何が凄いの?
日本のメディアでもMayday(メイデイ)の体験レビューが記事になっています。
>>24時間対応、Fire HDX 8.9だけのカスタマーサービス機能「Mayday」を使ってみた – ITmedia eBook USER
メイデイの凄いところは、15秒で通話開始、自分は見えない、画面を遠隔で操作してくれる、しかも24時間対応という、カスタマーサポート界のパーフェクト超人のようなサービスです。最上位機種でしか体験できないユーザー体験ということでは、ファーストクラスのサービスとも言えます。
実際のサポートはこんなにわかりやすい
それでは実際のサポートの様子を、最初のモデル発表当時に、公式に公開されていました動画から見てみましょう。
「Mayday」ボタンをタップすると、15秒以内に通話開始。エイミーさんが登場です。「ハーイ!」
「ワオ!」
こんな感じに実際のユーザー画面にマルがつくなど、遠隔操作で図示してくれます。わかりやすさの宝石箱や!
Maydayでも自分が見えてしまう場合
カメラ機能のサポートを受けているときは、カメラ機能により、こちら側が見えてしまいます。
こちら側が見えないからといって油断しないように気をつけてください。
ユーザーエクスペリエンスの先には
その後前述のユーザーはどうなったでしょうか。動画の続きを見ていきましょう。
「子供のために利用制限をしたいんだ」
「こんな感じに制限すればOKですよ。」
「ありがとう!これうちの子供だよ!」「あらあら」
さらに、数日後・・・、
「TVのつなぎ方を教えてほしいんだ」
「こうすればOKですよ」「なるほどね」
「おい、みんな!つながったぞ!」
え!?(゚∀゚ ;)
「(みんな)ありがとう、エイミー!」「あたしからは見えないんですけどね・・・」
なんという素晴らしいユーザー体験でしょう。ただ、残念ながらこの動画はAmazon公式チャンネルからは2015年9月18日現在削除されています。それでも当時、Amazonはこんなにも人間臭い、ユーザーに歩み寄ったサービスをしていきますよ、と明確なメッセージを発信したことは、合理主義で機械的なイメージが強かった私には驚きをもって見入ったことを覚えています。
だって、こんなロボット物流もしている会社が、ですよ。
>>アマゾン「Kiva」ロボット–棚ごと商品を運ぶ配送センターの効率化技術 – CNET Japan
なおカスタマーサポートを重視しているというメッセージ動画は、現在でも多数掲載されています。
Amazonの公式YouTubeチャンネルはこちら。
>>amazon – YouTube
戦略的端末であったFireフォンでもMaydayは搭載されています。
人とのつながりは世界共通。新たな価値競争でAmazonも挑戦しつづけています。
新しい接触点の争奪戦がはじまっている
なぜ、Amazonはここまでユーザー体験を提供することにリソースを割くのでしょうか。ここ数年のAmazonは、それらに注力しているようにも見えます。
すぐに注文できるアマゾンダッシュボタン。
>>Amazon Dash Button – YouTube
米国ではじつはリアル店舗も展開しています。
>>アマゾン、初の実店舗 NYで出店へ 年末商戦に合わせ – WSJ
その背景として、国内では最近じわりとAmazonを追撃しているヨドバシカメラなど大手小売の追撃があると思われます。
>>スマホでの店内撮影も可能に:ヨドバシカメラ、全店に無料Wi-Fiスポットを整備 登録不要ですぐに接続可能 – ITmedia Mobile
>>【経済インサイド】ヨドバシ・ドット・コムが王者アマゾンを猛追 年商1000億円へ 驚異の成長力のヒミツは?(1/4ページ) – 産経ニュース
ヨドバシの今回のリリースは、なんと店内撮影や店内でスマホ利用OKという内容です。ここ数年実店舗は、ショールーミングといって、実際の商品は実店舗で確認するけれど買うのはネットの最安通販サイト、という消費者行動に悩まされてきました。
しかし、ヨドバシがそれを取り込む姿勢を見せ、流れが変わってきたと思われます。これは基本ネットでしか展開していないAmazonにはとれない戦術で非常に有効だからです。
でも、書店でもイスとテーブルを置くなどしていますけど、もう一般化するほどになりましたよね。今後、実店舗はショールーミングを取り込む流れに変わっていくと思います。
さてこれまでのネットマーケティングでは、90年から2000年前半、まずは一部のPCユーザーを取り込む戦いが繰り広げられ、そしてスマホの普及によりライト層の取り込みも活況となり、そして今度は、スマホ画面以外からのアプローチを各社が狙っている、という戦局に移りつつあります。そういう点では、各社の展開も合理性があると見て良いでしょう。
Amazonは今米国でドローン配達のシェアをとるべく展開しています。それもリアル世界でAmazonの広告塔を飛ばせると捉えれば、合点がいきます。
>>drone配送、amazonの真の狙い | 株式会社プライメッジ Primedge Inc.
じつはサポートはこれまでも凄かった
ブログやネット検索をしていますと、Amazonサポートの神対応が、結構な数で見つかります。ネット企業のイメージが強いAmazonですが、じつはそういったアナログなところも、相当に力を入れています。
みなさんは、上記の「Amazonカスタマーサポートに連絡」というページを使ったことがありますか?Amazon全ページのフッターにリンクがあります。
問い合わせ内容に応じてボタンをクリックしていくのですが、最終的に、電話、チャット、メールが選べます。そして、電話については、Amazonからかけてもらう依頼までできるほどの力の入れようなのです。
じっさいに使ったことがありますが、コールセンターの対応や言葉遣いなど、最高レベルです。仕事柄、さまざまなコールセンターのベンチマークをしています。しかし、国内通販老舗など多くのコールセンターと比べましても高い対応力と感じています。大学講師時代に授業アンケートを毎年とられていた身としてもそう思います。
・言葉遣い
・待ち時間
・解決スキル
・声のトーンや聞き取りやすい声のスピード
・誰が出てもほぼ同等の対応力
・24時間対応
・履歴
国内ECサイト運営者は参考にすべき点がたくさんあると思います。あまり知られていないのですが、いわゆる「神対応」のお手本のような対応です。もちろん人によって受け取り方はさまざまで、問題も多種多様ですので、ネガティブな評価もゼロではないでしょう。
しかし、ここまでの安定した品質は、もっと評価の声が出てきても良い気はしますけどね。
Fire TV Stick
さらに、音声リモコンという進化もしてきてます。
まとめ
このように、新たなユーザー接点をリアルに増やす模索を加速させているAmazon。
その尖兵として新しいFireタブレットは注目に値すると見ています。みなさんはどう思われたでしょうか?
もちろん、今回のFireタブレットのMayday対応や低価格は単に販売促進やプライムのテコ入れなだけかもしれません。それでも気になるんですよね。
<New>Fireタブレット 8GB
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これ、ジャパネットたかた社長が、「しかもなんとこれ、ビデオで画面説明してくれるんですよ!24時間対応で15秒以内に出てくれるんですよ!」とアピールしてくれたら、ふつうに売れると思いますがいかがでしょうか。YAMADA電機のエブリパッドはガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブルな気はします。
ただ逆に、価格を優先したこのモデルは、スペック的には特筆すべきところはほとんど無いため(外部MicroSD対応くらいかな)、そうした売り方をしないとキツイ気もします。そして、プライム会員であれば最安で実質4980円で買える戦略的価格という。※米国Amazonでは49.99ドルで売ってはいるのですけどね、それでも挑戦プライスかと。
国内でも早く、LINEフォン出ないかなあ~。
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