実際にどういうデータが取れるのか、取得できたとしても汎用的に使えるデータなのか、設計前にはなかなかわからないですよね。つねに情報収集をして引き出しを増やしておくと、何かのときに役立ちます。
こんにちは、カグア!です。Googleアナリティクスのカスタムディメンションを使って、いろいろなデータを取りたくなりますが、じっさいになかなか使う機会がなかったり、苦労の割にはそれほど役立たなかったりしますよね。
今日はそんなカスタムディメンションの良い事例サイトを見つけましたので、シェアします。
この記事の目次
Googleアナリティクスのカスタムディメンションとは
カスタムディメンションは、管理者が自由にデータを入れられる変数のようなものです。無料版Googleアナリティクスですと20個まで設定できて、トラッキングコードをカスタマイズして、数値や文字など自由に入れられます。ログを記録しておくデータベースに、自分で自由に使える箱のようなものがカスタムディメンションですね。
・urchin.js、ga.js 時代・・・ユーザー定義変数:1個
・非同期コード時代・・・カスタム変数:5個
・ユニバーサルアナリティクス時代・・・カスタムディメンション20個
という変遷をたどっています。ですので、ユーザーメニューにカスタムというメニューがありますが、これがそうです。ユニバーサルアナリティクスでは、そのユーザー定義とカスタム変数を扱う命令が廃止されていますので、ユニバーサルアナリティクスから使い始めた方にはほとんど使わないメニューとなっています。
しかし、かつての資産として昔から使っている人は、このメニューがありませんとデータに容易にアクセスできませんので、名残として残しているといえそうです。ただ、カスタムディメンションは20個もの変数を扱える強力な機能となっていますので、これからの人もどんどん使っていきましょう。
Googleアナリティクスプレミアムでは、カスタムディメンション・指標が200個まで使えますので、まさにパーソナルDMP(データマネジメント プラットフォーム)といえますね。
カスタムディメンションの使い方
使い方は簡単です。必要な箱(カスタムディメンション)を、アナリティクス設定から作るだけです(上図)。これで、まずはGoogleアナリティクスのデータベース側に、自由に値を入れられる箱が準備できるわけです。
・ユーザー(クッキーレベルで保存される)
・セッション(訪問ごとに生成される)
・ヒット(ページビューなどデータ送信に紐づく)
・商品(商品IDなどに紐づく)
設定時には上記のスコープ(範囲)を決めて、任意の名前をつけて保存するだけです。生成後は、トラッキングコードに追加する命令が表示されますので、トラッキングコードに貼り付ければ、すぐにあなただけのデータが溜まっていきます。
カスタムディメンションの記述例
ga(‘send’, ‘pageview’, ~); の前に、以下の1行を追加するだけで、カスタムディメンションに生のユーザーエージェント情報が記録されていきます。アクセスごとにブラウザは変わるでしょうから、前述の図では範囲は「セッション」にしています。
ga('set', 'dimension1', window.navigator.userAgent );
トラッキングコードであれば、ga(‘set’, ‘dimension番号’, 値 ); の書式にしたがって書きます。Googleタグマネージャーであれば、あらかじめ {{ 生ユーザーエージェント }} といった変数を作っておき、ユニバーサルアナリティクスタグの「カスタムディメンション」の欄に設定するだけです。アナリティクス設定時にdimenshonXX と表示された番号を、インデックス欄には入れます。
参考になるカスタムディメンション事例
事例1:H.I.S
予約や検索、ユーザーデータなど、さすがにビッグデータがあって、かつツールとしての操作履歴など、かなり多くのデータが取れそうだと思ったら、なんとGoogleアナリティクスプレミアムでした。カスタムディメンションのインデックス番号で196とかありました。
カスタムディメンションも20個以上つかっている感じで、たとえば以下のような感じのデータを取っています。時間やグループなど、なるほどなあという感じ。イベントトラッキングやGTMのデータレイヤーもとっていますので、トラッキングマニアは必見です。
Custom Dimension 4 3:00AM
Custom Dimension 5 2015/8/14
Custom Dimension 21 [1]OTHER>default.aspx
Custom Dimension 26 notAd
Custom Dimension 29 Repeat
Custom Dimension 34 1
Custom Dimension 41 search.yahoo.co.jp
Custom Dimension 42 D=r
Custom Dimension 43 D=g
Custom Dimension 196 首都圏版
事例2:靴下専門店 Tabio
こちらはECサイトだけあって、会員情報に紐づくいろいろなデータを記録しています。数は多くないのですが、イベントでURLと広告関連のデータ、カスタムディメンションにUser-ID を入れていました。拡張eコマースとかもやっててもおかしくないような雰囲気です。
Googleのものだけでなく、リマーケや広告タグなどもたくさん入っていますので、アドよりな方はぜひ。
事例3:電子書籍ストア BookLive!
わたしがメインで使っています電子書籍ストアですが、なにげにいろいろとやってましたよ。とりあえず、カスタム変数だけでも、ログイン・非ログインやその他、カスタムディメンションでは、デバイスやなにやらユーザー情報などなど、いろいろと計測しています。電子書籍かいわいは今競争が激しいですから、属性に合わせたプロモーションやオモテナシを重視なんでしょうね。
データレイヤーやイベントトラッキングもあったり、あとソーシャルの面白い仕掛けとかあったり、ディレクターさんにも凄く参考になると思います。
カスタムディメンション関連リンク
公式ヘルプ。
>>カスタム ディメンション / 指標 – アナリティクス ヘルプ
ライターをカスタムディメンションに入れて評価軸にする。
>>カスタムディメンションを使ってGoogle Analyticsに記事の執筆者やカテゴリーを付加する
ヒット、セッション、ユーザーの違いを詳しく。
>>「ヒット/セッション/ユーザー」のGoogleアナリティクスでの区分を理解する(前半)(第90回) | Web担当者Forum
アプリからもカスタムディメンションに記録できる。
>>GoogleAnalytics – iOSからgoogle analyticsへのカスタム変数の保存方法 – Qiita
とりあえずタグマネージャーに変数として設定しておけばカスタム変数に入れるの簡単。
>>Googleタグマネージャに予め設定しておくと便利な変数9本
まとめ~GTM利用でさらに広がる
カスタムディメンションは本当に便利で、独自のデータを入れられる便利な箱です。
とくに、タグマネージャーとあわせて使うことで、より簡単に独自のデータを取れるようになり、分析のアプローチも広がってくると思います。20個ありますので、練習用にいくつか作ってもたいていは問題ないでしょうから、いろいろと試してみてください。
なお、今回タグをいろいろと見ていましたら、間違ったタグを見つけてしまいましたので、お知り合いの方がいらっしゃったらご一報ください。イベントトラッキングにタイポがありました。
パラメーターやカスタムディメンション、データレイヤーまわりは今後もいろいろとウォッチしてきますね。
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