北斗晶さんのいじめ論が凄く明快でわかりやすい

どこまでがいじめ

いじめ対策は難しい、です。

追記:2015年9月5日 関連情報のリンクを加筆しました。今後、定期的に追加していきます。

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どこからどこまでがいじめなのか?

 ・先生や大人にチクッたら自分も・・・
 ・我が子でも、なかなか話してくれない・・・
 ・うわばき隠しなど、陰湿なものは犯行特定が難しい。

などなど、いじめの定義って本当に難しい・・・。

はてなブックマークでも、定期的に話題に上りますよね。でも、それってとても身近で難しいだからこそ、なんだと思います。報道がされたあとに「犯罪として何とかしろよ」的なコメントなどもみられますが、いじめの難しいところはその線引なんですよね。まして、現行犯じゃなくて複数なことが多い、という。

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そんな「いじめ問題」を、NHK教育の「となりの子育て」で、北斗晶さんがとても明快に、そして具体的な考え方を語ってくれていましたので、シェアしたいと思います。

 「陰湿ないじめ」への対応こそ、明確なコメントは無かったですが(そもそもテーマとして取り上げられなかった)、仕事柄いろいろな番組を見ていますが、今までで一番、すんなり受け入れられました。

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いじめの4階層とは

NHK3「となりの子育て」2010年9月10日(再放送)
>>となりの子育て – 過去の放送 – わが子のそばでいじめがあったら

番組はこんな意見紹介から始まります。

・親の意見「イケナイよと言えるようになって欲しい」
・子供の意見「自分もいじめられると思った」

番組では北斗晶さんと、ある大学の先生。先生はいじめ問題に詳しい方らしいです。

北斗さん自身も「(小学校の頃は)仲間外れにされたりしてししまったり」と吐露。

教授「いじめの多くは仲間内で起こることが多い」

北斗さん「4人で仲良くしてたんだけど、トイレ行ってる隙に「アイツやだよねえ」とそんなところから始まるんですよね。」

教授「いやだな、辛いな、と感じてしまうことからいじめが始まっている、と」

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と、ここでいじめの構造が図示されます。たしかにこの集団心理が怖いですよねえ。

<いじめの4階層>
 ・被害者
 ・加害者
 ・観衆(はやし立てる)
 ・傍観者(何も出来ないことに傷ついている)
 ※それらが入れ替わる、ことも特徴。

さて、そこで北斗さん、まず一言切り込みます。

北斗さん「傍観者にしてしまう親もいますよ。出来れば関わりたくない、と」

教授「結果的に「関わらないことが被害者になっちゃたり、加害者になっちゃったり。そこが大きな問題になるんです。」

北斗さん「止めたいんだけど、恐いんでしょうね。」

教授「傍観者がいじめに関心を持つ、ここがポイントだと思います。」

番組では、「傍観者」にスポットを当て、みんながどうやったらいじめを無くせるかを考える切り口にしていました。

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傍観者を無くす取り組み

以下、傍観者を傍観者に変えない取り組みが紹介されます。

<鳥取大学付属小学校>
・11年前から実施。
・「いじめを無くしたい」という親たちの声がきっかけ
・子供達自身が子供達自身が応えるという活動。
・相談箱には匿名で投稿可能。
・悩みを投稿、それ全校生徒が見られるように掲示。
・投稿にはこんなものも。
「友達が僕をこきつかってきます。どうしたらいいですか?」
「一度やめて!と言ってみたらどうですか?10人の5〜6年生」
・担当の吉田ひろみ先生。
「アドバイスの中でいくつか試したら、関係が良くなったと。」
・ある生徒の声。
「別に対したこと無いじゃないかな、という相談もあって、
でもその人にとっては大事なことだから、人の気持ちを知ることにつながる」
「友達が出してることかもしれないので、自分でも気をつけるようにしてます。」

そこで北斗さん。

北斗さん「子供が子供の悩みに答えるって凄くいいことだと思うんですよ。」 「言えないからこそいじめられてしまう、そこで(紙に書くことで)字には書ける、というのがいいと思うんですよね。」

教授「エスカレートさせない抑止力を作ろう、という取り組み。必要なことは、親や教師がバックアップ、「ノー」と言える雰囲気づくり。」

学校ではこういう雰囲気作りやデッドゾーンを作らない環境作りが私も欠かせないと思います。

チクリの問題

ある投稿が紹介されます。実際に、いじめを報告した事例です。

1.いじめを発見(いやな態度や机にいたづら)
2.先生に伝える
3.本人と当人が注意される
4.その後、思っていた以上に、その子がクラスで嫌われていたことが発覚
5.伝えた子が「次は自分じゃないか」という不安に・・・。

チクリの問題です。そんな事例の後に、北斗さんはこうコメントします。

北斗さん「(私はうちの子供にこう言ってます)先生と親に言うのはチクリじゃないよ。友達同士の内緒のことを別な友達に言うのはチクリだよ、と。」

さらに、ユニークな方法で子供から会話を引き出す術を紹介。

・「学校どう?」と聞くことはしないようにする。<<逆に言えなくなる、と。

・「今日収録でこんなことあったよ!そっちは何かあった?」というように、軽い笑い話(馬鹿話)から切り出す。「馬鹿話から持って行くようにしないと、だんだん話さなくなってく・・・」とも。

・子供は自分のことは悪く言わない、ゆえに、まずは「ママこういうイヤな事があったんだよね、あー俺もこうことあった」と切り出す。

・「お前も悪かったんじゃないの?」と言うのって、それってスバリなんですよ、と。確信をつくと、だんだん言わなくなる、と。

・それよりは一緒になって文句言ってやる。「なんだこのやろー」と言う。そうすると、子供から「そうなんだよ、こうでこうで・・・」とホントの話をしてくる、ようになる。」とも。「もっともなことを言っちゃうと蓋しちゃう。」

教授「この発想が、傍観者を消してるんですよ!」絶賛です。

次に、学校での情報交換の場として、お母さん方の情報交換の話になると、

北斗さん「先生の悪口ばっかり(笑)!でもただでは悪口は言わないわけで、そこからも見えてくる。」

とにかく、いろいろな所から情報を得る姿勢。納得です。

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脳科学の視点からいじめ対策を考える。いじめに至る心理はなくせないけど、いじめが起きやすい環境は減らせることができます。

いじめの境界線の難しさ

その後、親同士の相談の動画。わかりづらい「いじめの境界線」が取り上げられます。

・ある行為に対して、それがいじめなのかどうか、が意見が分かれる。
・子供からすると、「遊んでもらってる」などと、また違った見方も出てきて・・・。

教授「本人がいじめてないつもりでも、いじめになってしまうこともあります・・・。」

そこで再び北斗さん。明快です。

北斗さん「1対1でやってるのはケンカだと。それが2対1になった時点で、もうそれはいじめだぞ、と。」

教授「まさしくその通りなんですよ!」

またも教授絶賛。凄すぎです、北斗さん。

ところが、ちょっとgdgdになってきます・・・

司会の藤井さんが教授に「どうしたらいいんですね?」と聞きました。

教授「いろんなところに気付ける力を持って欲しい、人に喜ばれることに嬉しいと思う感性を持って欲しいなと思います。」

・・・なんか、いっきに抽象的に。

藤井さんもさすがにツッコミます。

藤井さん「家庭で出来る何か具体的なことは・・・」

教授「私はね、お手伝いのススメ。人が喜ぶと嬉しいですよね、それを経験してもらう。」

・・・ちょっと「境界線」というテーマから離れてしまったような。

すかさず北斗さんに、どんなお手伝いをさせているか振られます。

北斗さん「え?イイんですか?言ってしまって(笑)?」

どんだけ凄いお手伝いなんですか!

北斗さん「例えば白髪一本10円、途中で切れたら5円、間違えて黒いの抜いたらマイナス10円。」

なんて楽しいお手伝い。格が違います。

ただ、私などは結構ビビリなので、「マイナス10円」と一気にやる気が無くなるのですが、さすがそこは北斗さんのお子様達・・・、

北斗さん「いやあ2人いますから大変ですよ(笑)!これは俺の白髪ろ〜〜!!」と。

もう、さすがです。

さらに褒めることも、大げさにやっている、とのこと。

北斗さん「ちょっと何かが出来たら、お前は天才だ、と」

これは激しく同意です。まず褒める、ですよねぇ。

いじめを無くすためにできること

北斗さん「誰でもイイから言ってね、と言えるならいじめられないと思うんですね。一番の救いってやっぱり友達だと思うんですよ。たった1人でも居てくれるだけで、うちの子も変わったし。」とさりげなく吐露。

北斗さん「1人の子には話しかけること。話しかけてくれた、ということから救いになる。とにかく「おはよう」の一言から。」

そう、1人でいるとホント辛いですよね・・・。

先生も最後にコメントです。

教授「非常に難しい問題ですよね。」

ツンデレですかww!!

 ・ ・ ・ ・ ・

とまあ、ちょっとかみ合わない所もありましたが、総じて良い内容でした。偶然とは言え、見られて良かったです。

いじめを完全に無くすことは難しいわけですが、

・関心を持つこととその環境作り
・エスカレートさせないこと

が大切なんだと、実感。

カミさんにも聞くと、北斗さんはおそらく勉強もしている、料理だけでなく最近はこういうコメントも多く、それらはしっかりしている、と。なるほど。

IT業界パパの会でも、こうテーマを決めて何かやってみたいなあ。

関連情報リンク

海外との比較。
>>なぜ日本人のいじめは陰湿化するのか?海外と日本のいじめ4つの違い

海外のいじめ対策。法律というか、大人と同じに扱っている。
>>いじめ誘発剤が充満してる日本の学校ーー 日米いじめ対策比較 – NAVER まとめ

加害者はそのときは何も思わない、それを自覚させる授業。
>>授業で「今から配る紙をグシャグシャにして下さい」→ 丸めたり踏んだりした後に教師がいった言葉が胸に刺さる – Togetter

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境界が難しいということはそこに気をつけることが重要。