クォリティが良いのは勿論のこと。
アフレコ動画「HAPPY」のブーム
まずは上の動画を見て下さい。海外でブレイクしています「Happy(ハッピー)」という曲に合わせて踊る動画が流行っています。国内では原宿を皮切りに、いくつかの地方版が作られるというムーブメントが起きています。
その中でも後発で、かつ原宿や福島ほどの知名度がないものの、再生回数を上げているのが、宮城県石巻版HAPPYです。後発ながら1週間をまたずに再生回数2万回という異例のペースで動画の再生回数が増えています。
>>福島発「ハッピー」ダンス…動画再生40万超 : IT&メディア : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
>>Pharrell Williams – Happy
>>世界中で話題のファレルの『HAPPY』動画が日本を駆け巡る! | エンタメウス
>>Pharrell Williams “Happy” – カバー動画で世界一周 – NAVER まとめ
>>「恋チュン」「アナ雪」に続くYouTubeカバーブーム到来?ファレル・ウィリアムス「HAPPY」が熱い。 – ソーシャルメディア研究所ブログ
すでに多くの解説記事がありますので、本エントリーでは、宮城県石巻版HAPPYにフォーカスして、エッセンスを見て行きたいと思います。
HAPPY原宿はダントツの85万回
2014年7月11日現在、国内版HAPPYでは原宿がダントツの85万回の再生回数です。
>>Happy from Harajuku Tokyo – Pharrell Williams #harajukuhappytimes – YouTube
YouTubeでは公開設定されていれば、日ごとの再生回数がわかりますので、ベンチマークをするには参考になります(PC版で再生回数の下に小さい棒グラフのマークがあり、公開設定されているとそこがクリックでき、以下が見られます)。
ついで福島の50万回です。これらが突き抜けています。福島版は1日に約1万回のペースで再生され、勢いは止まるところを知りません。
>>Pharrell Williams – HAPPY (Fukushima, Japan) #happyfukushima #happyday – YouTube
ハッピー京都大阪神戸は13万回。
>>Pharrell Williams – Happy “WE ARE FROM KOBE OSAKA KYOTO” #HAPPYDAY – YouTube
ハッピー宮城。
>>Pharrell Williams – Happy We Are From Miyagi – YouTube
ちなみにこちらは、日本でもっとも有名なYouTuberであるHIKAKINさんの進撃の巨人のグッズネタの動画です。国内でもっとも著名なYouTuberでも継続的に再生回数を増やすことが難しいことを物語っています。
また、他の地域のHAPPY動画もいくつか登場していますが、石巻のペースのようには動画の再生回数を増やすほどには至っていないのが、現状です。
再生回数を増やす方法〜基本編
動画の再生回数を増やす方法は、すでに前述の熊坂さんのブログで解説されています。
>>「恋チュン」動画に見る、再生回数が上がるコンテンツの作りかた – ソーシャルメディア研究所ブログ
>>「ご当地版HAPPY」の作り方ミニガイド | 熊坂仁美.com
>>「HAPPY」にかかわる著作権についてのことなど。 | 熊坂仁美.com
出だしの重要性など3つのポイントについて触れられています。また、ある程度再生回数が増えてきますと、関連動画でブーストもかかることでしょう。関連動画への露出はとくにスマホ攻略においてはとても重要です。
福島や原宿は、国内版で先んじて投入できた、地域ブランドがあった、出演者に著名人を多数配したなど、それなりにタイミングなど戦略上よく練られたもので、そのプロデュース力(もちろんセンスの良い映像を作るクリエイターやディレクターの質も重要)が秀でていることが特徴です。
タイミングよくクォリティの高いコンテンツを投下する、ブランド力があるところであればあるほど、そのことが話題にもなり、また出演者やそのファンの拡散も期待できる、という戦術がみてとれます。
動画の再生回数を増やす方法〜石巻編
ムーブメントにのっかりつつも、徹底的なベンチマークとサービス精神が重要なのだそうです。
実は、HAPPY石巻の制作者の方々は、前述のHAPPY福島の制作者の方に意見を聞いたり、動画の構成や撮影方法をしっかりと研究されたりしたそうです(制作者にインタビューしてきました)。構成は、出演者、内容、場所、職種などシートに洗い出して分析、多様性が出るように出演依頼やロケハンなど苦労されたそうです。
そして、そういったメイキングなどの情報をしっかり発信することが重要。制作したイトナブさんはIT技術者育成にも力を入れている熱い企業さんです。
>>HAPPY石巻版メイキングビデオ・制作後記 | イトナブ
もちろん、お笑い芸人であるダイノジさんを配したり、コネタも勿論しっかり投入。そして、動画の最後には、今、ガジェット系界隈で話題の小型ヘリコプター・ドローンでの空撮!GoProを使い、ある一文字を作っています。そういった、ギークな人たちが思わず拡散したくなるような仕掛けをも、うまく入れて多面的な動画にしています。なお、この空撮、最初はHAPPYの人文字でいく予定だったらしいのですが、急遽現場で変更され、ある文字に変わったそうです。ぜひ、見てみて下さい、思わず膝を叩いてしまうことでしょう。こういう柔軟な対応が現場では、本当に不可欠だそうです。
映像作品としてのクォリティはもちろんのこと、後発組こそ「多機能」に、より多くの人に刺さるようなコネタを仕込むサービス精神が、じわじわと再生回数を上げていくポイントなのではないかと思います。
HAPPY撮影時の苦労した点
スタッフの方から教えて頂きました撮影の苦労を、以下にまとめます。YouTube動画などコンテンツ・マーケティングを重視される方には、参考になるかと思います。
・笑ってもらうためには
出演者が踊りやすい雰囲気作りが重要。撮影側は結構疲れることも覚悟しましょう。暑い日はなおさらです。もちろん、もともとノリノリな人をアサインするというのも、ムードをひっぱってくれるので重要。あらかじめ撮っておいたHAPPYの試作を見せる。ノリの良い人で、さらに知り合いを集めるなど。
・アマチュアやセミプロなどのアサイン
FBページやブログなどを持っている人がわりと見つかりやすいそうです。また、クラブシーンなど出演者が多いところは、主催者に企画書を作って持参するなど、事前の許諾をしっかり通すことが重要だそうです。
・HAPPY撮影当日の苦労(ドローンでの空撮)
最後の空撮のときは雨が降ってきて「大丈夫か?」となったそうですが、撮影直前に弱まってラッキーだったとのこと。天候リスクも考慮しないといけません。また、空撮では機械をきちんと制御して上に真上に持っていくのが大変だそうで、操作練習も事前にしっかり行いたいところ。とにかく、水ポチャとかヒヤヒヤだったそうです。あと、カメラやバッテリーは、勿論複数台持参して万一に備えたとのことです。
・HAPPY撮影時の苦労
道路での撮影は車が通って大変だったとのこと。遠くで見張ってる人を決めて、「車来たよー!」とかして、そのたびに撮影中断したそうです。先方とのアサインのタイミングが合わなかったとき(ミーティング中だったり)は出直して撮影など、とにかく出演者が多いので何が起こるかわからない、といったリスクは多いそうです。ですので、その場の柔軟な対応がポイントだそうです。
アフレコ動画など、ムーブメントに乗っかって動画コンテンツを投下することは、そのクォリティや制作スピードなど要求されるものが多く、そういう点では実は座席が少ないとも言えます。一方で、それらを踏まえてもしっかりベンチマークを行い丁寧な作品作りをすれば、HAPPY石巻のように、じわじわと動画の再生回数を増やし、ブランディングや、そして地域活性化の一助になる、という素敵なプレゼントが待っているはずです。動画コンテンツは制作コストはかかりますが、記事と違いじわじわとブランディングがなされる貴重なコンテンツです。
みなさんも、そんな動画コンテンツを作ってみませんか。
追記 2014年7月12日 YouTubeの統計情報の見方と制作のイトナブさんへのリンクを追加しました。
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