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「サッカー 逆境の監督学」は読みやすく万人におすすめしたい良書

サッカー指導書

逆境からの逆転劇は、誰にも希望を与えるものです。本書は、サッカーというフィールドで、苦境とされるなかでも、どういう工夫をしていくか、という多くの人に学びのある内容です。また、とても読みやすく、書籍としても秀逸でおすすめです。

本記事の執筆は、フリーランス歴24年目のカグア!(@kagua_biz)によるものです。なお、情報は2021年6月7日時点でのものです。ご注意ください。

サッカー 逆境の監督学とは

本書は、1日2時間以上の練習禁止という制約のある國學院久我山高校を、全国高校サッカー選手権大会で、準優勝にまでみちびいた指導者の話です。

たしかに、Googleアースで見てみましても、都内の住宅地にある学校のため、グラウンドはお世辞にも強豪校のような広さとは言えません(おおくのスポーツ強豪校はたいてい別グラウンドや専用施設なども持ってたりしますよね)。

いわゆるジャイアント・キリング物というわけではありませんが、サッカーというスポーツの芸術性をベースに、効率的にチームを育てていくためには、何が必要なのかといった考え方や指導方法や、保護者への対応方法を、明快な文章で綴っています。

サッカー 逆境の監督学: パターン練習を捨てろ! 1日2時間の練習で狙う全国制覇 | 済華, 李


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逆境の監督術レビュー

高校生のサッカー指導者には金言の固まり

本書は、こうした指導者への良書という位置づけはゆるぎないです。ただ、その配慮が広範囲ですきがありません。

本文中にも以下のように書かれており、とても痛快です。サッカー経験がないコーチがすべきことという項目もあるほど。

です。私は父母会ではいつも親は何もいわないでくださいとお願いしていますね。 応援するときもそうですよ。「わー」とか「すごい」とかだけいっていればいいのに「そこ走れ!」と か「蹴れ!」とかいうでしょう。それはもう戦術的な指導ですよ。その権限は与えていないのに・・・でも、うちの考えだと、朝はひとりで起きればいいということです。朝ご飯も、つくってあげるのが悪(過保護にしない)。

本書は一貫して、生徒の成長への信頼を貫いています。より高い戦術やテクニックを求めることで、成長する。そこに素人はあれこれアドバイスをするべきではない、と。

それが、とても平易でわかりやすい言葉で書かれていてとても読みやすく、すんなり入ってきます。指導者へのアドバイスの下りもこうした口調で明快に書かれていて、参考になる指導者のかたはきっと多いはずです。

もちろん指導者には、具体的な基礎トレーニングの方法なども、具体的に紹介されています。

とてもわかりやすい単語と短い文章

読みすすめていくと、そのよみやすさに突然気がつくはずです。そうなのです、本書はとても短い文章のあつまりで書かれているのです。

掛ける言葉は、それこそ一日中考えているといってもいいですよ。・・・言葉の威力ってありますからね。 あとはそれをどのタイミングで、どういう風にいおうかと考えます。チーム全体にポンといおうか、練 習の途中でサラッといおうか、それとも偶然会ったときに一声かけようとか、そういうのが頭の中でずっ と動いてるんです。

本文にも書かれているように、著者はつねに言葉を考え、そのもっとも効果のあるタイミングと言い方を、熟考しています。たしかに、人気サッカー漫画のアオアシでも、そうした表現があり、なるほどなあと思わせられます。

ですから、そうした指導者の書籍ですから、本書がなんの意図もなく、短い読みやすいわかりやすい文章で書かれていないはずがありません。ぜひ、その華麗で芸術的な短文の連続に、ふれてみてください。

アオアシ 1 | 小林 有吾, 上野 直彦


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※【Kindleでは1巻無料で読めます】本書は紹介した書籍とは関係はありません。ですが、サッカー指導者の言葉選びの重要性がよくわかる漫画ですので、ぜひ見てみてください。

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制約に苦しむビジネスマンにも役立つ

効率的に組織を育てていくために何が必要なのか。実際に全国レベルまでチームを成長させた指導者のことばは、多くのビジネスマンにも役立ちます。

制約のないビジネスはじっさいには存在しないでしょう。ほとんどの場合、お金がないから、人が足りないから、とネガティブなことばかりに目が行きがちです。しかし、本書ではそうした絶望のなかから、どこに活路を見い出せばいいのか、淡々と静かに語ります。

練習をするのも難しい状況です。・・・全国優勝したい気持ちと、自分たちがやりたいサッカーの明確なイメージ、このふたつがエネルギーの源になるんです。そういったものがあれば、制約や逆境を逆手にとったアイデアは、自然と生まれてくるんじゃないでしょうか。

制約があるからこそアイデアや工夫が生まれる、という言葉はよく言われる言葉です。使い古されるほど、さまざまな場面やビジネス書で書かれていることでしょう。わたしも精神論だけのそうした美辞麗句はあまり好きではありません。

ですが、本書では、あっけらかんとじつはこうも言っています。

練習時間が2時間では少ないという人もいますが私はそうは思いません。むしろそれ以上にやってはいけない。

つまり、練習時間2時間はもともと、ベストな時間だと思っていたというのです。なんという痛快さでしょうか。しかし、いっぽうで、こうした環境の改善をするのも指導者の仕事ともいい、甘んじているわけでもなく、悲観的にとらえるわけでもなく、なんとも今どきな指導者、といった人柄がうかがえます。

グラウンドが狭いことについては、練習メニューや方法を具体的に示してくれています。たしかにここは工夫をしていることが伺え、こうしたメニューを考えることも指導者の重要な役割であることがわかります。

ですので、こうした逆境をなぜ越えられたのか、ということについては、じつは以下のような前提があり、それを抜きに自分の事例に当てはめてもうまくはいきません。しかし、そうした条件をうまく置き換えることができれば、本書はビジネスでもとても大きな至言になるます。

とくに、まわりがあまり騒ぎ立てないことの重要性は随所でかたられています。前述したように、親御さんが何もいわないことが大事、というように、一番わかっているのは本人です。そこをまわりがとやかく言っても邪魔になるだけ、とくに、負けたときほどメンタルに邪魔される弊害をうったえています。

こうした前提条件はありながらも、それらを冷静に分析し整理することで、今、読者が置かれている状況下でも、なすべきことがはっきりと見えてきます。

サッカーをあまり知らない、多くのビジネスマンにも読んでほしい本です。

個人的に感動したところ

わたしが本書の好きなところはこれらです。説明をしないわけではないが、やはり芸術的なスポーツなので、直感は大事とか、試合中ずっとボールを支配しているゲームはなく、今自分にボールがあるのは相手が失敗したからだとか、とにかく「決めつけがない」口調に、感動しました。

説得力はあるが、おしつけではない。

合理的ではあるが、パッションがないわけではない。

生徒であっても、最先端の戦術やテクニックを求め、指導者がより目を光らせるのは基礎の徹底。

勝敗を怒るのではなく、理想のサッカーができなかったことを注意する

著者は、たんなる罰も逆効果だと強く非難します。たとえば、「試合に負けたらランニングで帰校」は、負けが決まった時点で、残り時間に体力温存のために手を抜く生徒も出てくる、と一蹴する痛快さ。ほんとうにそのとおりです。

今の子供達はネットで多くの情報を得られますので、最先端の戦術やテクニックを求めることも、躊躇がないのも痛快です。

そして、全編において、「サッカーを嫌いにさせない」「サッカーは芸術性の高いスポーツ」「サッカーを通して学べること」など、人格形成に言及しているところも好きです。そして、それを単なる精神論として伝えるのではなく、きちんと論理だてて話しているところも。

ここまで、さわやかに、クールに熱いスポーツ書を読めたことに、とても幸運を感じました。紹介してくださった森野さん、本当にありがとう。

ぜひ、みなさんも、いまどきの指導者の本を読んでみてください。

すべてのかたにおすすめします。

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まとめ

おおくの示唆があるとても良い本でした。ぜひ、みなさんも手にとって読んでみてください。とても読みやすい文章でいっきに読めてしまいますよ!

・・・と、こんな感じに、ブログを日々更新しています。もし記事がすこしでもお役立ちしましたら、投げ銭していただけますとモチベーションの維持になりますので、ぜひよろしくお願いします。

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サッカー 逆境の監督学