Googleアナリティクス基礎:セッションとは

セッション

こんにちは。Googleアナリティクス公式ヘルプフォーラムLEVEL10アンサリストのカグア!です。

Googleアナリティクスを使っていますと、カタカナ言葉ばかりでほんと初心者寄せ付けない感がありますよね。

でも、まずはこの「セッション」という用語を基本として理解するのがおすすめです。じつはこのセッション、他のデータの計算によく使われる、それくらい基本的な数字なのです。この用語から学習するのは、とてもおすすめなのです。

それでは、以下Googleアナリティクスのセッションについて解説します。

>>アナリティクスの AdWords クリック数、セッション数、ユーザー数、閲覧開始数、ページビュー数、ページ別訪問数の違い – アナリティクス ヘルプ

追記7月20日23:17 Webアナリストの衣袋さんの投稿で知ったのですが、ユニバーサルアナリティクスですと30分というセッションのしきい値が変わるようにも解釈でき続報が待たれるところです。

>>ユニバーサル アナリティクスにアップグレードすると平均セッション継続時間の単独の予想外の低下について – アナリティクス ヘルプ

セッション数とは

セッション数

セッションとは、ユーザーがページを見始め(アプリを起動しはじめ)、回遊し、他のサイトへ行く(離脱する)、といった開始から終了までの、能動的に関わった行為全体をさす単位です。

じつは、いわゆるアクセス数という呼び方はないのですね。アクセスしに来てくれた回数、という意味ではこのセッションはそれに近いかもしれません。ただ、アクセス数とは言わずセッション数です。

公式ヘルプには以下のように書かれています。

期間内の合計セッション数です。 セッションとはユーザーがウェブサイトやアプリなどに積極的に関わっている期間を指します。すべての使用状況データ(スクリーン ビュー、イベント、e コマースなど)はセッションと関係します。

まあようは行動なのです、単位など言いづらいかもしれませんが、1回のこの行動で単位は、1セッションと呼んで良いです。

具体的なセッションの意味

セッション概念図

セッションとは、見始めから離脱までの一連の行動をさしています。ですから、1セッションのなかで、上図で言えば3ページビューがされ、1ユーザが見に来てた、と言えます。

前述のように「セッションにすべてのデータが関係する」というくだりは、このように、「1セッション中1ユーザが3ページ見た」というように、包括されるうる指標だからなのです。平均セッション時間、平均ページビュー(ページ/セッション)など、多くの指標で算出に使われる、もっとも基本となる指標といえます。

ユーザー数とは

ユーザー数は、吉田さん田中さんといった厳密な個人をさすわけではなく、上図のようにじつはブラウザごとにカウントされる指標です。ですから、1ユーザーといっても、厳密には1ブラウザと言えます。そのブラウザのクッキーという保存領域にGoogleアナリティクスはアクセス状況のデータを記録しておき、再訪などのときにまた利用するといった動作をします。

ですから、たとえば、吉田さんが、通勤中にスマホでサイトAを見た、オフィスのPCでもサイトAを見た、としますと、ブラウザが変わっていますので、同じ吉田さんだとしても、Googleアナリティクス側では、2ユーザーとカウントされます。

ページビューとは

Webでいうページが表示された回数をさします。アプリの場合はスクリーンビューなどと言います。

ページが表示されると同時に、Googleアナリティクスの計測プログラムも稼働します。ですから、ページビューがあっても、あまりも素早いリダイレクトなどしますと、データ送信が追いつかないこともあるため、ページビューとしてカウントされない場合があります。

セッション時間とは

セッション時間の計算

セッション時間は、ページの閲覧開始時にデータ送信される、その瞬間の時刻がGoogleアナリティクスに記録されていきます。

実際には上図のように、ページ閲覧開始から読了時間があり、そのページを離脱そして2ページ目となって、また読了して3ページ目、そして完全に離脱。この間、本当の意味でのセッション時間は9分間です。閲覧開始から最終離脱までを引き算しますと。

しかし、離脱という瞬間はGoogleアナリティクスでは計測できないのです。Googleアナリティクスは、ページ閲覧開始時に、データ送信され記録されますので、実際には、上図下部のような計算方法となり、実際のサイト滞在時間よりも短くなる傾向があります。

直帰したセッションはすべて滞在時間0

直帰率は0分

ランディングページ(見始めのページ=1ページ目)を見てましょう。

直帰率(1ページだけ見て離脱してしまう率)の項目をクリックし、直帰率で並べ替えをします。100%直帰しているセッションだけになりました。すると、1回のセッションでの平均閲覧ページ数を表す「ページ/セッション」も1になりました。平均PVで、直帰しているわけですから、当然1ですよね。

しかし、平均セッション時間はどうでしょう。すべてが0秒です。すべてがゼロになります。もちろん、本当に一瞬で離脱してしまうセッションもあるでしょうけども、さすがに0というのは意味がわかりません。しかし、前述の仕様を理解しますと腹落ちするはずです。着地の時間は計測できても、離脱の時間は計測できないからです。Googleアナリティクスでの滞在時間は次ページとの差分でしか算出されないからなのですね。

かつては訪問数と言っていた

アプリでもセッション

その通りです。かつてはセッションではなく訪問と読んでいました。ですから、ページ/セッションも、訪問別ページビュー数という呼び名でした。

これには理由があります。Googleアナリティクスがバージョンアップをしていく過程のなかで、アプリも同じGoogleアナリティクスで計測したいよね、という機運が高まり、実際できるようになりました。

アプリはユーザーがダウンロードしてるわけだから、そもそも訪問じゃないよね?アプリは画面の移動はあるけど、あれってページなの?など、統合はできたもののさまざまな定義の不統一が見られるようになりました。

そこで、Webによるアクセス=訪問、アプリによるアクセス=起動?、それらを統合し「Webやアプリに関わっている行為」を合せて呼ぶ総称が必要になったのです。そこで、以後セッションと呼ぶようになったのです。

ですから、Webしかやられない担当者には、わかりづらい呼び名となってしまった感は否めないとも言えそうです。

また、他のアクセス解析ツールなどでは、ヴィジット(VISIT)とも呼ばれることがあり、業界で統一された言い方というのはありません。ですから、もしかしたら、また呼称が変わるかもしれない、くらいは頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

セッションに関する注意

セッションが切れるとき

セッションとはWebやアプリに関わったはじまりから終わりまでの一連の行動をさします。では、何をもって終わりと判断するのでしょうか。

Webの場合どこに離脱したのかまではさすがに追跡できませんよね。ですから、Googleアナリティクスでは、基本的には以下の3つの条件のときに、セッションを終了させると理解しておけば良いでしょう。

1.日付が変わったとき
(例:23:59から00:01まで見てた場合でもセッションは2になる)

2.30分以上何もしなかったとき
(例:あるページを開いたまま1時間離席して何もしなかったら再開したとしても2セッション)

3.参照元が変わったとき
(例:ヤフーの検索結果から流入、いったん戻るボタンで戻って、別なブログから30分以内に再度流入しても2セッション。)

いっぽうで、戻るボタンで一旦サイトを離脱します。しかしその後他のサイトを見たとしても、たとえば戻るボタンなどで戻り、30分以内に再びそのサイトを閲覧すれば、同一セッションとみなされます。これらが適切かどうかは重要ではありません、Googleアナリティクスを使ううえで、セッションとはこうやって計測されているのだというツールの特性を理解したうえで、数字を誤解なく解釈できることが重要です。

より厳密に理解したいときは、以下のサイトを参考にするとよいでしょう。
>>Googleアナリティクスの「セッション」を正確に理解する – Real Analytics (リアルアナリティクス)

30分以上にもセッション単位を操作できる

セッション設定

たとえば、30分以上放映される動画が掲載されていて、何もせず30分がよく過ぎてしまう、というサイトがあったとします。そうしますと、さすがに、それを別セッションとしてしまっては問題がありそうです。そのようなときに、デフォルトのセッション区切り時間である30分を変更することができます。

アナリティクス設定>プロパティ>トラッキング情報>セッション設定 で最大4時間まで伸ばすことができます。

必要におうじて設定変更を試みてください。わたしはぎりぎり2時間とかにしちゃいます。

セッション数が違う!?サンプリングに注意

サンプリング

よく広告クリック数とセッション数が違う!という声を聞きます。広告をクリックして訪問したのだから、クリック数とセッション数は一致しなければならないだろう、という考え方です。

しかし、実際には広告側でクリックが承認されなかったり(不正クリックが差し引かれる場合など)、着地するも高速にリダイレクトされてデータ送信できなかったりと、一致することはまずまれです。

なかでも、サンプリングといって、Googleアナリティクスのデータ処理の負担を軽減するため、データを間引きしてレポート集計することがあります。そうしますと、当然クリック数とセッション数は一致しません。上図のように、ある程度は精度向上させることが出来ますが、100%というのは難しいです。間引きされないよう短い期間で集計するなど運用でカバーして下さい。

これはさすがに、Googleアナリティクスの仕様なのでどうしようも出来ません。あまりにも乖離が大きく効果測定に支障を来たすということであれば、Googleアナリティクスをいくつかにわけるなど、計測方法自体を見直すケースもあるかもしれません。

まとめ~セッション数とは基本の単位

Googleアナリティクスでは、さまざまな指標を算出するときに、セッションを利用することがあります。それくらい重要かつ基本的なデータといえます。

セッションは、開始から終了までの一連の操作をさしますが、すべてのデータと関係し、アプリなども統合的に示す必要があったため、訪問からセッションと呼び名が変わった経緯があり、Webのみを管理する場合は、覚えにくいのは仕方ないのですね。

Googleアナリティクス活用には、この「セッション」という呼び方に慣れることが第一歩です。がんばりましょう!

できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応: 木田 和廣, できるシリーズ編集部: 本
できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応: 木田 和廣, できるシリーズ編集部: 本

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かつては訪問数って言ってた。