私自信、今でも見積もりってうまく出せてないと思う。最近、価格設定の話をよく目にしますのでシェアしましょう。
この記事の目次
1.値段を下げたほうが売れるの?
よく聞く話だと思うのですが、おそらくは、合っている部分とそうでない部分と両方かと。
値下げをした時の効果
デフレが続くと、値段を下げないと顧客離れしそうな不安にかられます。しかし、値下げをしても、値下げせず売れないとしても効果は似たような感じになるはずです。※1
ですから、値下げをする場合でも、値下げ分を、どういう意味合いで捉えるかがポイントかと。
値下げ対策の事例
例1:マクドナルド
値下げを集客に利用:一方で420円のテキサスバーガーをヒットさせる
>>値下げ分は、実質広告費として考える
※いやホントのところの仕訳はわからないですよ。
※今の好調は「FC経営への転換が奏功」しているから、という指摘もあるかもしれませんが。
例2:トヨタ
軽自動車は販売しない:一方でダイハツという別資本で展開
>>値下げ分は、別会社として確保>>ブランドを守る
※ユニクロとg.u.もそんな感じですよね。
例3:多くのネットショップ
送料無料:送料無料になるのは要会員登録
>>送料無料圧力を販促費として考える
※ホントのところの仕訳はわからないですよ、これまた。
このあたり、マクドナルドはうまくて、値下げ分をうまくPDCAサイクルをまわす潤滑油にしているようです。デフレ下のときは値段が一番のキャッチになることを、うまく利用しているのだと思います。
>>大西 宏のマーケティング・エッセンス:マクドナルド快進撃を分解してみる
値下げ戦略を見直したケース
こういった値下げ演出は、無論競争具合にもよると思います。
例えばWeb制作の場合ですと、「無料で作ります!」みたいな戦術が究極といえば究極なのですが、それって、0円携帯みたいなもので、その後の手数料や保守料で儲ける手法。
振り返ると以前、サイト制作が無料ということで、TVで取り上げられ、話題になった企業があります。
上記リンクは、archive.orgで2003年当時のものですが、今はこうです。
>>旅館ホテル専用 宿泊予約システム ホームページ制作【ヤドバンス】
FAQページを見ましても、現在は「ホームページ制作料金は別料金となります。」と明記され無料戦略は見直しをされたようです。
成果報酬というと、お客様にとっては響きは良いですが、それが可能なモデルと、そうでないモデルがあるんだと思います。※2
2.売上がヤバい時どうやって切り抜けるか
価格戦略をとるときの、大きな敵は「不安」です。
実際、売上げが減り、キャッシュが回らなくなる、そんな先が見えてくると、どうしようもない不安に見舞われ、値下げしたくなる衝動に駆られます。
「深夜バイトをしようかと思う」と切り出した
私の体験談です。上記のように言って、家族に相談したことがあります。さすがにそれは止められましたが、それくらいフローが逼迫していた時期がありました。
ただ、明確な売上げアップの答えが、思いつくはずもなくオロオロしてました。
ましてや、少ないながらも、現状の仕事もしっかりこなさなくてはなりませんから、時間をとって新商品開発とか、そんな余裕は無かったです。
(もっと早く気づけよ!というツッコミは、まさにその通り。ただ、毎月の帳簿入力もいっぱいいっぱいの私の作業スピードでは、予測をするほどの余裕も無かったのが正直な所。甘いです。)
売上減に対してとった対策は・・・
結局、とった戦術は何もしないことでした。
新しいことには手を出さず、手広くもやらない。IT系ですと、よく「何もしないリスク」と言われますが、全くその逆のことをしました。
ただ、そんな中で、役員報酬にはメスを入れましたし、経費も大幅にカットしました。
でも、止めても何とかなるコストも多数あったのは発見でした。携帯はドコモからソフトバンクへ。ホスティングを安いところへ。ADSLを低速度のものへ。電気はこまめに切る、などなど。
その2ヵ月後くらいになって効果が出始め、売上が増えないながらも、きちんと人件費確保が出来た、そんな数字を見られたときは、とても嬉しかったです。
経費削減に決定打は無い
総じて思ったことはコストカットに決定打は無い、ということでした。
そりゃ人件費やリストラ、賃貸料圧縮がそうなのでしょうけども、弊社は実質私一人ですし、事務所兼自宅ですので、実質個人みたいなもので、リストラ出来る人員は無いです。
まして、教育費や住宅ローンなどカットできない個人の事情もありますので、首が回らなくなるってこういうことか・・・と思いました。
結果として、経費削減のロングテールといいますか、全科目に渡ってコストカットしますと、規模が小さくても、売上げが少なくとも、それなりの額になるものなんですね。ほんと不思議でした。
売上増と利益アップのために
>>ニッポンの翼 5年後の破綻に向けて! – Chikirinの日記
ちょうどちきりんさんのブログでも、コストに関する下りがありましたが、まさにその通りだと思いました。
企業の再生にはふたつの改善が必要です。ひとつがトップラインの改善、もうひとつがボトムラインの改善です。財務用語で、トップラインとは売上、ボトムラインとは利益です。企業再生にはこのふたつが不可欠で、どちらかひとつでは成功しません。
フリーランスでやる以上、サービスや技術力向上も大事なのですが、こういう舵取りも実は大事なのだろうと思います。
3.ネットサービスを有料化したら変わったこと
以下も体験談です。
独立した1997年、テレホーダイやISDNといった通信環境で、Appleもデジカメを出すなど、ちょうどデジカメも出始めの頃。
似顔絵注文のサイトを始めた
メールで画像をもらい、似顔絵を描くサービスをやったら受けるのでは?と、安易に「似顔絵屋さん」というサイトを立ち上げました。
じゃあ1点いくらにする?
・・・そこで、サイト制作の手が止まります。当時は、検索しても他社や情報が見つかるわけでもなく、まして、似顔絵描きの実績があるわけでもなかったので、値段をいくらにしたらいいのか、わからなかったのです。
(そんな自信が無いのにはじめたのかよ!というツッコミが聞こえてきそうですが、とりあえずサンプルはたくさん掲載はしていました。)
ですから、値付けをするのはヤメました。そう、無料にしたのです。
今なら、人月で計算するとか、時給で計算するとか、やりそうなものですが、その時間単価さえ思いつかなかったのです。幼いすぎる。
有料化に踏み切った
とまあ、そんなこんなで、とりあえず立ち上げました。そして月日が経ち、検索にヒットするようになると、ポツポツお客様が来るようになりました。いや、本当にネットですごいな、と思いました。※3
そんなふうに反応があるのは嬉しく、修正が何回にも及ぶことも多く、割に合わないことも多かったながら、嬉しくて何とか対応していきました。
そして、ある程度の件数になった頃に、有料化をしました。
1点1500円。
これでも、今考えると安いわけですが、どちらかというと、実績の無い私としては、恐れ多い気持ちで値付けをしました。
しかし、幸いにして、注文は減ることはありませんでした。ただ、一点の違いを除いては・・・。
それは、無料時は女性のお客様が多く、
有料にしたとたん男性のお客様が多くなった、
という点です。
こんなにも違うのかと、当時は驚きました。
女性の方がお得に弱く、男性の方がお金という物差しを重視するのか、などとも想像もしましたが、本当のところはわかりません。
ただ、「値段というのも表現方法の一種!?」とも思った瞬間でした。
ちなみに、よくこう言われますよね
よく「値段や収入は評価だ」という声を聞きますが、私は、そうではないと思います。それを言ったら、私の例だけとれば、女性は評価出来ないということになってしまいます。
ですから、それはきっと「そういう側面もある」ということだと思うんです。「その評価をバネにして頑張れ」くらいに解釈するのが良いのかと。
価格設定をするときには、いろいろな側面があるものです。ですから、見積もりの一般的手法(工数計算とか)さえ理解したら、今出来る精一杯の計算をすれば、いいと思います。
・Web制作料金の参考URL
>>[修正版]ウェブ制作価格を相場以下で受けている企業が覚えておいて損のない5つの防衛手段*ホームページを作る人のネタ帳
>>○○円ならどこまでできる!? ウェブサイト制作の相場早見表 | Web担当者Forum
>>web制作 価格表 – Google 検索
長文、お付き合いありがとうございました。
なんか、本当に四方山話になってしまいましたが、値段というものをちょっと考えてみた次第です。
仕入れが無いサービスや技術など無形のものを扱っていて経験の少ない時には、ほんと値付けって悩みますよね。
お互いがんばりましょう。
注釈
※1スケールメリットを生かせる場合は、売上が上がる場合もあります。
※2手数料やリース料とすると、会社側で経費計上しやすいというのもあるのかもしれませんが。ドカンと数百万かかるのと、毎月小額でもリース計上出来るほうが良い等)
※3 好きなことを仕事にしてしまうデメリットかもしれません。安易に無理しちゃうというか。
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