コンテストってほんと大変なんですよ。
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・スタートアップではないけれど、教育系の2つの動きに注目してる
この記事の目次
バナー作成コンテストの結果
以前、教育系の動きについて報じましたが、追加調査しました。
結論としては、optさんのコンテスト結果が公開されていますので、それを見ると、採用されるデザインってこういうものなんだなあ、と勉強になります。
>>ランサーズ×オプト WEB広告クリエイターオーディション<バナー編>の事例/実績/提案|ランサーズ
応募106件に対して、採用15件です。採用された人の中には、初受注の人や、数件目の採用といった人もいて、超テンション上がるだろうなあと思いました。この中からスターが生まれてくれれば、optもランサーズもそして受注者も嬉しい、という感じですね。
コンテスト開催はスゲー面倒
ネット全盛の時代ですから、コンテストってほんと運営は割に合わないです。
え?むしろ応募しやすくなって、盛り上がるんじゃないの?という方。ネットで応募しやすくなるというメリットはとんでもなく小さく、ほぼ無いのと同じです。
実際、上記コンテストも、ビッグネームが開催してリリースまで出して106件です。1万円でコンペして、普通に数百件集まる現状においては、複数応募で重複ユーザーがいることを考えますと、割に合ったのか?と社内で叩かれかねない状況ではないでしょうか。
作品が集まる、は幻想
私はいちど通信系大手キャリアと組んで、専門学校時代にコンテストを開催したことがあります。募集、エレー大変でしたよ。使える人脈はとことん使いました。なんとか当日10名ほど集まってくださったので助かりました。
また、それでも、作品の質が保証されるわけではありません。さすがに初回から「該当作無し」とするわけにはいかないでしょうから、ほんと大変なんですよ。
歴史のあるTV番組「欽ちゃんの仮装大賞」も、今年はホールとかじゃなくてスタジオで撮影でしたよね。あと、芸能人枠も数年前からある。あと、応募者を募る告知が番組中に流れるのはいいのですが、「いますぐお電話を」というTVショッピングのような徹底ぶりです。
有名ブランドなのである程度のクォリティが集まらないといけないため、母数を相当数増やさないとダメなのでしょう。
今回も募集要項に「先着100名様が合格になり次第終了とさせていただきます。」とありましたが、応募自体が106件ということでした。大手でもほんと難しいんですよね。
コンテストとしてしまうとほんと壁が高くなりますが、身内で盛り上がる、というように運営し成功してますのは、pixivです。
>>(1) 「公式企画」の人気イラストやマンガ(1000件超)| pixiv
毎回、相当数の応募があり盛り上がっていて、見ている方も参加したくなります。このさじ加減がほんと難しいんですよね。
パクリチェックが大変
審査員もとにかく調査はしますよ、それでも、ネットには凄い人がいて、いろんなところからソースを見てけてこられるんですよね。ありがたいといえばありがたいですが、コンテンストに応募する側としてはバリューを期待するわけですが、その威厳というものが目減りしかねないわけです。
有名作家でも大手通販サイトのレビューで叩かれてしまう昨今なので、賞の品質維持も、むちゃくちゃコストかかるんですよ。
つまり、コンテスト開催は、
リスクが大きいんです。
そんななか、教育のため、スキルアップのためということで、開催をした両者には拍手を送りたいと思います。駆け出しのデザイナーさんなどには、ものすごく参考になるコンテンツだと思いますので、削除とかしないで欲しいですね。
デザイナーに聞いた当選のコツ
知り合いのデザイナーに当選作品の解説をしてもらいました。
・デザインに隙がない。
・考えられる必要なものをすべて入れて、バランスをしっかりと取っている。
・文字のジャンプ率をうまく変化させている。
・そもそも訴求するビジュアルが違う。
デザインに隙が無いというのは、たとえば左右の余白のバランスがちゃんと等しいとか、ここにスペースあるけど何で文字いれてないの?とか、たしかに並ぶとその完成度に納得がいくものばかりです。
なるほど、ですねえ。
教育目的ということであればフォローが欲しかった
次回はぜひ、解説をつけて欲しいというところです。漫画雑誌などの新人賞寸評などすごく参考になりますよね、あれです。
・作品寸評
・解説
・全作品サムネイルを並べて、当落を考えるコンテンツ、巻末で解説する等
受験書でも人気のあるものは、どれも解説がものすごく充実していますよね。
人を育てる、というときには、責任と機会をうまくサーブして能動的にクリアさせることが大切ですが、そのほとんどは失敗するわけです。しかし、その失敗から学ぶ、ということを自らが、積極的に振り返って、消化しないとダメ。そうしないと育たない、このプロセスなくして成長はありえません。自分で考えないといけないんですよね。
ただ、前述のようにコンテスト自体がものすごく慈善事業的な意味合いが大きいなかで、ここまで求めるのは酷。あくまで理想論です。
ただ、今後両社がどこを目指すのかで、内容が変わってきますので、まとめます。
・スターを育てる
この場合はフォローなどは徹底的にコストダウンして、どちらかというと有名企業や著名人審査員などを招聘(しょうへい)して、徹底的にブランディングする。おそらくはここが企業としては順当かと思います。スターが一人いるだけで、それを目指そうと会員登録するユーザー増も期待できるからです。
・底上げをする
とんでもなく長い道のりで、しかも成果は目に見えないことが多いので、社内からの突き上げがもっとも大きい進め方です。
ただ、スターを育てるリスクは、敷居が高くなってしまうという点。まして、クリエイティブのコンペなどですと、クライアントの好みや運なども絡んできますし、今回のように15件採用されることはなく、実際には1件なので、ハードルは高いは、受賞しても受注に結びつくかは未知数、というとこれも実は先の長いものなのです。
一方、こちらは受講者は確実に実感できるというメリットがあります。提供する側はあくまで奉仕になってしまいますが、時間をかけることで裾野は広がっていくことでしょう。
このあたりは、楽天がすごくうまくやってると思いますので、ご参考までに。泥臭いことをしっかりやってる印象です。
>>【楽天株式会社】 CSR 社会的責任 トップページ
資格商法だけはやめてね
今回の応募状況ですが、合格者のみ無料で受講可能とか、今後資格制度がとか、いろいろとオプションやロードマップっぽいものがうたわれてますよね。
企画会議で、見た目に美しくて耳障りが良い、マインドマップやチャートやパワーポイントなどの事業構想のビジュアルが、プレゼンされる姿が目に浮かびます。
しかしここで色気を出して、「全部コース修了しないとバッジ表示されません!トータル20万円!」などと、ビジネス最優先でだけ立ちまわるのだけは、やめてほしいと思いますね。カッコ良くないから、いやあくまで個人的にそう思うだけですが。
キャッシュは回るかもしれませんが、運営の仕方によっては、資格商法wwwと叩かれかねず首を締めかねません。そして、資格というのはおいそれと止められないものです。数年でやめてしまったら、がんばって取った人たちはほんと(泣)ですから。
ですので、教育においてそういうブランド毀損はもっとも避けなければならないリスクと言え、やるなら、ぜひ直球勝負でぐいぐい来てほしいと思います。期待しています。
今後も注目してきます
ネットが普及して、「教える」というコストはどんどん下がっています。しかし、「育てる」というコストは減ることがなく、ものすごく泥臭いところです。
ですから、それをどうビジネスに結びつけて、成果もともなわせていくのか、という戦術は手腕が問われるはず。そういう点で、今後もこういった動きは注目したいと思います。
応募者の方、開催側の皆さん、本当にお疲れ様でした!
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