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2012年2月17日 カグア!Googleアナリティクス活用塾 > レビュー、書評 >

【書評】川崎和男さん「ドリームデザイナー」



デザイン、プレゼン、生き方、元気・・・多くのことを与えてくれます。


世界的に有名な工業デザイナーの川崎和男さんの本です。とは言いましても、NHK教育で放映されています「課外授業ようこそ先輩」の内容と取材、加筆で構成されています。


NHK 課外授業ようこそ先輩 | トップページ


目次はこちら。文体や内容も平易な言葉使いや、適度なボリュームで書かれているため、とても読みやすいです。


序 川崎和男ちょっと長いプロフィール
1 川崎さんのデザインに出会う
2 デザインのトレーニング
3 やってみよう制作と発表
4 本格的なプレゼンテーション
5 授業を終えて



川崎和男という生き方


川崎さんは若い頃、交通事故に遭います。その後、車椅子での人生を送ることになります。

(事故後福井に帰り仕事を模索している時に)デザイナーとして復帰できるかどうかはわかりませんでした。でも、がむしゃらに、それこそ、以下に新しい刃物を作り上げるかということと、いかに彼らから信用される人間になるかということに懸命でした。


しかし、その再起には確実は目算があったわけでなく、故郷で直感的に出会った刃物に、全力を傾けていきます。結果、川崎さんはそのナイフによって、東京でデザイナーとしての賞をもらい見事復帰を果たすのです。


さらに、川崎さんを一躍有名にした「人工心臓のデザイン」。それも、半ば勢いとも解釈できるような発端だったとは驚きです。

(当時最先端だった光造形システムを使いプロダクトをつくってみせると)日本のデザイン界で見向きされる見込みはない。それでアメリカで各界の著名人が集まる会合での発表に挑んだ。「それによって一体何が現実に可能になるのか」学内の教授足しから問われた。川崎さんはもちろん「すごいことが可能になる」と自分ではわかっているが、普段のプレゼンテーションのように相手に一言で通じる具体的な回答に窮して、とっさに「人工臓器」と答えた。


人生は本当にわからないものです。計画通りにいくわけもなく、ならば自分を信じて突き進むのもありなんだと、勇気づけられます。もちろんこのデザインは、医学博士号取得や普段からの思いなど伏線はあるものの、とっさにそう答える度胸や心意気はすがすがしさが感じます。インタビューでもこう答えており、格好良く生きる、を体現しています。

僕の身体の中にはステンレスの板が2枚入っています。・・・(レントゲンで)それを見た瞬間に「とてもイヤだ」って思った。その板が無茶苦茶かっこ悪いんですよ。僕がいずれ死んだら、焼かれて灰になって、その板が出てくるんですよね。



小学生がプレゼン対決!課外授業の行方は・・・


さて、そんな川崎さん。番組では、小学生にデザインを教える課外授業に挑みます。

今日はこれだけしか描かなかったけど、実際には一晩かけてスケッチブック一冊全部が埋めるぐらい絵を描いています。それでこの絵がいいなと思ったものはすぐに立体にします。・・・だから工業デザインのいちばん最初の仕事はスケッチを描いたり、立体のモデルを作ったりすることです。


小学生に対する説明ですが、わかりやすい言葉で、かつ大人でも勉強になる内容を話します。参考になります。


しかし、2日目は課題を出すのですが、そこであまりの生徒のおとなしさに檄が飛びます。

(生徒が発表時に志願しないことに対し)何でもそうだけど、オリンピックで一番になるやつは凄いだろ。イチローなんかもそうだろ。トップになる人ってみんな凄いだろ。そういう人をめざさなくちゃいけないんだよ。自分が一番なんだって、自分の考え方を世の中に出すのがデザインの基本です。・・・だめだ!声が出てない。いいか。自分が一番最初にやるんだっ「わたし!ぼく!」って手をあげるんだ。


そして、課題が集まりプレゼン大会に。ここで優秀な作品には、グッドデザイン賞審査員である川崎さん直々に、賞をもらえるという趣向が。ただ、そこでも檄が飛びます。

モノを泣かしたらダメだろう。それならもう一度生き返らせるんだ。自分のわがままで発表しないという、そういうわがままはダメなんだよ。自分のわがままを思いやりに変えろって言ったじゃないか。自分の思いやりをちゃんと込めたならこのパネルでそれを生き返らせてあげなきゃ。


デザインの課題は、ナイフか携帯電話。携帯電話が作りたい!と言ったチームにナイフを、ナイフを作りたいと言ったチームに携帯電話をデザインさせます。その真意は!そして、プレゼン大会の行方は・・・。

まず自分のわがままと思いやりの関係を作る。そして、そのパネルにはちゃんと、これを褒めてあげる言葉を書く。みんなはせっかく作ってきたのに、これを泣かしてしまっては、いくら「お母さんのためだ」と言ったって、そんなものは伝わりっこない。じゃあもう1回。書いてきたものを元に、より短い言葉でポイントはせいぜい書いても5つか6つに絞る。「誰のために」「ポイントはこことこことここ」というふうに。


川崎さんの情熱があふれんばかりに伝わってきます。読みやすい文体とボリュームなので、数時間で読了は可能です。しかし、とても多くのことがつまったこの本は、何度でも読み返したくなること間違いなしです。
 

 

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